ねこのお世話は大変です 9

使っていいと言っていた部屋を掃除しようと掃除機を持ってドアを開けると


「何これ(;´-∀-)」

「・・・・・・・」

「この溢れかえった荷物どこへ置いたらいいの」

「・・・・・・・」


大きな声で語り掛けるも返事はなく

そうですよね無視ですよね(怒)


とりあえず寝れる場所と私の荷物を置く場所を作らなきゃ


部屋の隅から掃除機をかけ
掃除した場所に箱や洋服を積んでいく作業を繰り返し
なんとか真ん中にスペースを作ったんだけど



「ねえ、予備の布団ある?」

「あるわけないし」

「じゃーどうやって私は寝たらいいの」

「買い物代行に頼んで買ってきてもらえば」


自分で買いに行くにしても車もないし持って帰って来れない・・・
どうしようか悩んでいたら


カチャ・・・・


「あ、ここでいいですありがとうございました」


峯岸室長の声が聞こえて玄関へ行くと


「布団・・・・」

「ついでに買ってきてあげた(ΘωΘ) 」

「ありがとうございます・・・・」


手回しがいいというか何というか・・・


「で、あれが大島さんの家から持って来た下着と服ね」


そう言って段ボール二箱を指さした


「他に足りないものがあったら取りに行くし
無いものは買ってきてあげるからいつでも言って」

「はぁ・・・・」

「じゃー私は仕事があるから」


あっという間に帰って行った峯岸室長


今からじゃ干せないから今日は我慢してこのまま寝よう

布団と段ボールを自分の部屋に入れ
布団を敷いて段ボールから自分の服を出して
床にきれいに並べてみた

「さーてどうしようか」

ボックスが無いから段ボールを工作して簡易タンスにしようかな
その前にトイレトイレ

トイレから戻ってきたら


「あぁぁぁぁ!!」


並べていた洋服類はぐちゃぐちゃ
そして段ボールの中に

「このけむしやろう(怒)」

「シャァァァ(怒)」

「こっちが怒ってるんだぞ(怒)」

「ニャァァァァーふしゃぁー」

「こ、怖くないんだからな
私の方が大きいんだからな!」


今にもとびかかってきそうなけむしに
身構えていたら


「けむちゃん怪我してるんだから虐めないでよね(怒)」

「にゃぁ〜ぉ」

「いじめられてるのは私の方です!」

「こんな可愛いけむちゃんがいじめるわけないじゃんねぇ」

「にゃぁ〜」


くそー二重猫格め(怒)」


「部屋ぐちゃぐちゃ(笑)」


その猫がやったんだぞ!て叫びたかったけど
大人な私はぐっと我慢


「夕飯はビーフストロガノフにしてね(бвб) 」

「はい?」

「だからビーフストロガノフ」

「聞いたことあるけど食べた事無いから作れない」

「ふっ・・・・ださ(бвб) 」


ムカァァァ(怒)


「そんなんばっかり食べてゴロゴロしてるからブクブク太るんだよ(怒)」


実際はそんなに太ってないけどポチャポチャはしてる
女の子的にはいい肉付きなんだけど
結構気にしてそうだから嫌味で言ったら


「じゃーもうご飯食べない(怒)
毎日野菜ジュースだけでいいし」


そう言って入ってはいけないと言われた部屋へ入り
ドアをバタンと閉めた

ねこのお世話は大変です 8

まともな人間というのはどういう人間にすればいいんだろうか

まずはちゃんとした生活リズムが大切だよね
家事・・・・と言うか自分の事は自分で出来るように
させないといけない?
それが済んだらちゃんと仕事をするように
させなくちゃなんだけど・・・・

「ねえ」

「・・・・・」


ハイハイ無視ですか


「どんな仕事をしてたの?」


今はしてないだろうから過去形で聞いてみた


「言う義務ないし」


そうですよねー・・・あぁムカつく


「それに今も仕事してるし(怒)」


・・・・寝ころんでゲームしてるだけなのに?
どんな仕事をしてるの?
人間どれだけ寝ころんでられるかとかの実験?

なわけないか
そう言えば向うの部屋へは入らないように言われたのは
あそこが仕事場だからかな?

家にいながら出来る仕事・・・
株とか?

いやそれだったら会社は関係ないか・・・
だってうちの会社はファッション関係なんだから

まさかデザイナー?
いやいや家の中こんなに汚くして
綺麗なデザインなんて考えられないでしょ


「ねえ、なにブツブツ一人で言ってんの」

「もしかしてデザイナーさんとかじゃないよね」

「・・・・・そうだったらダメなの(怒)」

「うそ・・・デザイナーなの?」

「・・・・・違うし」


なんだ、今の間

似たような仕事なのかな


「だったらそんなに怒んないでよ」

「もうその話はおしまい
次したら会社クビにするから」

「ここをクビになってもにゃんにゃんの力で
会社をクビにする事なんて出来るわけありませんよーだ」

「あぁぁぁもうムカつく!けむちゃんおいで」


けむしを呼ぶと寝室へ入って行った

今から寝て夜中に起きるの?
そしてまたゲームするつもり?

