陽菜

夕方バイヤーから電話が入り
納品が遅れたお詫びに食事に招待したいと言われた

でも、優子が夕飯を作って待っててくれてるはずだから
丁重にお断りすると

ケーキだけでもと言われたから
まだ早い時間だし9時頃に帰る予定だったから
おなかの足しになるかなと思い
店をマリアに任せ外出した

待ち合わせの場所に着くと
男性なのに深く頭を下げ謝られるしぐさに少し心を打たれ
つい油断してしまった

じゃー行きましょうかと言われいきなり肩に腕を回され
振り払いたかったけど
これからのお付き合いに支障をきたすといけないから
我慢した

行った場所がホテルの最上階にあるスイーツバイキング

すごくおいしくて大満足

今度優子を連れてきてあげようて考えながら
いろんな種類を食べてるとおなかがいっぱいに(汗)

「今日はごちそうさまでした(бвб) 」

「いえ、こちらの手違いでご迷惑をおかけしたので
もしよければ今度ディナーをご馳走させていただけませんか」

「謝罪は今日のスイーツでで十分です(笑)」

「謝罪ではなくデートを申し込んでいるんですが」

「すいませんそれじゃ尚更です
私恋人がいますので」

「そうですか、こんな素敵な方と付き合えるなんて
きっと立派な方なんですね」

「ふふふ、そうでもないんですよ
いつも私のことになると自信なさげで
でも頑固なところもあって・・・すごくかわいいんです」

「小嶋さんにそんな顔をさせるなんて
その方がうらやましいです」

「私変な顔してますか?」

「とても幸せそうな笑顔をされてますよ」

「そうですか・・・・今日は有難うございました
また仕事ではよろしくお願いします」

「こちらこそ、もしその方と別れたら
僕にもチャンスはありますか?」

「たぶん、別れないと思うのでないですね(笑)」

「アハハハでは、明日には必ず納品しますので」

「よろしくお願いします」

いったんお店に帰り後片付けをして予定より30分早めに帰る
もちろん優子には帰るコールを送ったのに既読がつかない

どうしたんだろ


マンションのカギを開けドアを開けると中は真っ暗で・・・

「ただいまー・・・優ちゃん?」

帰ってないのかな?

でも玄関を見ると今日履いていた靴が無造作に脱ぎ散らかっていた

どうしたんだろう・・・珍しい・・・

靴を揃えて
廊下の明かりをつけリビングへ

「優ちゃん!」

リビングの明かりをつけても帰ってきた形跡がない

おかしいなそのまま寝ちゃったのかな

寝室を覗いてもベットは綺麗なままだった

「優ちゃん・・・優子!」

どこへ行っちゃったんだろう・・・

トイレにも風呂場にもいなくて・・・そうだ

携帯を鳴らしてみた・・・・・・・

かすかに聞こえる着信音

耳をすませ聞いていると・・・ここからだ

そこは優子の部屋!というより今は荷物部屋

音を鳴らしながらドアを開け
電気をつけ音が聞こえるほうを探すと

部屋の角で服にまみれ
膝を抱かえながら丸まって座る優子がいた