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大富豪刑事と詐欺師 9

優子


奇しくもワン氏の誕生日は私の誕生日よりも早く
3日前にここを出ていかなければいけなかった


「陽菜のチーズケーキ食べたかったな」

「お嬢様今年も作ってくれるんだ」

「今年もって、去年は私いなかったんだよ」

「それでも、もしかしたら早く終わって帰ってくるかもしれないからって
作って待ってたんだぜ、でも次の日の夜になっても帰ってこないから
私達使用人が美味しくいただきました♪」

「なんだとー羨ましいぞこの野郎!」

「いなかった優子が悪いんだよー」

「仕事だったんだから仕方ないでしょ」

「今年はいるんでしょ?」

「佐江だから言うけど」

「うん」

「私の代わりに陽菜を守ってあげてね」

「どういうことだよ
それに答えになってないぞ」

「そういうことだから頼んだよ」

「そういう事ってどういう事なの、わかるように話して」

「もうこの話は終わり
絶対に他の人には・・・特に陽菜お嬢様の耳には入れないでよ」

「どこかへ行くのか?まさか・・・死なないよね」

「アハハそれはない」


死んでるも同然だけどね


「でも多分もう会えない」

「優子?」

「佐江がずっとここにいるならいつかは会えるかもだけど(笑)」

「いつ行くの」

「明後日」

「三日前じゃん、なんとかならないの(汗)」

「こればっかりは天地がひっくり返ってもムリかな(笑)」

「おばさんは知ってるの?」

「まだ知らないけどお母さんには手紙を置いていく
だから・・・気にかけてあげてほしい」

「それは良いけど・・・ねえ、絶対にムリなの?」

「うん・・・・・最後のご奉仕」

「ここから逃げちゃいなよ」

「出来ないよ、お母さんもいるしそれに・・・」

「それに?」

「陽菜に二度と会えなくなる」


小嶋財閥と関係のある大富豪だから
パーティーとかでもしかしたら見れるかもしれない
会えはしないけど見るだけなら出来るかもしれないから・・・・


「優子!」


そう言って抱きしめてくれる佐江


「佐江に出来ることはない?」

「私の誕生日の日に陽菜の作ったケーキを残さず食べてあげて
そして私の事は1日でも早く忘れれるように言い続けて」

「そんな事できないよ(泣)」

「これが最初で最後のお願いだから」

「つっ・・・・・優子ぉー」


佐江に言ったことで今まで胸に溜まってたものが溢れ出し
涙がとまらなかった


ありがとう佐江、そして陽菜のことをよろしくおねがいします
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