優子

朝早く出ていく二人を見送り学校へ行く準備をする

今日は電車で行かないといけないから30分早く出ないといけない

戸締りはしたし電気も消した!

鍵を持ち外に出る

駅からは久しぶりの満員電車

最近はお姉ちゃんがいなくてもにゃんにゃんの車で
通っていたから電車は本当に久しぶり

ギューギューの中、小さい私は埋もれてしまって息苦しい(汗)

何かがお尻にあたっている・・・動かないしカバンかな?

次の駅で少し空間が出来やっと息ができると思ったら
スカートが捲れ上がったような感じがして体を少しずらすけど
上手く動けない(汗)

何かが太ももに触れ撫でるように上下してくる

痴漢(汗)

抱えたカバンをギューと握り締め次の駅まで!と思い
我慢していると

「おっさん、何やってんだよ(怒)」

触っていた人の手をつかみあげ

「この人痴漢してますよ」

誰かが助けてくれた・・・

駅につき外に出ると

「宮澤君・・・」

「おはよう、てか声出せよな」

「ごめんなさい・・・」

「いや、謝られても困るよ、篠田は被害者なんだからさ」

助けてくれたのは同じクラスの宮澤君だった
バスケ部のエースでカッコよくて
私と違って人気者で凄くモテる

痴漢の人を駅員さんに引き渡し、保安の人に話を聞かれてる
間も、一緒にいてくれた

「学校遅刻しちゃったね、ごめんね」

「さっき学校には電話しておいたから」

「そうなんだ、ありがとう」

全然気づかなかった(汗)寝坊じゃないし
事情を話せば怒られないよね

「一緒にいてくれてありがとう・・・
一人だったらちゃんと話せなかったかも・・・」

「いいって、それよりさ
篠田、最近可愛くなったよな」

「えっ!?」

「あっ!いや、前から可愛かったけどさ
なんか垢抜けしたって言うか
他のやつらも言ってるぜ」

「そっ、そんな事ないよ(汗)
メガネ変えただけだもん」

男の子に可愛いって言われたの初めてかもしれない
恥ずかしくて顔が熱くなるのがわかった

「えーと・・・いつもあの電車に乗ってるの?」

「いつもは朝練があるからもっと早いんだ
昨日試合だったから今日は練習が休みで
久しぶりの満員電車に乗ったら埋もれてる制服見つけて
様子がおかしいなって思って近づいたら後ろにやつが
触ってるのが見えて気が付いたら腕を取ってどなってた(笑)」

「ありがとう(-∀-`) 宮澤君がいなかったら泣き寝入りしてたと思う」

「いつもあの時間なのか?」

「ううん、私も久しぶりに乗ったの、そしたらあんな事に・・・」

「マジ可愛いんだからさ、自分でも気をつけろよ」

「うう・・・恥ずかしい(汗)」

「えっ?なにが?」

「可愛いって男の子に言われたことないから・・・」

「そうなのか?すげーかわいいぜ!」

「もう、やめてよ(汗)」

「可愛い可愛い(笑)」

「やだ!」

恥ずかしすぎてその場にしゃがみ込んだら
頭をポンポンと叩かれて

「ごめんごめんふざけすぎた、
でも本当に可愛いんだからもっと自信持ていいと思うぜ」

「ううぅぅ・・」

「ほら早く行かないと遅すぎるとサボってると思われるから」

そういって手を取り歩き出した

男の人とこんなに話したのも初めてで
まして、今・・・手をつないでる?

「宮澤君(汗)」

「それやめようぜ、これからは佐江って呼んでくれよ
篠田は下の名前なんていうんだ?」

「優子・・・」

「じゃー優子!今日から俺たち友達な(笑)」

全然やらしくなくて明るい宮澤君

私にできた初めての男友達(-∀-`)