そんな事させません(-∀-`)


すぐ後を追い寝室のカーテンを開け


「いまから布団干すからそこ邪魔」


掛け布団の端を持ってグイっと引けばけむしは下に落ち
にゃんにゃんは驚いた顔をしてる


「ちょっと何するの(怒)」

「まだ2時、それにお昼近くまで寝てたんだから
今から寝る必要はありませーん」

「・・・・・マジムカつく(怒)」

「シーツも洗うから早く降りて」

「けむ、行こう(怒)」


リビングのソファーにドカッと座るのが
開いたドアの向こうに見えた

掛け布団をベランダに干しシーツを外して部屋を出ると

またゲームをしてる・・・

他にする事無いなら仕事すればいいのに
・・・・・そうだ


「その部屋着もいつから着てるの」

「忘れた」

「じゃー洗うから脱いで」

「嫌だし」

「沢山持ってるでしょ」

「これが着心地いいの!」

「汚い」

「はぁ?」

「顔は綺麗でも他は全然ダメじゃん
家事も仕事も何も出来なくて何が楽しいわけ」

「何も知らないくせに偉そうな事言わないで」

「だったら何で仕事しないのか言ってみなよ」

「だってあいつが」

「あいつ?・・・」

「・・・・・言いたくない」


これは何かありそうだな

ねこのお世話は大変です 7

あれからずーとゲームをしている

猫はお腹が空くと餌を食べに行き
トイレ以外はずっと寄り添ってる


離れないでいてくれてありがたい
私に害が及ばないから


「ふわぁぁぁ〜」


一つウーンと伸びをしたかと思うと
コントローラーをポイと下へ投げ捨て
そのままソファーに寝転び今度は携帯を操作しだす


この人ずっとこういう生活をしてるんだろうか・・・

一体どんな仕事に関わってるの?


「何じっと見てんの」

「あのう」

「なに」

「なんと呼べばいいでしょうか」

「何でもいいけど」


なんでもいいと言われても名前知らないし・・・


「お名前は・・・」

「・・・・・言いたくない」


じゃーなんて呼べばいいですか(怒)

峯岸室長がにゃんにゃんと呼んでたことしかわからない


「にゃんにゃんでいいですか?」

「好きなように」

「それと」

「まだなんかあるの(怒)」


やばい機嫌が悪くなってきたぞ(;´-∀-)


「おいくつなんでしょうか」

「・・・・・・優ちゃんはいくつ」

「私は28歳です」


この会社に入って三年目だけど
その前は別の会社にいた
訳あってやめざるを得なくなり中途採用でひらってもらった
だから頑張ってたのにどうしてこんなことに・・・

てか、この人の、にゃんにゃんの猫のせいじゃん(怒)

不条理だ(怒)


「うそ、同い年なの?高校出たばっかりの新卒かと思った
やば、幼すぎ(笑)あ、小さいからそう見えるのか(бвб)」


なんかカチンと来た
いくら温厚な大島さんでもそこまでバカにされて・・・

特に身長の事をバカにされたら怒るんだからな(怒)



「何その顔、文句でもあるの」

「あったまに来た(怒)」

「え?」

「同い年ならもう下手になんて出てやらない
それに室長からまともな人間にして欲しいって
お願いされてることだし
これからはビシビシ行くことにする!」

「はぁ?」


「だいたい猫になんで様なんてつけなくちゃいけないんだよ」

「ニャァ?」

「お前なんてけむしって呼び捨てでいいんだ」

「シャァァァァ(怒)」

「もう怖くなんて無いぞ来るなら来い
返り討ちにしてやる(怒)」


かかってこないで(;´-∀-)
動物と戦いたくない


私の気迫に押されたのか大人しくなるけむし

よかった・・・・


飼い主のにゃんにゃんはというと


「アハハハ、やばい、面白すぎ」


お腹を抱えて笑ってる


「同い年だし敬語でしゃべんなくてもいいよ
それと玄関入ってすぐの部屋
物置代わりにしてるんだけど片付けて自由に使ってくれていいから」

「お、おう・・・」


まずは対等の位置につけたのかな?




