セクレタリ 5

「待って下さい」

「なに?これ以上邪魔しないでくれる(怒)」

「それって私をそばにおいておいて
言わないか見張るってことですか」

「そんな事しない
やめたいならやめればいい
次の人を見つけるだけだから
でもあなたのお母さんたしか・・・
うちの子会社で働いてるんだよね」

「なんでそれを・・・・」

「部下の事は把握してる
やめさせるのはかんたんだけど
それに尾ひれ背びれ付けても良いんだけど」

「それって(汗)」

「私も鬼じゃない
あなたが働いてる限りお母さんは安泰
それとあなたには特別手当を付けてあげる」

「どうして私なんですか(汗)」

「この10日間あなたの仕事は完璧だった
手放すには惜しい秘書だってこと
ただそれだけ」

「わかりました・・・
秘書として出来る限りお手伝いさせていただきます」

「安心して、私があなたの血を吸うことはない
私、極上な女性の血しか吸わないから」

「くっ・・・」

これってブスだって言われてるようなもんじゃん(怒)


お母さん私、吸血鬼の秘書になったみたいです



それから吸血鬼に関しての書物を読み漁った


「陽菜、今度はいつ会ってくれるの?」

「今月は忙しいからまた来月連絡する」

今日は週二回の食事の日
頭を下げ女性を見送る

「こんなもの読んで私の弱点を探すつもり?(笑)」

「違います!最善をつくすためです
常務に必要な物、避けなければいけない物を
調べておかないといけないと思いまして」

「ふーん・・・・こんな作り話じゃなんの役にも立たないけどね」

「そうなんですか?コウモリに変身できないんですか?」

「・・・・バカ?」

バタン

ムッ、だって何も教えてくれないからじゃん
自分で探れってことだよね?よーし・・・・


まず、直射日光を避ければ昼間でも動ける・・・と
食べなくてもいいけど人間の食べ物も食べる・・・と
ニンニクは・・・へいき・・・・と

本当の食事は週に1〜2回 特に美人の女性

女性には貧血の症状が出るため
倒れないように2週間以上空けなければならない・・・と

だから沢山の女性を相手してるのか



「大島、あれは届いてる?」

「はい、常務」

「あれってなーに?」

「もうすぐ誕生日でしょ、その日は会えないから」

「覚えててくれたんだ、嬉しい♪」

私が調べて用意したんだけどね

「素敵なクロスペンダント♪」

「付けてあげる」

十字架も大丈夫なのか・・・・

鏡を見せ

「いかがですか?」

鏡にもちゃんと映ってる・・・・と

「プッ!・・・ふふふふ」

「え?何?私へん(汗)」

「ううん似合ってるよ、下まで送る
ここにいるといつか心臓に杭を打たれそうだから(笑)」

「なにそれ〜変な陽菜」

そんなことするわけ無いじゃん
誰だって死んじゃうもん

セクレタリ 4

その夜常務が帰ったのを見届け奥の部屋に忍び込み
あちこち捜し回ってるんだけど何も見つからない

もしかして持ち歩いてるとか?
外でもしてそうだからきっと持ち歩いてるんだ

どうしよう・・・専務に相談した方がいいのかなー


その時

「ふふふ、なんで会社なの?」

「オフィスのほうが燃えるでしょ」


え、なんで?今日はもう戻らないって言ってたのに(汗)

でも、薬を使うところが見れるかも・・・




「んっ・・あっ・・・あぁぁっ・・・」

てゆーかこれを終わりまで聞いてなきゃいけないのぉー(汗)

「はぁはぁ・・・いやっぁ・・・」

「ここが好きなんでしょ」

「あぁー・・お願い、いつもの・・いつものしてぇ」

くす・・り?

そっと覗くと

え?何してるの?首に噛み付いて・・・
口に血が・・・・き、牙!?

きゅ、吸血鬼ぃー!!!

うそ・・・・ありえないよねなんの遊び?

カタン!    やばい見つかる(汗)

異常者かもしれない!逃げなきゃ(汗)

身を低くしてドアまで行きノブに手をかけたら

バン!!

後ろから手が伸びてきてドアを押さえられた

「覗き見?いい趣味してんじゃん」

「覗き見だなんて・・・(汗)」

「見てたんでしょずっと、私が何をしてたのかも」

「み、み、見てません(汗)」

「いつも冷静なあなたが取り乱すなんて珍しい(笑)」

「・・・だったらどうしますか、口封じに私も殺します(汗)」

「殺す?私は誰も殺した覚えはないんだけど」

そうだった、みんなちゃんと帰って行ってたんだった
それにあの人噛まれてたはずなのに首に傷がない・・・どういう事?

