目を開けると部屋は薄暗くなっていて
泣きながら寝てしまったんだと理解した

.
「はぁ・・・・今何時だろう・・・」

「6時過ぎ」

「へっ!?」



声の方を見ると誰かが勉強机の椅子に座ってた


「だ、だれ(汗)」

「昨日のお返し」

「えっ?」

「玄関開いてたから入ってきた」

「・・・・こじ・・・ま・・・さん?」


寝起きの頭は全然動いてくれなくて
今の状況を理解できないでいると


「これ返してこいって言われたから」


そう言って何かを私に向かって投げた


「これ・・・・・」


「陽菜が辞めさせたみたいに言われたんだからね(怒)」


たどっていけばそうなると思うけど


「せっかく来てあげたんだから早く採寸して」

「採寸?」

「陽菜の担当なんでしょ、ほら早く」

「でも私もう・・・・・・」

「はぁ・・・・陽菜うじうじした人って大っきらいなんだよね(怒)」

「うぅぅ・・・・・」


そんなこと言ったってこういう性格なんだから仕方ないじゃん


「才加があんた以外には作らせないって言うから来たの!
あんたが作らないなら陽菜の衣装無いんだけど」

「でも私、あんな場面を見ちゃって・・・・
小嶋さんの方が嫌なんじゃないですか」

「陽菜は別になんとも思ってないし
それにあいつしつこかったんだよね
あの後やる気なくしたって言って帰ったから
反対に助かったんだけど」


「・・・・・怒ってないんですか・・・」

「怒ってたらこんなとこまで来ないし」

「・・・・・・・・」

「この後デートあるんだから早く採寸して」

「は、はい(汗)」


もう、何がなんだかわかんないけど
とりあえず急いで採寸し終わると


「明日部室においでよ」


そう言って帰っていった

少しの間放心状態で我に返り
下へ降りていくと


「あら、先輩帰っちゃったわよ」

「うん」


なんだお母さんいたんだ・・・


「今どきの若者にしたら礼儀正しい人よね」

「・・・・・・誰が?」

「誰がって、一人しか来てないでしょ」


小嶋さんが礼儀正しい人?


「勝手に入ってきたって・・・・」

「そんなわけ無いでしょ
お母さんが買い物から帰ってきたらうちの前に立ってたから
話しかけたら優子のクラブの先輩だって言うし
あなたの靴もあったから部屋へ行ってもらったのよ」

全然話が違うじゃん・・・・
あの人って一体・・・・

「帰りだってちゃんと挨拶して帰っていったのよ」


信じられない


「それってお母さんの妄想じゃないの」

「あなた寝ぼけてるの?
顔もパンパンだし寝すぎよ
ほら、もうすぐご飯できるから準備して頂戴」

「わかった・・・・」


顔が腫れてるのは泣いてたからで・・・・

ちょっとまってじゃーこの顔小嶋さんに見られてたってこと?
泣いてたのバレたかな・・・
暗かったしそんな素振り見せなかったからバレてないよね


とりあえず佐江とたかみなに連絡して謝った