3日に一度、恋の行方を報告しに来る優ちゃん

会えるだけで嬉しいから
柄にもなくアドバイスなんてしてる馬鹿な陽菜


「この頃冷たいんだ」

「きっと照れ隠しだよ
優ちゃんがグイグイ行き過ぎなんじゃないの?」

「そうかも(汗)」

「押してもダメなら引いてみなって言葉有るでしょ」

「おぉ〜にゃんにゃんが常識人」

「それバカにしすぎだし(怒)」

「アハハハゴメンゴメン怒んないでよー(笑)」

「全然悪いって思ってないじゃん(笑)」

「はぁ・・・にゃんにゃんだとこんなに話も弾むし
緊張しないでいれるんだけどなぁー」

「赤ちゃんの頃から一緒にいるんだから
当たり前でしょ」

「そうだよね、なんかもう空気みたいな存在」

「居るかいないかわからないってこと?」

「う〜ん・・・・そうじゃなくて
空気って見えないけどなかったら困るじゃん」

「なにそれ、意味わかんない」

「自分でも言ってて意味わかんないや(笑)」




6月も終わろうとしてる時
駅からの帰り道後ろから呼び止められて振り返る

「はぁはぁはぁ・・・やっぱにゃんにゃんだった」

「おかえり、今日は早いんだね」

「あ、うん・・・あっちゃん風邪で早退したから」


送っていかなくていいから早かったのか・・・


「今朝お母さんから聞いたんだけど
にゃんにゃん引っ越すの?」

「え、なんで・・・」

「隣の部屋が売りに出されてるって言ってた」


ギリギリまでご近所さんには言わないって言ってたけど
そこからバレちゃったのなら仕方がない


「お母さん達離婚するんだ
部屋は売れなくても夏休みに入ったら引っ越すの」

「もうすぐじゃん、なんで言ってくれなかったの!」

「言ってどうなるものでもないし
高校も別々だし別に困らないでしょ」

「なんで!私とにゃんにゃんの仲じゃん」

「幼馴染・・・ただのお隣さんだよ」

「そ、そうだけど・・・・ただの!じゃないでしょ」

「じゃーなに?それ以上でも以下でもないでしょ」

「・・・・・・・」


黙ってしまった優ちゃん


「優ちゃんにはもう、前田さんっていう彼女が居るんだから
大切にしてあげてね」

立ち尽くす優ちゃんをおいて歩きはじめる


「待ってよ!」


掴まれた腕を振り払い


「もう、陽菜にかまうのはヤメて!」


今まで出したことのない大きな声でそう叫ぶ


「にゃんにゃん・・・・・」


「優ちゃんには前田さんが居るでしょ
でも陽菜には・・・陽菜には誰もいない
大好きなパパもいなくなっちゃうし
優ちゃんだって陽菜から離れていったじゃん」

「わ、私は離れてないよ
いつだって一緒だったでしょ」

「優ちゃんはもう、前田さんのものだもん・・・・
だから陽菜に優しくしないで」


溢れてくる涙を止めることが出来ず
そのままマンションまで走って帰った