「私が生きていくのに必要な分しか飲まない
人間が欲しいままに何でも食べるのとは訳が違う」

飲む?本当に吸血鬼なの?

「私のこと怖い?血を吸うから?
この女の顔を見てこの表情が苦しそうに見える?
恍惚の時が一番いい血の香りがするの
愛撫して快楽に酔わせれば酔わせるほど
上質なお酒のように美味しくなる

そして私が牙を立てた時
彼女は最上級のエクスタシーを感じる事ができる

誰も血を吸われてるだなんて微塵にも思ってない

傷も残らないしね

まあ、持ちつ持たれつっていう感じ」

「・・・・・・・・」

「丁度いいや、吸血鬼だとわかったらフォローしやすいでしょ」

「・・・・・・・」

「多少の日光は大丈夫なんだけど
真昼の日差しはダメなんだよねー
人間の食事も普通に食べれるけど
仕事での会食意外は食べない、お酒も同じ

ちゃんとした食事・・・これね
週に1〜2回で大丈夫
わかった?スケジュール調節よろしく」

それだけ言うと手でシッシッとあしらわれ
また女性の所へ戻って行った

セクレタリ 3

「出かける」

「今夜7時からの会食はどうなさいますか」

「直接向かう・・・・・仕事が終われば帰っていいから」

「かしこまりました」


常務はとても忙しいから
毎日のスケジュールの調整が大変

その中に女性とのなんていうか・・・
そういうこともいれてるからある意味すごいと思う

(常務って美人なのに仕事もできて凄いよね)
(女性だけど誘われたら私行っちゃうかも♪)

見送りに降りていくとポツポツ聞こえてくる声

そんなに良いかな・・・
自己中だしわがままだし・・・コホン
まあ、美人さんには違いないけどね

外に出る前には必ずかけるサングラス
そしてドアマンが日傘をさして車まで誘導するのが日常

本当に日光がダメなんだってわかる

「あっそうだ」

いきなり振り返り話しかけられた

「あなたに頼んだ彼女たちのプレゼント
凄く評判が良いんだけど
適当に選んでる割には命中してるみたい
どうやって選んでるの」

「常務が過去に贈られた記録を元に選ばせていただいてます」

「そう・・・・」

「何か問題でも?」

「これからもよろしく」

「・・・かしこまりました・・・」

バタンとドアが締まると窓が下りて常務が顔を出し

「せめてコンタクトにすれば?」

「申し訳ございません、コンタクトは体質に合いませんので」

嘘だけど・・・だって伊達だもん

「・・・・・」

「行ってらっしゃいませ」




次の日会議が終わり常務室へ戻ると

「はるなぁーどこ行ってたの
他の女と会ってたんじゃないでしょうね(怒)」

「申し訳ありません(汗)会議中だと申し上げたのですが」

受付の女の子がいて慌ててついてきたみたい

ギャーギャー騒ぐ女性をどうしたものかと思案していると
常務がいきなり女性を抱きしめ

「んっ・・・んん・・・」

いまキスする?

「落ち着いた?・・・・・大島、この後の約束キャンセルしておいて」

「ですが(汗)」

「あなたが処理してくれていいから」

「かしこまりました・・・」


はぁーもう(怒)

一時間後

プッルップルッ  内線電話がなる

「はい、大島です」

「運転手の野呂を呼んで」

「かしこまりました」

カチャリ   ドアが開きフラフラの女性を常務が支えていた

「大丈夫?」

「大丈夫!陽菜とするといつもこうなっちゃう」

シタばっかりなのに少し顔色悪くない?
そう言えば他の人のときも帰る時は顔色が悪かったような気がする

普通だったら高揚して赤くなるんじゃないの?

・・・まさか変な薬使ってるんじゃ・・・(汗)

これは秘書として調べて止めないと会社自体がやばくなるかも(汗)

セクレタリ 2

「ただいまー」

「遅かったわね」

「もう聞いてよー」

・・・・・・・

「そう、大変だったのね」

「いくら仕事ができても人としてどうなのって思う」

「でも、それだけモテるんだったら素敵な方なんでしょうね」

「見た目はモデルみたいにスタイルいいし
顔も綺麗で仕事もできるんだけどねー・・・
私だったらお姉さんの専務のほうが良いかなー
明るくて下の者にも気軽に声をかけてくださるし
冗談なんかも言って和ませてくださるから
姉妹なのになんであんなにも違うんだろう
自分のことわからないのかな」

「あなただってわかってないでしょ」

「え?」

「この伊達メガネを取って、ひっつめた髪の毛ほどいて
普通にしてたらほら、こんなに可愛いのに」

「可愛いじゃダメなの!私童顔で小さいから
普通にしてたらどう見ても学生にしか見えないんだもん」

「仕事はできるんだから良いんじゃないの?」

「だめ!秘書が子供っぽかったらダメなの!
外見が大事なんだから」

今日なんて見た目だけでクビになりそうだったんだから(怒)


