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好きにならずにいられない 10

「あ、小嶋先生!」


バサッ!


いきなり後ろから声をかけられ
教材を落としてしまった

でも陽菜は見逃さなかったよ
その声を聞いた大島さんの驚いた顔と
一瞬下がった眉毛を


「大丈夫ですか(汗)」

「もう、急に大きな声出したらびっくりするでしょ」


床にしゃがみ教材を拾っていると
誰かが手伝ってくれて


「ありがとう」


立ち上がり顔を見る


「大島さん・・・・」

「アハッ、先生にしたら珍しいね
あ、二回目か」


そう言って微笑んでるけど
全然笑えてないから


「放課後準備室へ来て」

「・・・・私何かしました?」


どうしてそんな事を言ってしまったんだろう
言ってしまってからしまったって思ったけどもう遅い
何か理由を見つけないと(汗)


「この前の実験のレポートで気になったところがあるから」

「・・・・・よく出来ましたのはんこ
押してありましたけど・・・」

「それでも気になったの!」


つい大きな声で怒鳴ってしまう


「わかりましたから落ち着いて(;´-∀-)」


「待ってるから」



最後の一言はいらないよね?


困った顔をしながらも


「早く戻らないと次の授業始まりますよ」

「え、ほんとだ(汗)」


慌てて準備室へ戻り時間割を確認

次は二年生の授業があったんだけど
どうして知ってたんだろう・・・

自分の授業の用意をしたかっただけなのかな?

きっとそうだよね
だって二年生は校舎が違うから
知らないはずだもん・・・

ダメダメ考えてる時間無い
早く準備して行かなきゃ(汗)


