お兄ちゃんが日本へ戻ってくる

ということは病気は治ったと思っていいだろう
そうなると私はどうなるんだろう・・・


家主の誰も居ない家へ戻る

「おかえりなさいませ」

「北川は?」

「執事室にいらっしゃいますが」

「ありがとう」

「今日はお泊りになられますか?」

「そうだね、そうする」

「かしこまりました」


執事室へ向かおうとしたら北川が向こうから歩いてきた
きっと誰かが言いにいったんだろう

「優子様如何なされました?」

「ちょうどよかった話があるからついてきて」

リビングへ向かう

「どうかされましたか?
お顔の色が優れませんが」

「お父様たちが帰ってくる」

「旦那様達・・・と言うことは奥様と優一様も」

「向こうの家を引き払って戻ってくるらしい
多分社長に戻ると思うから私は・・・・・」

「優子様・・・」

「留学でもしようかな、この歳で行って友達できるかなアハッ(-∀-`)」

「今の社長は優子様です旦那様は日本へ戻ったからと言って
復帰などされませんよ、アメリカの会社の社長であるのですし」

「でも、お兄様が・・・長男が後を継ぐのは当たり前でしょ」

「しかし優一様はなんの教育も受けてこられていません」

「アメリカでさ、少しずつ経営学の勉強してるって言ってたんだ
だから・・・・私なんていらな・・・・ぃ
あ、先にお兄様とお母様が帰って来るから
色々な用意と空港へのお迎え頼むね」

「・・・承知いたしました」

「叔父さんにも連絡しといてくれる
それと・・・私、出張入ったから2・3日会社に行けないとも言っておいて」

「小嶋様もご一緒ですか?」

「なんで陽菜のこと知ってるの・・・・」

「私は執事長ですのでこの家の事もこの家の方のことも
すべて把握しております」

「丁度いいや陽菜を叔父さんの秘書にして貰えるように言っといて」

「優子様!」

「・・・・今日泊まるって言ったけど
やっぱりやめとく」

「マンションへお戻りになるのですか」

「そんな事北川に言う必要はない!」


「かしこまりました
行ってらっしゃいませ」

そのまま玄関を出て車を走らせる




「いらっしゃいませ」

「流星いる?」

「どうぞこちらへ」


「わぁお〜優子久しぶりじゃん」

「今すぐ出れる?」

「そんなに俺のこと忘れられないのかよ
それと俺高いよ(笑)」

「知ってる、出れるの出れないの(怒)」

「そんながっつくなよ、マネージャーに聞いてくるから
とりあえず飲んで待ってろ」

ヘルプの子が来てお酒を注ぎ何か喋ってるけど何も聞こえない

私って何なんだろう・・・何のために頑張ってきたんだろう

「・・・・とどう?」

「え?」

「俺、流星さんより大きいぜ」

ニヤニヤして馬鹿みたい・・・
まあ、この虚しさを埋めてくれるなら誰でも良いか

「・・・・いいよ、名前は」

「カイト!お前何してんだよ(怒)」

「カイトっていうんだ、すぐ出れるなら君でもいいよ」

「ちょっと待てよ優子は俺の客だろ」

「私は誰のものでもない・・・・どっちが出れるの?」

「俺が!」

「俺だ!」

「両方出れるなら二人でも良いけど」

「着替えてくるから外で待ってろよ」

「5分以内に来なきゃ歩いてるやつ捕まえるから」

「やべぇ、カイト行くぞ」

慌てて奥へ行く二人

机にお札を置き外へ出た