「あ、これから帰り遅くなる・・・ていうか
朝方帰るときもあるから今日みたいに待って無くていいよ」

「そうなの?女の子なのに危ないじゃないの」

「常務の出勤が遅いから必然的に帰るのも遅くなるんだ
タクシーで帰っていいって言われてるから大丈夫だよ」

「どうして遅いの?」

「なんか日光アレルギーだとか言ってるけど
あれはどう考えても遊んでて朝起きれないんだと思う」

「まあ、あまり頑張りすぎないでよ
優子に何かあったらお母さんは・・・・」

「大丈夫!私こう見えて体力には自身あるんだから(-∀-`)」

「その割によく風引いてるけどね(笑)」

「それを言わないでよ(汗)」


8年前事故で急に亡くなってしまったお父さん
それから女で一つで育ててくれたお母さんを
早く楽にしてあげたいから頑張るしかない・・・あんな常務であってもね



「おはようございます常務」

おはようでいいんだよね?

「すぐミーティングを・・・・・・これ全部終わったの?」

「はい」

少しムッとした顔をする常務

・・・・よし!勝った(-∀-`)


(この資料まとめといて)

(過去五年の資料から探してきて)

かしこまりました

(この人達に品物を送っておいて)

かしこまりました

言われることすべてをこなしていく


「他に御用がなければ帰宅してもよろしいでしょうか」

「んっ・・・・」

「お先に失礼します」


担当秘書になってから一週間

何事もなく完璧に仕事をこなしていた

セクレタリ 1

「常務は気難しい方ですが大島さんなら常務の期待に応えうる
仕事をしてくれると思っています」

「ありがとうございます、精一杯頑張ります」

常務室へ入ると机には誰もいなくて
奥の扉が少し開いていて声が漏れてきた

「んっ、やだ、まだ足りないの(汗)」

「・・・・・・」

「失礼いたします、新しい秘書の大島を連れてまいりました」

「ほらぁーだからドアをちゃんと閉めてって言ったのに(怒)
今日はもう帰る」

「悪い、また連絡する」

はだけた衣服を直しながら部屋を出て行く綺麗な女性
・・でもなんか・・気のせい?


「申し訳ございません(汗)」

「いいから・・・・・で?」

「秘書課の大島です
本日より常務を担当させていただくことになりました
よろしくお願いします」

「あぁー大島優子・・・入社2年目なのにずいぶん優秀らしいね」

「恐れ入ります」


小嶋陽菜 28歳 独身
ここ、大手美容メーカー”コジマ”の常務取締役で
社長の次女

部下への態度は厳しくミスは決して許さない

しかし、しかーし!

自分は午後・・・と言ってもほとんど夕方から出勤してきて
深夜、又は朝方まで仕事をしているから秘書が長続きしない

恋愛対象は女性であり、公私混同が甚だしく
会社でも乱れまくっているという噂は信じてなかったけど
今この目で確認してしまった(汗)

「優秀ねぇ・・・・」

頭の先から足の先までじろじろ見てたかと思うと

「帰っていいよ」

「え?」

「私の秘書にはもっと見栄えのする女性を連れてきて
こんなチビで眼鏡をかけて今どきお団子ヘアーの
ザ!秘書さんはいらない」

「ですが常務、大島は非常に優秀でして残業もいとわないと言う・・・」

「そんなの関係ないし」

「恐れ入ります常務!
わたくしの容姿が恵まれていないのは承知しておりますが
使ってもいないうちから使えないと言われるのは
誠に遺憾です」

「・・・・・・じゃー」

そう言うと大量の書類を何処からか持ってきて
床へ放り投げ

「この書類の整理と、明日の会議の資料作成
来月の催しの案内状と通知状の作成
これ全部してもらえるかな」

「かしこまりました」

「それからさっき帰っていった三井銀行の専務のお嬢さんに
何か送っておいて
あと・・・記録に無い女性からの電話は繋がなくていいから」

「かしこまりました」

それだけ言うと内線が鳴った

「・・・通して」



「陽菜お仕事中ごめんね、時間が空いたから来ちゃった」

「いいよ、私も丁度空いたところだから」

そう言って女性を部屋へ入れると

「しばらく電話は取り次がないでね」

しっしっと手で追いやられた

パタン

「それじゃー・・・頑張ってね大島くん(汗)」

「はい、ありがとうございました」

常務室から出て行く人事部長


最低(怒)何なのあれ、仕事中だっちゅうの(怒)

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