「ただいまー」

「遅かったわね」

「もう聞いてよー」

・・・・・・・

「そう、大変だったのね」

「いくら仕事ができても人としてどうなのって思う」

「でも、それだけモテるんだったら素敵な方なんでしょうね」

「見た目はモデルみたいにスタイルいいし
顔も綺麗で仕事もできるんだけどねー・・・
私だったらお姉さんの専務のほうが良いかなー
明るくて下の者にも気軽に声をかけてくださるし
冗談なんかも言って和ませてくださるから
姉妹なのになんであんなにも違うんだろう
自分のことわからないのかな」

「あなただってわかってないでしょ」

「え?」

「この伊達メガネを取って、ひっつめた髪の毛ほどいて
普通にしてたらほら、こんなに可愛いのに」

「可愛いじゃダメなの!私童顔で小さいから
普通にしてたらどう見ても学生にしか見えないんだもん」

「仕事はできるんだから良いんじゃないの?」

「だめ!秘書が子供っぽかったらダメなの!
外見が大事なんだから」

今日なんて見た目だけでクビになりそうだったんだから(怒)


「あ、これから帰り遅くなる・・・ていうか
朝方帰るときもあるから今日みたいに待って無くていいよ」

「そうなの?女の子なのに危ないじゃないの」

「常務の出勤が遅いから必然的に帰るのも遅くなるんだ
タクシーで帰っていいって言われてるから大丈夫だよ」

「どうして遅いの?」

「なんか日光アレルギーだとか言ってるけど
あれはどう考えても遊んでて朝起きれないんだと思う」

「まあ、あまり頑張りすぎないでよ
優子に何かあったらお母さんは・・・・」

「大丈夫!私こう見えて体力には自身あるんだから(-∀-`)」

「その割によく風引いてるけどね(笑)」

「それを言わないでよ(汗)」


8年前事故で急に亡くなってしまったお父さん
それから女で一つで育ててくれたお母さんを
早く楽にしてあげたいから頑張るしかない・・・あんな常務であってもね



「おはようございます常務」

おはようでいいんだよね?

「すぐミーティングを・・・・・・これ全部終わったの?」

「はい」

少しムッとした顔をする常務

・・・・よし!勝った(-∀-`)


(この資料まとめといて)

(過去五年の資料から探してきて)

かしこまりました

(この人達に品物を送っておいて)

かしこまりました

言われることすべてをこなしていく


「他に御用がなければ帰宅してもよろしいでしょうか」

「んっ・・・・」

「お先に失礼します」


担当秘書になってから一週間

何事もなく完璧に仕事をこなしていた