公演まであと一週間
通し稽古で終盤を迎えた時


「ねえ、ここはやっぱりキスしたほうがいいんじゃない(*`ω´)」

「あぁ・・・・その方が話の流れもいいか」


キスだって(;´-∀-)む、無理だよ
だから勇気を振り絞り


「え、いやこのままでも十分伝わると思います
ね、ねぇたかみな(汗)」


私の言葉にコクコク頷くたかみな


「あっちゃんとこじぱはどう思う」

「どっちでも良い(∵)」

「なんなら舞台の上でセッ「こ、こら何を言い出すんだ(汗)」

「才加可愛いよ(*`ω´)」

「うるさい、そうだな・・・町娘のほうが背が高いし
どちらかと言うとグイグイ行くほうだから・・・・
こじぱとあっちゃんの方から迫ってみようか」

「や、あの(汗)ムリです、私できません
陽菜ちゃんも私なんかにキスを・・・・・・・・・」

振り向いたら目の前に顔があって顎を持たれ・・・

・・・・・・・・・・・・


「こんな感じでいい?才加」

「あ、うん・・・・・・・大島・・・大丈夫か」


私今・・・・・私のファーストキス・・・・
それもみんなの目の前で・・・・・


「すいませんトイレ行ってきます」


涙を見せたくないから慌ててトイレへ走る


「グスン・・・・・ズズ・・・」


そりゃ付き合いだしたんだからいつかはキスするんだろうけど
なにもみんなの前でする事無いじゃん

ファーストキスはもっとこう、なんていうか
ロマンチックな場所で優しく抱きしめられて・・・

小嶋さんとだと無理か・・・・・
それでも


「ねえ、いい加減に出てこないと練習はじめられないんだけど(бвб) 」


なるべく平静を装い


「すぐ行きますから
先に戻っててください・・・」

「そんなに嫌だったの」

「・・・・・・」

「陽菜だから?」

「・・・・・」

「陽菜は汚いから?」

「違います!」



このままだったら誤解されちゃう

トイレのドアを開け涙をぬぐいながら


「小嶋さんは綺麗です」

「見た目だけでしょ」

「違います!心も綺麗で・・・・
きっと純粋すぎるから上辺だけの付き合いが出来なくて・・・
だから寂しさを紛らわせるために男の人と・・・
でも、小嶋さんは小嶋さんだから何も変わりません!」

一気に言い切ると
少しだけ小嶋さんの口元が緩んだ気がして


「バーカ、小嶋さん呼びになってるし(бвб) 」

「あ・・・・・すみません・・・・」

「はいコレ、顔洗ってから戻っておいでよ」


そう言って差し出されたタオル

ほら、やっぱり優しいじゃん

ファーストキスは小嶋さんで良かったのかもしれない
ただ、劇の為にするのは嫌だったなぁー・・・・


先輩たちに迷惑かけちゃったんだから
今から頑張らなきゃだよね

顔を洗い
気合を入れなおして練習場所へ戻った