準備室を出ると同時にチャイムが鳴ったから
いつもより早足で教室へ向かった

好きにならずにいられない 9

陽菜


大島さんの様子がおかしい

いつもなら教室に入ると
ずっと陽菜を目で追ってるのが
わかるくらいの視線を感じるのに
今日は何度見ても目が合わないし
当てるとボーとしてたと言うし
元気がない

心配だったけど教室で聞くことはできないから
そのまま準備室へ戻った


「お帰り(*`ω´) 」

「お疲れ、さーて俺も準備しなきゃ」

「一年ですか?」

「あぁ、今年は問題児が多くて困るよ」

「三年生は比較的おとなしい学年ですもんね」

「俺も持ち上がりが良かった(涙)」

「ほら、文句言ってないで準備準備(*`ω´)」

「そういうお前も早くいけよ」

「またまたー、そばにいてて欲しいくせに」

「な、何言ってるんだ(汗)」


そう、麻里ちゃんと野呂先生は付き合っている
もちろん生徒は知らない

何なら婚約までしてるからね

でもなぜだろう聞いた時は胸が全然苦しくなくて
心からおめでとうと言えたの

大学時代から麻里ちゃんの事が好きだったのにね


たまたま入ったサークルの部長をしていて
学部は違ったけど陽菜の事を可愛がってくれて
好きになるのに時間はかからなかった

四回生で引退してからも
二人でショッピングや映画へ
だから全然寂しくなかった

流石に四回生の時は会う回数は減ったけど

就職した高校へ後を追い就任出来て喜んだのもつかの間
麻里ちゃんは同期の秋元先生と付き合っていた

それでも先輩と後輩は変わらないわけで
学生の時のように気にかけてくれていて

一年ほどして秋元先生と別れたと聞き
どんなに嬉しかった事か・・・

それからかな
自分の教科には準備室がないからって
理科準備室に息抜きしに来るようになり
年上なのにおっちょこちょいの野呂先生の事を
可愛いと言いはじめ・・・・

いつの間にか二人は付き合っていて
婚約したと聞いたのが文化祭の数日前

だからと言って好きな事には変わりないけど
好きの意味が変って来てたのかもしれない




三・四時間目の授業が終わり
準備室へ戻ると二人はすでに
お弁当を食べ終わっていた


「早い(бвб) 」

「ほら、お昼はゆっぴーが来るから
何かと面倒でしょう」


そりゃー麻里ちゃんが作って来たお弁当を
二人で食べてたら誰だっておかしいと思うよね


でもその心配は無かったみたい
だって大島さんは準備室へ来なかったから



「文化祭終わって忙しくなくなったのに
ゆっぴー何で来ないの?」

「知らない」


ちゃんとコップを用意して待ってるのに
あれから週をまたいでしまっていた


もちろん授業中も大人しくなっていて
実験中もどこにいるのかわからないほど大人しくて

心配していたのに

他のクラスの授業終わり廊下を歩いていると
懐かしい笑い声が聞こえてきて

教室の中を見ると
あの笑顔で笑っている大島さんがいて・・

なんでかな
急に胸が苦しくなった

好きにならずにいられない 8

気持ちを切り替えその日は楽しめた・・・と思う


「はぁ・・・・」


明日学校へ行くの嫌だな
1時間目から先生の授業あるじゃん・・・
寝坊しようかな(;´-∀-)


で、ゆっくり寝てたら


「何やってるの、学校遅刻するでしょ
早く起きなさい(怒)」

お母さんに無理やり起こされ
いつもより一本遅い電車で無事到着

ゆっくり歩いていたのに
着いたのはホームルーム中で授業には余裕で間に合ってしまった


「優子が遅刻なんて珍しい
やっぱり体調悪いんじゃないの?」

「体は元気なんだ、ほら(-∀-`) 」


わけがわからない踊りを踊って見せると


「いつもの優子だ」


安心したのかみーちゃんは自分の席に戻って行った


いつものようにチャイムと共に教室へ入ってくる先生

いつもなら先生の姿を目で追うから
必ず目があっていたのに
今日は一度も合わない

まあ、私がずっと下を向いてたからなんだけどね

授業中自信の有りそうな人しか当てない先生

なのに


「次の問題を・・・・そうだな・・・・大島さん」


先生の甘い声で名前を呼ばれ、びっくりして顔を上げる


「どうしたの、寝てた?(бвб)」

「寝てません!ただ・・・・」

「ただ?」

「ボーとしてただけです・・・・・」

「文化祭はもう終わったんだから
気持ちを切り替えて
授業に集中しないと駄目だよ」

「はい・・・・・・」


チェッ、誰のせいだと思ってるんだよ(怒)


授業が終わるとみーちゃんがやってきて


「やっぱ、保健室で見てもらったほうが良いよ
優子が小嶋先生の授業でボーとするなんて
あり得ないことなんだから」

「昨日はしゃぎすぎて疲れてただけ
もう復活したから気にしないで」

「だったらいいけど・・・・昨日も変だったじゃん」


空元気バレてたんだ(;´-∀-)


「先生と何かあったの?」

「へぇ?」

「峯岸様を騙せると思ったら大間違いだよ」

「何言ってるの(;´-∀-)」

「授業の気合の入り具合とか
お昼休みに甲斐甲斐しく通ってる所とか
廊下ですれ違った時の顔とか見てたらわかるって」

「はぁ・・・・みーちゃんには敵わないよ」

「私達親友でしょ、なんでも相談してよ」

「本当のことを聞いても引かない?」

「そんなやつは親友とは言わない」

「ありがとう(。-∀-)」



そして全て打ち明けた
私が女性を好きで先生が好きだという事を


「・・・・・・・・」

「やっぱり気持ち悪いよね・・・」

「薄々は気づいてたからやっぱりね、と思っただけで
優子は優子でしょ、どんな優子も私は好きだよ」

「うぅぅぅ・・・・・ありがとうみーちゃん」

「でも先生は無理じゃないかな、彼氏いそうだし」


小嶋先生のことは言わなかった
私が言っていいことじゃないから


「でもさ、思うのは自由でしょ
卒業するまでは夢を見ていたいんだ」

「いいんじゃない、
学校には彼氏いないんだし
優子が独占すればいいじゃん
私に出来ることがあったら何でも言って」

「みーちゃん大好き(。-∀-)
あ、本気の方の好きじゃないから安心してね」

「わかってる、で、まずは何をしたらいい?」

「今は・・・・私と一緒にいてくれるだけでいいや」

「今までと一緒じゃん」

「アハッそうだね」


心の傷が癒えるまで
気持ちをわかってくれる人にそばに居てほしかった

みーちゃんがいてくれて本当に良かった

好きにならずにいられない 7

「わっ!」

「きゃぁー」

「きゃぁぁー(;´-∀-)」


驚かせる為に飛び出しては反対に驚いて奇声をあげる私


その声は結構なところまで響いてたらしく
勝手に集まってくるお客さん

噂が噂を呼び私の所へ
反対に驚かしに来る客が増え
私の声はガラガラ(;´-∀-)


