今日は大口の契約を初めて任されてから
寝る間も惜しみプレゼンを考え成功し
何とかこぎつけた最終打ち合わせの日
道が混んでいてタクシーを手前で下車し
先輩と歩いていたら聞こえて来た猫の鳴き声
「大島どうした?」
「今猫の鳴き声しませんでしたか?」
「そんなのどうでもいいから早く行くよ」
キョロキョロとあたりを見渡すとビルとビルの間に見えた小さな物体
「どうしたの?」
「シャァァl!!!」
私を威嚇する泣き声
よく見ると木箱の割れ目に足が入ってしまい
抜けずに血が出ていたんだけど・・・・それにしても汚い(汗)
昨日の朝方雨が降ってたし濡れた体に砂埃がついてドロドロだ
という事は一日以上飲まず食わずってこと?
「大島何してるの早く(怒)」
「いや、猫が(汗)」
「相手が待ってるんだから早くいかないと大変なことになるから」
「にゃぁぁ!にゃぁぁ〜」
「ちょっ、大島(汗)」
「シャァァァァ(怒)」
次の日辞表を持って上司の所へ行くと
ついて来いと言われた場所が・・・
社長室長室
この人に直接渡すの?まさか罰を与えられるとか?(汗)
「失礼します」
「あなたが大口の大事な契約の日に汚い猫を助け
病院へまで連れて行き汚れたスーツで大遅刻して契約を破棄された
動物大好きバカ社員の大島優子さんですか」
「は・・・い・・・」
「私は社長室長の峯岸です今日から私の下で働いてもらいます」
「え?」
「荷物を持ち私について来て下さい」
会社を出て車で走る事約10分
「ここがあなたの新しい職場です」
「あのう・・・ここってタワーマンションというやつじゃー・・」
私の言葉なんて無視して番号を押し
指紋認証をして中へ入って行く室長
「私ここで何をすればいいんですか」
「広く言うと動物の世話・・・ですかね」
ですかねって、動物の世話が仕事なの?
「わが社の社長は知っていますか?」
「お会いした事はありませんが
お名前が小嶋社長と言う事だけは知っています」
「殆どの社員が見たことがないし管理クラスの方も
数人しか知りません」
そう言えば顔写真が何処にも載ってないかも
「高校生の時ネットで事業をおこし
大学の時には今のビルを買い会社を設立
今では業界1、2位を争うまでになっているというのに
我が社はここ数カ月大問題が起こっているのです」
「大問題?」
働いてる時は気づかなかったけど
内部は大変だったって言う事?
「その問題とは・・・・これです!!」
そう言って部屋のドアを開け中を見せられた
「・・・・・・ど、ど、ドロボー・・・人が・・・
うわぁぁぁ殺人事件、け、警察(汗)」
叫ぶ私の前をスタスタ歩き死体に近づいて行くと
「にゃんにゃん起きて下さい!
・・・・・こら起きろー(怒)」
そう叫びながら死んでるであろう人の胸元を持ち
ブンブンゆすってる峯岸室長
起きろ?
「大島さん」
「はい(汗)」
「このだらしない部屋の住人はわが社の将来を担う大事な方
なのに・・・なのに朝夕問わずネットや携帯ゲームに没頭し
気に入ったものがあれば通販で即買い
届いた物を見ただけで満足して着もしない洋服や靴、
帽子などがそこら中に散乱
仕事はやる気ゼロのダメダメニート人間なんです」
「峯岸さんそんなに揺らすと本当に死んじゃいますよ(汗)」
「はぁはぁはぁ・・・・大島さん!」
「はい」
「あなたをこの人・・・にゃんにゃんのお世話係に任命します」
「・・・えぇぇぇぇ!!(汗)」
「彼女をまともな人間にして下さい」
「ムリ・・・ムリムリムリ無理です(汗)」
「これは社命です」
「そんな(汗)」
「動物のお世話好きなんでしょ?」
「いや、確かに人間も動物ですが人間なんて飼った事無いですし(汗)」
「人間も飼えば楽しいかもしれませんよ(ΘωΘ) 」
「いやいや、それに社運握ってる人のお世話なんて私出来ませんから」
「あの契約が成立していたら
わが社はいくら儲かっていたと思いますか?」
「それは・・・」
自分が関わってたんだからよく知ってる
「その契約をダメにしたんですよ・・・
損失を会社を辞めるだけで済まされるとでも?」
「・・・・・」
「この仕事を引き受けてくれるなら今回は見逃してあげます」
そんなぁーどうすればいいだよ(涙)