ねこのお世話は大変です 6

私の手に負えないので
声が聞こえないようにベランダに出て
会社に電話をかけ峯岸室長に繋いでもらった


「大島さん今どこ?」

「ベランダに出て話してます」

「まだにゃんにゃんのマンションなんだね?」

「やっと掃除と洗濯が終わりました」

「そっか、良かったよかった(ΘωΘ)
いちいち報告してこなくてもいいよ」

「報告じゃありません!」

「駄目!拒否することは許しません」

「お世話係は何とかできそうなんですけど」

「なにか問題でも?」

「家に帰ったら駄目だって言うんです」

「ほうほう(ΘωΘ)」

「なんとかしてください」

「何が問題なの?」

「え・・・・だって自分の家があるし・・・
それに着替えとかなにもないんですよ
いきなり泊まれだなんて無理ですよ(;´-∀-)」

「そっか・・・そうだよね・・・」

「室長もそう思いますよね」

「わかった」


よかった、話がわかる人で


「大島さんの部屋から着替えとってくる」

「へぇ?」

「着替えの他にいるものある?」

「いや・・・・ほら鍵ないですし(;´-∀-)」

「確か会社の社宅になってるマンションだよね」

「そうですけど・・・」

「スペアキーあるから大丈夫」


嘘でしょ(;´-∀-)


「でも、これが仕事なら就業時間が無いとおかしいですし
私にもプライベートの時間を(;´-∀-)」


「24時間100年働いても返せない損失なんだけどなー(ΘωΘ)」

「うぐっ・・・・・(;´-∀-)」

「それとも臓器売っちゃう?」


脅すとか犯罪ですから(泣)


「わかりました」

「良かった(ΘωΘ)」

「一つだけ教えてください」

「何」

「いつまでお世話すればいいんですか」

「まともな人間になるまで(ΘωΘ)」

「もしこの人を怒らせていらないと言われたら?」

「内容にもよるけど大島さん気に入られてるみたいだから
少々怒らせても大丈夫だと思う」

「気に入られたのはあのときだけで今はだいぶ嫌われてると思います」


けむしには特に嫌われてるけど・・・


「そうでもないんだよねー
今までの人は私が帰ったら
立ち直れないくらいいじめて1時間もしないうちに放り出してたから
帰るな!なんて初めての出来事なんだよ
自信持っていいから頑張って」


立ち直れないくらいいじめられる?


「仕事終わったら必要そうなものを詰めて持っていくから
よろしくね(ΘωΘ)」

「え、峯岸室長〜・・・・・」


切られたよ・・・・

今までの人はって言ってたから何人もいたんだ・・・
さっき結構きついこと言われたよ?
あれよりもひどいの?


とりあえず強い精神力を持って立ち向かわなきゃ

頑張れ大島優子!

ねこのお世話は大変です 5

カーテンを全開にすると


「やば・・・・・・」


こんなに景色がいいのに遮光カーテンを締め切って
電気をつけてるって・・・・体おかしくなっちゃうよ


「眩しい!(怒)」

「一日一度は日に当たらないと干からびますよ」

「そうなの?」


嘘だけど・・・・・

てか、部屋の灯だとあまりわからなかったけど
この人すごく色が白くて美人じゃん
どうして閉じこもってるんだろ


「何ジロジロ見てるの(怒)
早く掃除してくれないとゲームできないじゃん」

「申し訳ありませんでした!
今すぐしますのでもうしばらくお待ち下さい!」

「全然申し訳ないと思ってない(怒)」


その言葉を無視して掃除機をかけだすと
何も言わずまた携帯をいじりだすにゃんにゃん

掃除の次は回しておいた洗濯をベランダに干す

・・・・・こんな派手な下着誰に見せるんだよ・・・

うっわ有名なブランドじゃん(;´-∀-)


普通に洗濯してよかったのかな(;´-∀-)


「ふぅ・・・・・掃除洗濯共全部終わりました」

「・・・・・・・」


無視ですか


「夕飯はどうしましょうか?」

「宅配」

「はい?」

「いつも宅配だから」

「いつもって・・・・・毎日ですか?」

「むぅ、悪い(怒)」

「あれだけいい食材が冷蔵庫にあるのに?」

「あれはみーちゃんが勝手に持ってくるんだもん」

「みーちゃん?」

「さっき一緒に来たでしょ」


峯岸室長のことか・・・・室長のことをみーちゃんと呼ぶのって
どういう関係なんだろう


「作っていってはくれないんですか?」

「ご飯くらい自分で作れって言って帰っちゃう
あれは自分が作れないからそう言ってごまかしてるんだと思う」


確かにそれも考えられるかも


「作って帰るので何が食べたいか言ってください」

「はぁ?何いってんの」

「え、作らないほうがいいんですか?」

「違う!その後の言葉だし(怒)」

「何が食べたいですか?」

「ちがーう!その前(怒)」

「作って帰るので・・・・帰る?
え、帰ったら駄目なんですか(;´-∀-)」

「当たり前だし、もし途中でおなかすいたらどうすんの?」

「多めにつくって帰りますけど(;´-∀-)」

「けむちゃんが絨毯でおしっこしたらどうすんの」

「いやそれは躾の問題だから飼い主の仕事じゃ・・・」

「はぁ?私が悪いって言うわけ?」

「いや、そう言ってるのでないんですけど(;´-∀-)」

「とりあえず私のお世話係なんだから
四六時中付いてないと駄目でしょ」

「・・・・・・えぇぇぇぇ!?(;´-∀-)」

「このソファー使わせてあげる
あ、私がゲームしてるときは下で寝てね」


誰か嘘だと言ってぇー(泣)

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