「失礼します」


やらかしちゃった人の後ろから入って行くと
ソファーに座る二人の姿

もちろん一人は大島さんでもう一人はおそらく社長さん


「なんだなんだ・・・今日は目の保養日か♪」

「それだけじゃありませんよ
社長の好きな・・・・・」


陽菜に持って来いって目と顔だけで合図してくるから
急いで目の前に持って行くと


「おおぉぉぉワシの好きな物を覚えてくれてたのか」

「忘れるわけないじゃないですか
出来立てなのですぐ食べて下さい」

「そうかそうか、お茶を入れ直させるから
優子君達も食べて行きなさい」

「流石社長!ありがとうございます(-∀-`) 」


そんな笑顔出来たんだ・・・・初めて見たかも


「社長もう少しこちらに寄って下さい
小嶋さんそこに座って」


「はい・・・・・」


社長を私たち二人が挟むように座ると
一段とニコニコ状態のへん・・・・おやじ

何これ夜のクラブか何かと間違ってるんじゃないの?

やらかしちゃった人はずっと立っていて
私は結構ですとお茶ももらっていない


「ん・・・・美味しい(бвб)」

「なんだ、買ってきたくせに初めて食べたのか?」

「今どきの若い子は美味しいものをわかってないから
仕方ないですよ」


同い年なんですけど(怒)


「ジャンクフードの方が上手いと言ってるやつも多いからな」

「その点渡辺社長は色んな知識が豊富ですし
食べ物に至っても妥協せず追い求められているので
いつも尊敬しております」

「大島君は口が上手いな♪」

「本当の事ですので」


超ご機嫌な社長さん

こんなに優しいんだったら
大島さんが来なくてもよかったんじゃ無いの?


「社長、そろそろお約束の時間ですが」

「おお、そうかもうそんな時間か」


秘書が入ってくるまでずっと自慢話を聞かされていて
やっと開放される


「これからも宜しくお願い致します。」

「こういう事が無くてもたまには遊びに来てくれよ」

「呼んでくださればプライベート以外なら
いつでもお付き合いさせていただきます(-∀-`) 」

「くうっ・・・相変わらずガードが堅いな(笑)」


ガハハはと豪快に笑い笑顔で見送ってくれた

帰りは車に乗せてもらい会社へ


「大島さんありがとう、助かったよ」

「お役に立てて良かったです」


運転してるのは大島さんで
陽菜は後部座席に一人で座る


「あの社長気難しいんだよなー」

「そうなんですか、全然優しそうな人でしたけど(бвб)」

「何言ってるんだ始めは大変だったんだぞ(汗)」

「そうなんですか?」

「行った時は受付で帰れと言われてどうしたらいいのか焦ってたら
大島さんが受付の人と何か話してて
スマホを開いて何か打ってると思ったら
エレベーターの方へ歩いていき乗ると9階押してるから
もっとおこらせたらどうするんだって言ったら
大丈夫です、と平気な顔で言うんだぜ
何か秘策でもあるのかなと思うだろ」

「そうですね」

「で、秘書の人に何かを言うとノックもせずドアを開け
凄い形相の社長に向かって何したと思う?」

「・・・・・・殴った?」

「そんな事したら追い返されるどころか大変なことになるぞ(汗)」

「アハハハ相変わらず飛び抜けた発想(-∀-`) 」


相変わらずって・・・・・


「まあ、一概に間違いではないが
出ていけと怒鳴る社長の前までつかつかと歩いていき
いきなり土下座して謝るから
俺も慌てて隣へ行き土下座したんだけど
そんな事で怒りが収まるはずないだろ」

「そうですね」


普通の対応?


「土下座しながら言った言葉が
気のすむまで殴って下さっても構いません
ですから今回の事はどうぞお許しください
て言うんだからビックリだよ
あの怒り方からしたら絶対に殴る蹴るをされるって思ったよね」

「で、されたんですか?」

「するわけないでしょ
渡辺社長は元々優しい方だけど仕事に関しては厳しい方なんだ
だから誠意を見せれば落ち着いてちゃんと話を聞いてくださるはずだからさ」

「どれくらいしてたのかな
社長も怒りの言葉をぶつけるだけぶつけたらスッキリしたのか
秘書にお茶を持って来させてさ
それからは小嶋が見た通りご機嫌になったんだ」

「そうだったんですね」

「次は無いと思ってくださいね
あの社長に二度目は通用しませんから」

「あ、ああ肝に銘じておく(汗)」


年上の・・・それも多分元上司


後二年後にはこの人をも追い越しちゃうってこと?

そんな人と昨日・・・・・


その考えを打ち消すように首をぶんぶん振っていると


「どうかした?」

「え・・・・いえ何でも無いです(汗)」

「今から戻ってもすぐお昼ですし
どこかで食べていきますか?」

「そうだな・・・・お詫びに奢るよ」

「わーい(бвб)」

「・・・・プッ(-∀-`)」

「え、なんで笑うんですか(怒)」

「小嶋さんは何もしてないでしょ」

「お使いしました!」

「もちろん一緒に奢る(笑)」

「美味しいランチビュッフェのお店知ってるので
そこでもいいですか(бвб)」

「ランチは小嶋さんに任せるよ(笑)」


なんで笑うのかな、意味わかんない(怒)