「こんなのお化け屋敷じゃないじゃん
何度も入って来てきてわかってるんだから入口で止めてよ」

「なんで?お金払って入ってくれるんだよ
ありがたいじゃん(ΘωΘ) 」

「そうだけどさ(怒)」

「優子のおかげで売上凄いよ!」

「私に還元してよね」

「打ち上げの資金にするので無理でーす(ΘωΘ) 」

「ちぇっ、声枯れ損じゃん(怒)」

「クラスの為になったんだから喜ばなきゃ」


あぁ・・・のど痛い

せめてのど飴は買って欲しい


明日は学校が休みだから二時からカラオケのパーティルームで打ち上げ
歌は好きだけどみんなの前ではあまり歌いたくない私
喉が痛いという理由で歌わなくて済みそうだ



次の日、朝早くから家を出る

実は午前中にその筋のイベントが行われると知って
前からチケットを取ってたんだよね(-∀-`)
お昼に終わるから打ち上げには間に合うし
打ち上げ場所とは正反対の場所で
クラスメイトには合わない確率の方が高いから安心

なのに


「先生?」

「え、優ちゃんもチケット当たったの?」


ヤバい運命じゃん(-∀-`)


そう思ったのは一瞬で


「陽菜お待たせって、なに私がちょっと遅刻しただけで
JKナンパしちゃってるわけ(笑)」

「違うよ、この子は生徒」

「うそ、ヤバッマジごめん(汗)」

「大丈夫、この子知ってるから」

「そうなの?良かったね」


そう言いながら先生の腕に手を回し
体を引っ付けてる

もしかして・・・・彼女さんなのかな・・・


「こんにちは」

「こんにちは・・・」

「なんか小さくて可愛い♪」

「だめだよ、生徒なんだから」

「わかってるって、私は陽菜だけで十分」

「ウザ(бвб) 」

「酷いでしょ、学校でもこんな感じなの?」

「いえ・・・」

「学校では綺麗で優しい先生だよねぇ〜」

「う、うん・・・」

「そう言われたら頷くしかないじゃんねぇ」

「そんな事は・・・」

「優ちゃんは正直ですごくいい子なんだから」

「陽菜が褒めるなんてよっぽどいい子なんだね(笑)」

「なにそれ(бвб) 」

「だって私にさえめったに褒めてくれないじゃん」


胸が痛くて辛い


「一人なんだったら一緒に行く?」


何も来ていないラインを見るふりをして


「あ、今日打ち上げの幹事で
早くいかないといけないんだった(;´-∀-)
じゃーね先生、また明日学校で」


凄く楽しみにしていたイベントだったけど
先生と彼女さんが仲良くしている姿を見ているのが辛くて
嘘をついてその場から逃げたんだ


「あれ、優子早いじゃん(ΘωΘ) 」


早いも何も朝からずっと目の前のカフェにいた


「どうしたの?」

「え、なにが?」

「この世の終わりみたいな顔してるんだけど」

「どんな顔だよ(笑)」

「何でもないならいいんだけど
体調悪いんだったらいつでも言って」

「あぁ・・・・うん、有難う」


心が悲鳴をあげてるなんて言えるわけない

ふぅ・・・・みんなの前では
元気な大島さんでいなきゃだよね

好きにならずにいられない 6

それから文化祭の打ち合わせや準備などがあり
昼休みも忙しくて行けない日が続き

文化祭当日

私の担当はお昼からだから午前中は見て回ることに


もちろん一番に先生の教室へ


「うわ、何これ(;´-∀-)」


まだ始まって10分ほどしかたってないのに廊下に列ができ
中も満員状態

お昼前にもう一度来よう
でも一目先生を見てから・・・


そう思ったのがいけなかった


教室の中を見渡すとバチッとあった目

あっ!と言う顔をしたかと思ったら私の方へ歩いて来て


「丁度よかった、今いるって言う事は暇なんだよね?」

「担当は昼から、何で?」

