麻里子
乾杯の前に陽菜が部屋から出て行くのが見えた
トイレかなって思ったけど乾杯が終わっても
なかなか帰ってこないから部屋を出て
店員さんに聞くとトイレの方に向かったらしい・・
ドアをゆっくり開けると声を押し殺して泣く声が聞こえた
「ニャロ・・・」
「・・・・・」
ゆっくり個室のドアが開く
「ゆっぴーが心配するから戻ろう」
「やだ・・・」
「笑顔で見送ろうて約束したでしょ」
「したけど出来ないもん 」
「まだ明日があるんだから、それに今日もまだ一緒でしょ」
「そうだけど・・・」
「じゃー先に帰ればみんなには何とか誤魔化しておくし
篠田はゆっぴーとワチャワチャしながらゆーくり帰るから(*`ω´) 」
「麻里ちゃんだけずるい(怒) 」
「そう思うんならしっかりしなさい!」
「むぅ・・・麻里ちゃん怒ってばっか・・・」
「陽菜が怒らせるんでしょ」
「・・・わかった少しだけ目を冷やしてから戻るから
先に行っといて」
「早く来ないと独り占めしちゃうよ(*`ω´) 」
「むぅ・・すぐ行くもん、陽菜が行くまで優ちゃんに
触ったらダメだからね 」
「篠田からは触んないけど向こうから来たら知らないよ〜」
「意地悪 」
「アハハ」
頭をポンポンと撫でてトイレから出ると
「麻里ちゃん・・・・」
ゆっぴーが眉をハの字に下げて立っていて
「にゃんにゃん・・・・」
「主役が出て来たらダメでしょ、大丈夫だから戻ろう」
「うん・・・」
中に入ると主役もいないのに凄い盛り上がっていて
「あっ!優子いたー早く写真撮ろう 」
みーちゃんに引っ張られて人ごみに中へ入って行った
それを部屋の隅の椅子に座り眺めていると
いつの間にかグラスを片手に横に来ていた陽菜
「こんなにはしゃぐ優ちゃんも見納めかな・・・」
「卒業したってゆっぴーは変わらないよ(*`ω´) 」
「でも・・・・」
「陽菜だって夏には卒業するんだし
大勢で騒ぐことも無くなるかもね」
「麻里ちゃんは今寂しい?」
「こうやって何かあれば呼んでくれるし、
ニャロとゆっぴーがいるから寂しくないよ(*`ω´) 」
「そっかー・・・少し安心したかも(бвб) 」
「やっぱりニャロでも不安なんだ(笑)」
「当たり前でしょ9年間ずっとこの生活だったのが
変わっちゃうんだから・・・」
「ゆっぴーと篠田がいるよ(*`ω´) 」
「優ちゃんだけでもいいけど・・・(бвб) 」
「相変わらず冷たいね(笑)」
『陽菜もおいでよ 』
みーちゃんの声に一瞬戸惑った陽菜の背中をポンと
押してあげるとみんなの方へ歩いて行った
ほんと世話の焼ける妹を持つと大変だよね
陽菜
あっ、優ちゃんの嫌いな風船がいっぱいある(бвб)
YUKO風船みーつけた
「麻里ちゃん写真撮って」
「ハイハイ、お、ニャロかわいいよ(*`ω´)」
「当たり前だし(бвб)」
優ちゃんの為にシャワーも浴びたし
お化粧だってし直したんだから
「次篠田を撮って」
「あっちゃんに撮ってもらえば」
「ちょっニャロ(汗)」
(大島さん到着されましたー)
「みんなクラッカーもって!」
入り口でしのぶが優ちゃんと同じドレスを着た
クマのぬいぐるみを渡し中に入ってきたと同時に
クラッカーを鳴らす
「「おめでとう!!」」
「アハッ(-∀-`)ありがとう 」
「ゆう・・・・「ゆっぴー!優子!」
「麻里ちゃんとあっちゃんも来てくれたんだ (-∀-`)」
声をかけようと思ったら先を越された
むぅ・・・陽菜が一番に声をかけたかったのにぃ・・・(怒)
「陽菜、顔が怖いよ 」
「煩い!こういう顔なの」
「寂しいのはみんな一緒なんだからさ
笑顔で送ってあげようよ」
「違うもん、陽菜はみんなと一緒じゃない!」
「陽菜?」
明日になったら優ちゃん出て行っちゃうんだから・・・
陽菜の所からいなくなっちゃうんだから・・・
どんどん悲しくなってきて今泣いたら
雰囲気が悪くなっちゃいそうだから
みーちゃんにトイレに行くと言って部屋を出た
優子
全員で円陣を組んでる時
スタッフが雨、止みましたて言ってきた
よし!それにしてもテルテル坊主って凄いんだなーて
改めて尊敬(笑)
お天道様、ファンのみんなそしてメンバーありがとう(-∀-`)
今日は今までの集大成にして最高のパフォーマンスを
見せるから待っててね!
影アナの時、陽菜がずーと後ろから抱きしめてくれていたから
緊張もせずに話せた
有難う陽菜!
