陽菜
「先生は知ってるの?」
「知らないと思う、先生がいる前ではみんな言わないもん」
そういえば参観の時はそんな雰囲気じゃなかった
参観後の懇談の時だってお母さんたちニコニコしてたのに・・・
「どこが変なのか聞いてみた?」
「うん・・・優陽ねパパが居ないでしょ
パパが居ないのに優陽が生まれるのはおかしいの?
なーなは優陽のなーなじゃないの?
優陽はママから生まれたんでしょ?
優陽は優陽は変な子じゃないもん
なーなとママの子供だもん・・うっううぅ・・・」
泣きじゃくる優陽を引き寄せギュッと抱きしめながら
「優陽はパパが欲しい?」
陽菜の胸に顔を埋めながら首を横に振る
「陽菜は優ちゃんが大好きで
優ちゃんも陽菜が大好きで
そんな二人のもとに生まれてきてくれたのが優陽なんだよ」
「・・・・・」
「優陽が生まれた時凄く嬉しくて陽菜が泣いてたらね
優ちゃんももらい泣きして二人でぐちゃぐちゃな顔して
泣いてたらお医者さんに笑われちゃった 」
陽菜から少し体を離れて見上げてくる優陽
「優陽が生まれるときなーなもいたの?」
「優ちゃんの手を握りながら
ずーと優陽が会いに来てくれるのを待ってた(бвб) 」
「ママが二人だと変なの?
アメリカの幼稚園の時は沢山いたのに
ここでは誰もいなくて優陽だけなの 」
「日本はね遅れてるんだよ」
「遅れてる?」
「そう!優陽はちょっと早くて・・
日本での第1号!一番だね(бвб) 」
「一番?」
「うん、あと何年かしたらママが二人とかパパが二人とかの
家族が増えてくると思うんだ」
麻里ちゃんとこも作るだろうしね
「クラスのみんなが言ってるわけじゃないんでしょ?」
「うん・・・」
「優陽からもっと話しかけてごらん
特に優陽がこの子とは友達になりたいって思う子には
無視されてもドンドン話しかけて行くの
そしたらね絶対その子とは親友になれるから(бвб) 」
「親友?」
「そう、何歳になってもずーと付き合って行ける友達」
「わかった!優陽がんばる 」
陽菜がもっと早く気づいてれば
優陽にこんなにつらい思いさせなくて済んだのに・・・
優ちゃんの事しか頭になかったから・・・
優陽ごめんね
「なーな、またアメリカに行くけど大丈夫?」
「すぐ行くの?」
「ううん、もう少しこっちにいるよ」
「お友達できてからがいい・・・」
「そうだね、それまで優陽のそばに居るから」
「ありがとうなーな・・・大好き 」
「なーなも優陽が大好きだよ(бвб) 」
「あのね・・・ギューてしたまま寝てもいい?」
「いいよ、おいで(бвб) 」
「アハッ(´-∀-)」
出会ったころの優ちゃんに似てる(笑)
誰が何と言おうと優陽は陽菜と優ちゃんの子供なんだからね
陽菜
舞台に上がるだけでも恥ずかしくて緊張したのに
ドラマの続編?陽菜聞いてないし・・・
あとからドッキリでしたとか言わないでよ
部屋に戻るとみんなおめでとう!て言ってくれて
なぜか優ちゃんがありがとう(-∀-`) て頭下げてる(笑)
優ちゃんも出るんだからあながち間違いじゃないんだけどね
ワイワイしてるとまたヘビロテがかかりスタジアムのほうを見ると
空中ブランコ?みたいなものに乗って後方に進んでいく優子
明らかにこっちを見て手を振ってるから
優ちゃんたちも手を振りながら叫んでる(笑)
秋元先生や他の関係者方もいなくなっていて
部屋には私たちだけ
「さーて着替えようか(*`ω´) 」
「あっ!ちょっと待って、優子がみんなと写真を撮りたいらしくて
着替えずに待っててほしいみたい 」
「私もですか?」
「全員って書いてたから柏げちゃんもじゃないかな?」
「私は大丈夫です、保育士ですから慣れてます 」
えへん!と、ドヤ顔のかしわげちゃん(笑)
規制退場を上からボーと眺めていたら携帯が震えて
(後、5分くらいで行くから(-∀-`) )
「もうすぐ来るって(бвб) 」
少しするとドアをノックする音がして返事をすると
勢いよくドアが開き飛び込んできた
「じゃーん お待たせぇー(-∀-`) 」
「あぁぁ!優子たんいっちょだー(´-∀-)」
「そうだよ!チビ優のために着替えてきたんだよ 」
優ちゃんとほとんどお揃いのリスを身にまとい
二人でキャッキャッとはしゃいでいるのを見ていると
「ちょっとー早く呼んでよ 」
入ってきた人に驚いたのはかしわげちゃんで
急にオドオドしだし麻里ちゃんの後ろに隠れようとして
前に押し出されてる(笑)
「ごめん、ごめん忘れてた(汗)佐江もつれてきたんだけど
佐江のファンの人ってきりんさん?」
「そうだよ!かしわげちゃん(бвб) 」
「かしわげ?」
「ちっ!違います 柏木由紀です」
じーとかしわげちゃんを見つめる佐江ちゃん
「ああぁぁ!!りんちゃんじゃん 」
「りんちゃん?」
「あっ ごめん、由紀ちゃんだよね、覚えてるよ
大阪の時も来てくれてたもんね 」
「はい!覚えていてくださってうれしいです 」
「えっ!まじ!まさかのりんちゃんだったなんて・・・
佐江よかったじゃん(-∀-`)
大島さんのおかげだぞ感謝しろよ 」
「よかったの?(бвб) 」
「うわっ 優子黙れ(汗)」
「アハハハにゃんにゃんには今度ゆっくり教えてあげる(-∀-`) 」
ん〜・・・なんかわかんないけど面白そうな予感(бвб)
優子
陽菜が先生の所に行ってるあいだ
買ってきてくれたお菓子やジュースを飲みながら
試合の話をしていた
ガラッ!
