優子の誕生日まであと3日



何故か朝早く目が覚めたらテーブルに手紙が置いてあった


「小嶋陽菜様?なにこれ」


筆跡は・・・・・優子

恐る恐る封を開け中を見ると



今日からお暇をいただきます
お嬢様のお世話は佐江に引き継いだので
困らせないであげてくださいね

お幸せに


優子    



「なにこれ・・・・佐江・・・佐江!」

「おはようございますお嬢様」

「優子は」

「大島はもういません」

「いつ出ていったの」

「おそらく今朝早くに・・・・・」

「陽菜何も聞いてないんだけど」

「誰も何も聞いておりません」

「嘘つかないで、佐江は知ってたんでしょ
顔にそう書いてある」

「優子のことは1日も早く忘れて下さい!」

「何言ってるの(怒)」

「そう言えと言われただけです
後はなにも言ってくれませんでした」

「・・・・お祖父様、お祖父様はどこ」

「存じ上げません」


スマホを取り電話をかけてみても電源が入っていないのか
繋がらない・・・と言うことはお祖父様も一緒だということ


「もしもし麻里子」

(こんな朝早くにどうしたの)

「ある事件の容疑者が海外へ逃亡する恐れがあるんだけど」

「お嬢様(汗)」

(ある事件て何)

「それは・・・・あいつの詐欺事件」


調べさせる為の口からのでまかせだった


(名前は何ていうの)

「大島優子」

(わかった空港やバス、新幹線に照会をかけてみる)

「お願い」



出る用意をしていると電話がかかってきて

(上海行き9:50の便に大島優子という名前があるらしいんだけど
ファーストクラスだしそれに・・・・)

「お祖父様の名前もあるのね」

(本当に容疑者なの)

「違ったみたい、ありがとう・・・(え、ニャ・・・・)」


電話を切り


「佐江!車を出して」

「かしこまりました」


まだ7時40分
早く起きてよかった
今ならまだ間に合う


「飛ばしますねお嬢様♪」

「お願い」


よく捕まらずに空港までたどり着けたと思う

警察は何やってるんだか


車から降りてターミナルへ


・・・・えーん・・・国際線はどっち〜(泣)

海外へはよく行っていたんだけど
いつも優子のあとを歩いていただけだから・・・・


「何してるんだよぅ」

「あなた誰」

「こっちへ早く」

「あなたも誰?」

「ええからはよこいや」

「あなた達なんなの(汗)」

「早くしないと優子に二度と会えないよ」

「優子の事知ってるの?」

「お嬢様よりもよーくね(∵)」

「はぁ?どういう意味(怒)」

「今は言い合ってる暇はないよ
早くしないと飛行機に乗っちゃう(汗)」


そうだった、ファーストクラスは先に乗るんだった

三人の後ろからついていってるんだけど
この男の子の後ろ姿優子に似てない?

一番背も低いし、多分優子と同じくらいかも・・・・

なんとなくわかってきた気がする


「ここからは私達行けないから」

「ありがとう(бвб)」

「警察手帳使うんか?」

「ううん、そんなもの使わない」

「え、どうやって入るんや?」

「これを見せるだけ」


警察手帳は最後の手段だから


「小嶋陽菜です、お祖父様がフライトするはずなんだけど
急ぎの用事があって・・・入ってもいいかな」

身分証を見せそう言うと

「中で確認してまいります」

「だめ!極秘だから」

「お一人だけですか?」

「極秘だからね」

「わかりましたどうぞお通り下さい」

「ありがとう(бвб)」


三人にウインクしてファーストクラスの待合室へ入ると
お祖父様達は立ち上がって滑走路の方のドアに歩いて行っていた