「丁度よかった(бвб) 手伝ってくれない?
男装するはずの子が熱でおやすみになっちゃって
この時間人数が足りないんだよね」

「だったらほかの子にすればいいじゃないですか(;´-∀-)」

「その子大島さんくらいの身長だから
他の子ではサイズが合わないの(汗)
お願い!先生を助けると思って!ね(бвб) 」


そんな顔してお願いされたら
嫌って言えないじゃんか(;´-∀-)


カツラをかぶらされ男装をして注文を聞きに出る


「ヤバい、カッコ可愛い♪」

「その人に注文聞いて欲しい♪」


何故か一番忙しくなってしまった私(;´-∀-)


「なんかごめんね(汗)」

「いいですよあと少しですし」


飲み物を持ってテーブルへ


「名前なんて言うんですか?」
「運動部入ってます?」


質問攻めにあいだした(;´-∀-)


「握手してください」
「写メ撮ってください」


アイドルになった気分で悪い気はしないけど


「肩組んでもらっていいですか?」
「ハグしてもらってもいいですか?」


どんどんエスカレートしていくお願い
どうしようか困っていたら


「はーい、交代の時間だからもうおしまいね」


先生が割って入ってくれて助かった


服を着替えていると


「ありがとねこんど御礼するから」

「御礼なんていらないので
この後一緒に回って下さい」

「迷惑かけたし・・・・いいよ」


やったぁ!

心の中でガッツポーズ

あと1時間ほどしかないけど並んで歩き
他の出し物を見て回り
食べ物も奢ってくれた


「もうそろそろ戻らなきゃ
先生見に来てよ」

「そうね、来てくれたから行かなきゃだけど・・・」

「あ、怖いんでしょ(笑)」

「違うし(汗)」

「じゃー一緒に行こう(-∀-`) 」


で、一緒に入ってキャーキャー言う先生を守って
かっこいい所を見せる
何なら抱きついてもいいんですよ〜


「二枚ね」


で、入ってから気づいた
私もお化けは苦手だったんだと言う事に・・・・


「きゃぁぁぁ!!、わぁぁぁ!!
ごわいよぉ〜(。-∀-)」


ずっと抱きついてるのは私の方で
先生はと言うと

私をしっかり抱きしめ出口まで導いてくれた


「優子凄い声だったよ(笑)」

「先生大丈夫でしたか?」

「もうね、大島さんの怖がりようを見てたら
申し訳ないけど笑っちゃって
全然怖くなかったの(笑)」

「酷いよ(。-∀-)」

めちゃくちゃ情けない姿を見せてしまった
まあ、抱き付く?目的は果たせたけど・・・


「そんなのでお化け役出来るの?」

「脅かす方は大丈夫!だと思う(;´-∀-)」


だってその場にしかいなくていいから
他のお化けを見なくて済むはず


「優子そろそろ交代の時間だから着替えて」

「わかった、先生またね(-∀-`) 」


みんなに手を振って離れていく先生の後姿を眺めながら
さっきの事を思い出していた

怖かったのは置いておいて(;´-∀-)
いい匂いがしたし体の弾力?も最高だったし
今度は正面から抱きついてあの胸に埋もれてみたいなぁー

なんて考えていたら耳元で


「キモイよ(ΘωΘ) 」

「え?」

「顔、やばいから早く着替えにいけば」

「う、うん(;´-∀-)」


私がお昼休みにどこへ行ってるのかを知っている
唯一の友達
だけど私の恋愛対象が女性だと言う事は知らない
だって私は男女問わずフレンドリー

そうやって誤魔化しながら生きてきたから・・・・


「代わってくれない・・・よね(;´-∀-)」

「私は客引き係」

「そうだよね・・・・行ってきます」


大島優子、精一杯お化けに徹してきます。
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