後ろのドアが開けられ車に乗り込む


そう言えば野呂さんも知ってるってことだよね?
何度も女性を送り届けてるはずだから・・・・


ついた場所は・・・・・教会?

常務(汗)・・・・

平気な顔してる、そう言えば十字架も大丈夫だったっけ

「秋元社長ご無沙汰しております」

「いらっしゃい!さあ入って」

「素敵なお店ですね」

「壊す予定の教会を買い取って先日オープンしたばかりなんだ
実は妻がクリスチャンでして
少しでも憩える場所になればと・・・」

「良いワインを揃えておいでですね」

「よかったらワインセラーを案内しますよ」

「ぜひ!」

ワインの味なんてわかるのかな?

それから約2時間仕事の話もなんとかまとまり

「では近日中に会社の方へお伺いさせていただきます」

「待ってるよ小嶋くん」


バタン・・・・・

「ふぅー・・・・・」

少し疲れが出たのかな寒いのに汗かいてる
それともかなり飲んでたから酔った?・・・吸血鬼でも酔うんだ

でもなんか苦しそうにも見える?

「常務大丈夫ですか(汗)」

ハンカチで拭いてあげようとしたら

「触らないで!」

「なっ・・・・」

「ハアハア・・・」

「具合悪いんですか?」

「いいから離れてて(怒)」

「でも・・・」

「今の私はより好みしないから」

「もしかして・・・・血が必要なんですね」

でも昨日食事したばかりだけど・・・・

「陽菜様まさか秋元社長はクリスチャンだったんじゃ」

「野呂は黙ってて(怒)」

「もしかして・・・信仰に弱いんですか?」

「フッ、弱点がわかって嬉しい(笑)?」

「バカにしないで下さい!私は常務の秘書ですよ
いくら常務がわがままで横暴で女性に見境がなくて
捻くれ者の吸血鬼でも常務のことを助けたいんです
私を信用して下さい!」

「凄い言われよう・・・・」

「どういう状態なんですか、詳しく言ってください」

「生命力を吸い取られたみたいにすべての機能が低下するんです」

「野呂!」

「だから血が必要なんですね
どなたかすぐに呼び出せる方を・・・・」

「はぁ・・はあ・・・はぁ・・・」

どうしようドンドン弱っていってるみたいに見える・・・(汗)
このままじゃ常務が(汗)
今は緊急・・・

「仕方ありません、私の血を飲んで下さい!」

「はぁ?何言ってるか分かってるの」

「わかってます!極上の血じゃないですけど
今すぐ必要なんですから少しぐらい我慢してください」

「見上げた忠誠心だね」

「当たり前です」

「今の陽菜には体を高めてあげる余裕はないから
少し痛いかも」

そう言うと常務の顔が近づいてきたから
目を閉じると首に痛みが走った

「っ・・・・・」

なにこれ・・・
痛いけどドンドン体がしびれてきて頭の中が真っ白になっていく・・・

「んっ・・・あぁぁっ・・・」

「はぁ・・ふぅ・・・ふぅ・・・」

私の声にいきなり離れる常務、でもまだ辛そうで・・・

「っ・・・まだ・・・足りないんじゃ・・・ないんですか(汗)」

「これ以上はあなたが持たないからもういい

野呂、この後四人ほど呼び出しておいて」

「かしこまりました」

次の女性・・・やっぱり私は繋にしかならないんだ・・・

薄れ行く意識の中、心が少し泣いてる気がした