「あっ!にゃんにゃん遅かったな、先生なんて?」
「えーと・・・・4・5日入院しないといけないって」
「えっ!?それだと試合でれないじゃんか
俺痛み止め打ってでも出るから」
「今日ねひっかけられた時に膝の裏十字靭帯を損傷したみたいなの」
「でも、テーピングで固定したら!・・・・」
「それは無理、今はまだ痛いだけだけどもうすぐ・・・
夜になるぐらいからたぶん腫れてくると思うし
熱だって出るかもしれない(бвб) 」
「・・・・・・・・」
「陽菜付き添うから退院したら一緒に帰ろうね」
「いつサッカーできるようになるんだよ」
「それは・・・・」
すげー悲しそうな顔をする陽菜
おろおろするみなみと顔を伏せてるあっちゃん
「優ちゃんはまだ2年生だし少し位休んだって大丈夫だよ(бвб) 」
「答えになってねえ(怒)」
「っ・・・激しいスポーツをするなら手術をして
リハビリをしたほうがいいって先生が言ってた」
「どれくらいかかるの?」
「8ヶ月ぐらい・・・」
うそだろ、俺のサッカー人生、いや俺の人生終わりじゃん
高校からプロに入る計画消えちゃったよ・・・・
もう、にゃんにゃんとは・・・・
陽菜
バッと頭から布団をかぶり潜っちゃった優ちゃん・・・
「みんな出ていけ!!」
「優子!」
「一人にしてくれ!」
みなみが話しかけようとするのを手で制し
二人には出ていくように促した
ドアが閉まる音がした途端声を出して泣き出す優ちゃん
陽菜も出て行ったと思ってるんだろうな・・・
静かに椅子に腰かけシーツの上から頭をなでると
ビクッと体を震わせて
「・・・にゃん・・・・にゃん・・・」
「陽菜だってわかるの(бвб) ?」
「・・・・うくっ・・・・」
「今から頑張れば来年のこの大会には間に合うよ(бвб) 」
「でも・・・スポーツ選手は体にメスを入れたら終わりだって・・・」
「それっていつの話(笑)優ちゃん若いのに
今の医学ってすごいんだよ、プロの選手だって
手術して復帰した人沢山いるでしょ」
「ううぅぅ・・・」
「陽菜も手伝ってあげるから頑張ってみようよ(бвб) 」
「っ・・・悔しい・・・・(泣)」
「試合でれないもんね」
「それもあるけど・・・・一位とって後一試合だったのに」
・・・・えぇ!?もしかして陽菜とって事?
「俺スゲー頑張ったのに・・・また一年あとじゃんか」
「はあ・・・それは・・・う〜ん・・・考えてあげるから」
「きゃっ!」
いきなり起き上がって陽菜の両肩を持ち
「手術も頑張るしリハビリも頑張って来年は優勝するから
だからだから!!」
そんな必死にならなくったって(笑)
「わかった(бвб) 」
「絶対だぜ!今年中!!俺の誕生日でもいいし
何なら今からでも(-∀-`) 」
ペシッ!とおでこを叩いて
「はいはいあっちゃん達呼んでこよーと(бвб) 」
「うわぁー流したよこの人」
「でもさ、試合はどうでもいいの?」
「悔しいけど出れないものは仕方ないじゃん(-∀-`) 」
・・・・やっぱりただの変態さんでした(бвб)