それからまたひと月の時が流れた


変わらない日常
目覚ましが鳴りユウコを起こし着替えさせ
暖かいご飯を食べ登校
出動の時は見送り
おにぎりを作って帰還を待つ

はじめの頃と変わったのは
どんなに大変な戦いであっても
その日のうちか遅くても明け方には
返って来るようになった事

そしてあの言葉以降
怪我をせずに戻って来るようになった事
勿論かすり傷程度はあるようだけど
自分で治せるから怪我には入らないんだって
力説してたっけ(笑)


今日の教室は空席が目立つ

アツコ、ミナミ、サエが一つの部隊で
出動している事もその要因の一つ


授業をしていると珍しく校長先生が飛び込んできた


「ユウコ、今すぐ北地区へ出動しなさい」


ざわつく教室


北地区って確かアツコ達が向かった場所


「サヤカも行きます!」

「だめ、あなた達では間に合わない
ユウコ早く」

「行ってくる(-∀-`) 」


ハルナに向かってそう言うと
あっという間に消えた


「今、消えたよね?」

「消えた!私見てたけどスッと消えた!」

「テレポーテーション出来る人いたんだ」

「空想の魔法かと思ってた」

「ヤバいよね!」

「静かにしなさい、授業に戻ります」


どこまで凄い人なんだろう・・・・


放課後自室へは戻らず治療室へ向かう
あの慌て方からしたら
アツコ達は怪我をして戻ってくるかもしれないから


「あら、どこか怪我でもした?」

「いえ・・・ここにいたらダメですか」

「いいけど、今から起こることは口外したらダメだよ」

「今から起こること?」


(そこへ送るからしっかり受け止めろよ)


「ユウコ?」


ここにいないのにユウコの声が聞こえる


「一人ずつにしてよ」


(そんな時間無い!)


「仕方ない」


そう言うと杖を出し空間にハンモックの様な
布を張り巡らしだす先生


「オッケー」


合図と同時に
空中にドンドン現れ落ちて来る生徒たち


「ちょっと多すぎ(汗)
ハルナ支えるくらい出来るでしょ手伝って」

「は、はい」


急いで杖を出し空中に向けて呪文を唱える


「少し軽くなったありがとう(*`ω´) 」


こんなハルナでも役に立ててるんだと思うと嬉しくなる


「この杖も持って支えてて
私は治療していくから」

「え?」


そう言うと自分の杖をハルナに渡し
三人ずつベッドに移し治療しだした


いいのかな・・・・


”杖は絶対に他人に触らせてはいけない”


ここへ入って来た時からずっと言われ続けてきた言葉


(これで最後ね)


そう言って送られてきたのは


「アツコ(汗)」


頭から血を流し意識が朦朧としている敦子だった


「先生アツコが(汗)」

「ありゃ酷いね、どうして最後にしたんだろ
ユッピーにしたら珍しい失態」


今日は12人の出動命令があったはず
でもここにいるのは10人・・・


「ハルナ、応急処置したこっちの子達にこの薬塗りつけて」


塗りつけるって・・・(汗)
でもそれならハルナにも出来る


「先生杖・・・」

「おぉ忘れてた、ちゃんと魔法使えたじゃん(*`ω´) 」


そう言って頭を撫でてくれた


先生がアツコの治療をしている間
ハルナは他の生徒に薬塗っていってるんだけど


「先生」

「ん?」

「この傷にもこの薬でいいんですか?」

「あぁ・・・それは右の棚の二段目にある・・」

「青いやつですね(бвб) 」

「そう・・・・青色の薬を塗ってあげて」

「わかりました」


なんでかわからないけどこれじゃなくて
青いのだって思った


薬を塗りながらチラチラアツコを見てるけど
凄く苦しそうに呻いている


大丈夫かな・・・