スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

大富豪刑事と詐欺師 7

優子


陽菜お嬢様・・・
私の女神

小さい頃は何も知らなくて
純粋だったから好きと言う気持ちを
素直にぶつけていつも一緒に居た

でも私は使用人の娘で陽菜は旦那様の孫
そして次期当主


ある日、旦那様に呼び出され
陽菜の為に命を懸けてくれないかと言われ
考えるまでもなく、はいと即答した

だったら小嶋財閥を陥れようとするやつらに
制裁を加えてくれと言われ今の仕事をするようになった

もちろんいろんなことを叩きこまれ
お金は自由に使ってもいいと言われ
精密なボイスチェンジャーやカツラなどを作り出し
それを使って制裁という名の詐欺を繰り返している

もちろん女の私が男になれるわけがなく


「たかみな、今度は男性の仕事だからよろしくね」

「おう、いいぜその代わり報酬はたんまりと貰うからな」


幼馴染のたかみなは男なのに私と同じくらいの身長で
背格好が似ていて子供の頃からよく間違えられていた


「失敗すんなよな」


その恋人のあっちゃんはコンピューターにたけていて
ハッカーまではいかないもののいろいろ詳しく調べてくれる

特殊メイク担当はみーちゃん
ハリウッドを目指してたけど挫折して
日本に帰って来たところをスカウトした


「ねえ、お金もう少し位残しておいてもいいんじゃない?」

「だーめ、みんなには十分渡してるでしょ
残りは恵まれない子供たちに還元してあげなきゃ」

「優子は一円も取ってないんでしょ」

「私は賃金貰ってるから」

「優子って変わってるよね」

「そうかな」


私はお金のためにやってるわけじゃない
陽菜・・・陽菜お嬢様のためにやってるだけだから
報酬なんていらない






「つまんない(бвб) 」

「映画でも見られますか?」


そう言う事じゃないってわかってる
だって表情だけで何を考えてるか分かってしまうから

でももう、昔の私達・・・ううん私じゃない
汚れてしまった手でお嬢様に触れる事なんて出来ないんだから



「でもさ、まさか刑事になるなんて思っても見なかったよな」

「そうそう、働かなくてもお金なんて湧き出てくるのに
なんで刑事になんてなったんだろう」

「昔から正義感の強い人だったから」

「それだけで?」

「ウソをついてもすぐ見破られた」

「今大丈夫なの?(汗)」

「感情を押し殺して無表情を貫いてるし
会話も最小限にしてるから」

「優子はそれでいいの?」

「そばにいれるなら・・・」

「もし捕まったら」

「そんなへまはしないよ(-∀-`)」

「証拠もないし大丈夫だとは思うけど
少し間を開けるかしないと警察も躍起になって
探し回ってるみたいだからさ」

「そうだね、後二つほどしたら一年ぐらい開けようか」

「じゃー一年分の報酬ちょうだいね(ΘωΘ) 」

「その間に腕を落とさないでよ(笑)」

「精進します(笑)」


たかみなのケースは上手くいき
1億だったけど盗む事が出来た


そして


「次の仕事を最後に一年ほど間を開けようと思います」

「そうか・・・そうだな、うん
そろそろ潮時か」

「旦那様?」

「次の仕事で最後にしよう」

「それで大丈夫なのですか」

「ああ、ただし次は一筋縄ではいかないぞ」

「と言いますと」

「中国へ飛んでもらいたい」

「中国ですか?」

「そこでお前はワン氏の愛人になるんだ」

「愛人・・・・ですか?」

「おそらくワンが死ぬまでここには戻ってこれまい」

「・・・・・ワン氏はおいくつなのですか」

「わしと同じ今年で77歳だ」

「77歳・・・喜寿ですね」

「ああ、そのお祝いとして行ってほしい」

「でも、それじゃお嬢様と・・・」

「お前は使用人だぞ
ここに居てもどうなることも無い!」

「少し考えさせて下さい」

「断るということはここを出ていくということだぞ
もし行ってくれるならワンが亡くなった時は
ここへ戻ってくるように取り計らっておいてやる」


どっちにしても一緒にいれないのなら・・・

「わかりました
いつ出発すればよろしいでしょうか」

「誕生日は来月だからその1日前に中国へ入る」

「かしこまりました・・・・」




「みんな今日まで協力してくれてありがとう」

「あらたまってどうしたの?」

「もう、詐欺はしなくて良くなったんだ」

「もう終わりってこと?」

「うん、足がつかないうちに解散する方が安全だからね」

「あと一つ仕事があるって言ってたじゃん」

「あれは・・・・・私一人でも出来る簡単な仕事だから
みんなはこれで好きなところへ行って」

「こんなに?ねえなんか隠してるやろ
ほんまのこと言ってや」

「ごめん何もきかないで」

「優子・・・・」

「この携帯もここの場所も明後日には潰すから」

「じゃー優子にどうやって連絡とればいいの」

「私の事は忘れてほしい」

「なんでや!おれらは幼馴染なんやで」

「たかみな・・・おばさんを大切にね
もし私のお母さんに会うことがあれば・・・・っう」

「優ちゃん!」

「ごめん、さようなら」


外に止めてあったバイクにまたがりその場を走り去った


どれくらい走り続けただろう


「ここどこだろう・・・・」


あたりは真っ暗で腕時計を見ると夜中の1時だった


「ガソリン入れて戻らなきゃ」


あとひと月も無いけどお嬢様のそばにいたい
許されるのなら昔のように隣で寄り添って過ごしたい

今更ムリだと思っていてもそう願わずにはいられなかった
前の記事へ 次の記事へ
カレンダー
<< 2018年08月 >>
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
アーカイブ
カテゴリー