もちろん麻里ちゃんからも頑張れメールが届き
気合も入った、ありがとう麻里ちゃん
オープニングは生ピアノの伴奏で泣きほほ
からのフライングヘビロテ
あなたがいてくれたからでは来賓席にいる
秋元先生とお父さん、そしてその下ぐらいの
一般席にいるお母さんに向けて歌ってたら
涙が出そうになってウルウルしてたら
甘い声で
「ゆうちゃん泣かないでぇ〜(бвб) 」
て聞こえてきたから笑いそうになった(-∀-`)
やっぱにゃんにゃんはばれてたか
でもみんなの前で言う事ないじゃんね、恥ずかしい
「にゃんにゃーん(-∀-`) 」
「ゆうちゃーん(бвб) 」
からのスキャンダラス、
この歌をにゃんにゃんと歌うのも最後・・・・
にはさせないもん、絶対どこかで歌ってやる!
カラオケとか(笑)だって楽しいんだもん(-∀-`)
優魂を掲げてくれている後輩二人とは
陽菜と初めてのユニット曲僕ジュリを歌い
佐江とはタップしながら青春の稲妻
そして最初にして最後のたかみなとのデュエット
確かあっちゃんとも歌ったような・・・
リハーサルの時陽菜がずーと、ずるいずるい(怒)
て怒ってて・・・理由を聞くと
これも陽菜と優ちゃんの歌なのに―て煩かった
アンコールでは私の為に書き下ろしてくださった
今日までのメロディーでは二期の卒業生も出てきてくれて
草原では才加と二人で歌いだす
気持ちいい―(-∀-`)
で!大島優子と言えばやっぱ握手でしょ
世界一沢山してると自負しております(笑)
今日いるメンバー全員と握手
どさくさに紛れてにゃんにゃんに
公開キスをしようとしたら見事にかわされた
・・・こんな時だけ素早いんだから・・・
私の背が届かないのをいいことに顔を背けるなんて
マジ、凹んだよ
そして最後の曲はもちろんこれ
ファンのみんなが私をセンターに押し上げてくれた
思い出の一番つまったヘビロテで明るくお別れ
はぁ・・・終わっちゃった・・・・
上から階段をぐるぐる降りて行きながら
会場で私のいない選抜曲を歌ってるみんなの声を聴く
・・・まだ明日があるんだししんみりしてる暇はないぞ優子!
AKB大島優子としての集大成を
私を育ててくれた劇場で見て貰わなくちゃだもん
でも、その前に・・・
打ち上げあるからまたまた大島さんの出番ですよー
張り切っちゃうもんね(-∀-`)
陽菜
小雨が降る中でのリハーサル
「くそー止みやがれこの野郎(怒) 」
「あらあら珍しく荒ぶるたかみな(笑)」
「だって、優子の最後のコンサートやのにー 」
「仕方ない、ゆきりんに帰ってもらおう(бвб) 」
「えっ?え!?私ですか 」
「雨女かしわげちゃん(笑)」
「こじはるさん(涙) 」
「にゃんにゃんダメだよ冗談にならないから 」
「優子ちゃんそれもグサッと来ます 」
「アハッごめんごめん」
明るくでも真剣に進んでいくリハーサル
こんな優ちゃんを見れるのももう、最後なんだね・・・(бвб)
「はーるな、今からそんなんじゃ本番持たないよ(笑)」
「みーちゃんだって一緒じゃん」
「だーね・・・やっぱ辛いわ 」
「うん・・・」
「でもさ、陽菜もあと少しなんだって思ったらもっとつらい」
「ごめん・・・」
「わー素直な陽菜が不気味 」
「ひどーい陽菜いつも素直だし」
「自分に限定だけどね(笑)」
「あー何楽しそうに話してるの、ケータリング食べに行こう
お腹すきすぎてもう踊れない(笑)」
そう言って歩きだす優ちゃん
「ゆうちゃん待ってよー(бвб) 」
立ち止まり振り向いて差し出された手を握る
あったかいなー・・・こうやって何度歩いただろうか・・・
「ううぅぅ・・・」
「にゃんにゃん?」
「こうやって歩くのも最後なんだね 」
「卒業しても歩けるじゃん(笑)」
「でも卒業したのに道とかでつないでたら変な噂されるもん」
「こじゆうはガチだった!で終わるよきっと(笑)」
「ふふ麻里ちゃん、はみご(笑)」
「アハハ拗ねるねきっと 」
「ほっとけばいいから(бвб) 」
ご飯を食べ体をほぐしてもらいメイクをして衣装に着替える
グループとしての最後の円陣で一言話す優ちゃん
「今、雨やんでます」
スタッフからの情報に
「よっしゃー!」
優ちゃんとたかみなが叫ぶ
掛け声の後
「優子さんお願いします」
明日もあるけど大舞台での最後の影アナ
今見てるのが全部最後なんだって思ったら熱いものがこみ上げてきた
「っ・・・ゆうちゃん・・・」
「アハッ(-∀-`) にゃんにゃんもおいで」
「うん」
手をつなぎマイクの前へ
話してる間中ずーと後ろから抱きしめていた
