彼女はポニーテールが似合う
常に動いている彼女の髪が
上下左右、色んな方向に揺れるのを
見ているのが好きだった
「あれ？失恋でもしたの？」
「アハッわかっちゃった(;´-∀-)」
「それだけバッサリいったら
誰だってわかるよ」
「なーんてウソだよ
毎日括るの邪魔くさいから
切っちゃったんだ」
「その髪型のほうが大変じゃん（笑）」
「確かに・・・今日もハネを伸ばすのに
手間取ったわ（笑）」
陽菜とは違うグループで
わいわい騒いでる大島さん
「あんな事言ってるけど絶対に失恋だよあれ」
「どうして？」
「苦労して伸ばした髪を
邪魔くさいからってバッサリ行くと思う？
私なら無理だなー」
確かにそうかもしれない
陽菜だって無理だから
「せっかく買ったのに渡せないじゃん・・・」
「え？何か言った？」
「ううん、独り言」
３日前、明日が誕生日だと知った
席替えで席が隣になり
何の話からだったかは忘れたけど
１０月１７日が誕生日で
去年は日曜だったから誰もプレゼントくれなかったんだよ
酷いと思わない！て怒ってたから
このタイミングを逃す手はないと思って
何をあげようか悩み高価な物をあげると
変に思われちゃうから大島さんに似あう
青い水玉のシュシュを用意してあったのに・・・・
今のヘヤースタイルには必要ないじゃん
「はぁ・・・」
「にゃんにゃんどうかした？」
「え、どうもしないよどうして？」
「ため息なんかついちゃってるから
にゃんにゃんも失恋でもしたのかなーて」
「そうかもしれない」
だって大島さんに好きな人がいたなんて初耳だったもん
「え、誰に？どうして今まで隠してたの
水臭いじゃんかー」
「片思いだったんだしもういいじゃん（汗）」
いいタイミングでチャイムが鳴る
「ほら、席に戻って」
ギャーギャーうるさいみーちゃんを
シッシッと追い払うと入れ代わりに
大島さんが戻って来た
「髪・・・切ったんだね」
「あ、うん・・・変かな(;´-∀-)」
「ううん・・・ショートボブも似合うよ」
「アハッ有難う(-∀-`)
あ、そうだ・・・・・これ」
カバンから小さい紙袋を取り出し
陽菜に差し出す大島さん
「いつか付けようと買ってあったんだけど
必要なくなっちゃったから
良かったら貰ってくれると嬉しい」
袋を受け取り中を覗く
「もちろん使ってない新品だから安心して」
「シュ・・・シュ・・・」
「この髪には必要ないでしょ（笑）」
大島さんにあげようと思ってた色違いの
水玉のシュシュが入っていた
「ピンク好きなの？」
「いや・・・それは・・・
たまには違う色を付けてみようかなーてさ(;´-∀-)」
「ありがとう、使わせてもらうね(бвб) 」
「無駄にならなくて良かった(-∀-`) 」
「え？」
「あ・・・す、捨てるの勿体ないじゃん」
「そっか・・・陽菜ピンク好きだから嬉しい
お返しに何か欲しいものある？」
「いいよ、使わないものだし気にしないで」
「ううん、明日誕生日でしょ？
だからお返しを兼ねたプレゼント（笑）」
「いいの？嬉しい
じゃーねぇ・・・明日の帰りにマック食べたい」
「そんなのでいいの？」
「うん、一人は寂しいから一緒に食べてくれたら嬉しいな」
「もちろんいいよ、じゃー明日マックね(бвб) 」
「やったー(-∀-`) 」
そんなに好きなのかな・・・・