「スタンバイお願いします」
スタッフからの声に
「にゃんにゃん行ってくるね」
「うん・・・」
「最高の思い出にしようね(-∀-`) 」
「うん!」
二カッて笑うとおでこにキスしてくれて・・・
背を向け歩いて行った
陽菜はこれからもこの背中を見ながら
いつまでも追いかけて行くんだろうなー・・・
でも、プライベートでは前に回って思いっきり
抱きしめてあげるからね
窒息死しないでよ優ちゃん(бвб)
麻里子
「ゆっぴー!ニャロ起きろーごはんで来たよ(*`ω´) 」
「んん〜・・・雨・・・ 雨どう?」
「少しだけ降ってるかな・・・」
「そっかー・・・・」
「霧雨みたいだし絶対やむ!」
「だよね!気合で雨雲を吹き飛ばしてやる 」
「その勢いで隣の人起こしてきてね(*`ω´) 」
「ハーイ(笑)
にゃんにゃん起きて、朝だよ(-∀-`) 」
「・・・・もう少し・・・」
「起きなきゃキスするよ(-∀-`) 」
「・・・・・ 」
「うわっ今、寝たふりしたでしょ(笑)」
「だってキスしてほしいもん(бвб) 」
「チュッ! 起きてもキスするよ(-∀-`) 」
「ふふっ おはよう優ちゃん♪ 」
「おはよう、にゃんにゃん・・・・(-∀-`) 」
「おーい、バカップル、早く来ないと片づけちゃうよ(怒) 」
「わぁー(汗)起きたから待って麻里ちゃん 」
「ほら、早く食べて行かないと」
「・・・・行きたくない(бвб) 」
「ニャロ、いい加減に 「今日ねお母さんも来てくれるんだ(-∀-`) 」
「関係者席?」
「ううん、ばれるといけないからって自分でチケット取って来てくれるの」
「そっかー・・・・じゃー陽菜は恋人としてしっかりしなきゃだね(бвб) 」
「うん、麻里ちゃんは先に卒業しちゃっていないから
二人で頑張ろうね(-∀-`) 」
「ゆっぴーが冷たい・・・しくしく 」
「ちょっとうれしいくせに(бвб) 」
「ばれてますか(*`ω´) 」
「だって、麻里子はSとMの両方だもんね(бвб) 」
「ゆっぴーはMでニャロはSだからちょうどいいでしょ(*`ω´) 」
「二人だけで間に合ってます(бвб) 」
「ニャロさん(涙) 」
「早く食べていこうね優ちゃん 」
「アハハそうだね、麻里ちゃんはゆっくりしてきてね」
「敦子とお茶してから行くね」
「うん、ごちそうさまでした」
二人を送り出し後片付けと掃除をしてマンションを出る
ピンポーン!
「おはようございます(*`ω´) 」
「おはよう、どうぞ上がって」
「お邪魔します」
「いよいよ今日なのね」
「いい席をご用意できなくてすいませんでした」
「いいのよ、私は応援するときは一般人なんだから 」
「でも・・・せめて私たちと同じ場所で・・・」
「何繋がりもないのにおかしいでしょ(笑)
それよりもこの前の話の件なんだけど」
「はい!どうでしたか?」
「私の母の名義にして借りようと思うんだけどそれでいいかしら」
「はい、助かります(*`ω´) 」
「あの子に言わなくていいの?」
「ゆっぴーには心行くまで挑戦してもらって
疲れた頃にニャロと二人で迎え入れてあげたいんです(*`ω´) 」
「ありがとね、あの子はなんて幸せなのかしら
こんなに思ってくれてる人が二人もいるなんて 」
「私たちのほうが幸せをもらってるんです(*`ω´) 」
「たまにね、名乗らなかった方がよかったのかもって
思う時があるの」
「どうしてですか?」
「今まで、苦しんでる時に助けてあげれなかったし
これからだってもろ手を挙げて応援したり助けたり
してあげることが出来ないじゃない
それは苦しめてるだけなんじゃないかなって・・・」
「そんな事絶対ないです!
ゆっぴー宏美さんがお母さんだったって分かった時
すごく喜んで、やっぱりお母さんの血が流れてたから
芸能界に入ったんだって
お母さんは歌で語るけど私はセリフで歌うんだって
そして実力派歌手て言われてるお母さんのように
実力派女優になるんだってしょっちゅう熱く語ってるんですから!」
「あの子ったら・・・・」
「これからも人生の先輩として
私達を導いてくださいね(*`ω´) 」
「これからはビシビシいかなくちゃね(笑)」
「それは・・・お手柔らかに・・・(汗) 」
「ウフフ、いつ頃から動き出せばいいのかしら」
「陽菜が多分ドームで卒業すると思うんです」
「早いわね、2か月ほどしかないんじゃないの?」
「なので9月ぐらいには移りたいなって思ってます」
「わかったは任せておいて」
お礼をいい、今度は三人で来ることを約束して
マンションを後にした