「ただいまぁ〜・・・・」

誰も出迎えてくれないことを知っていても
言っちゃうのは昔の癖なのかもしれない
なのに

「おかえりぃ〜(-∀-`)」

しっぽをぶんぶん振って出迎えに来た犬に
一瞬見えちゃったから困る


「・・・・・どうしてここにいるの」

「用事が思ったより早く終わったから
賢くにゃんにゃんが帰ってくるのを待ってたんだから
よしよしして(-∀-`)」

「誰もいないのに勝手に入らないでよね(怒)」

「あぅ・・・・ごめん・・・」


途端に耳としっぽを垂らしシュンとしてる犬に見えたから

頭をポンポンと撫でてあげて


「待ってるならLINEぐらいしてよ」

「うん、これからは絶対にする♪」


すぐ元気になるからホントに犬みたい(бвб)


「一旦帰ったの?」

「うん、着替えて待ってた♪」

「おばさんに何かあった?」

「ん?どうして」

「急用って帰っていったし先生も何も言わなかったから」

「お母さんは元気だよ夕飯待ってるねって言ってたし」

「じゃー・・・・何処へ行ってるの」

「そんな事はどうでもいいじゃんそれより「どうでも良くない!」

「にゃんにゃん・・・・」

「いつもそうやって誤魔化してるけど陽菜に言えないことなの?
ペットがご主人様に隠し事したらダメでしょ(怒)」

「クゥ〜ン」


その時また電話がかかってきて出ていこうとしたから
電話を取り上げボタンを押す

(あ、優子ちゃんさっきはありがとう
悪いんだけどまたわからない所が出てきちゃって困ってるんだ
すぐ来てもらえないかな)


この声


「・・・・・・パパ?」

(・・・・・・ブチ)

「もしもし・・・もしもし・・・」


苦笑いしてる優ちゃんに


「どういうことか説明して」

「はぁ・・・・バレちゃったら仕方ないか
百聞は一見にしかず、ついておいで」


そう言って連れてこられた所は大きめな普通のビル
でも中にはいると入口近くのエレベーターには乗らずに
角を何度か曲がった場所にある壁?の前に立ち


優ちゃんが持っている何かを押すと壁が開きドアが現れ
それが開くとエレベーター?のドアが・・・
それに乗り地下へ

なにこれ(汗)



地下三階?エレベーターのドアが開くと
バツが悪そうに立っているパパと
ニコニコして立っていたママ


「ママ?・・・・・・ねえどういう事なの」

「話は後からするとして先に頼むよ優子ちゃん」

「わかりました」


部屋に入るとパソコンの前に座り数分操作していたかと思ったら
今度は机の上の実験道具?ていうのか
試験管やフラスコに入っている液体を混ぜ
何かを作ってる


「これで大丈夫だと思います」

それを機械にかけ数値を見て

「ありがとう助かったよ」

「いつもごめんなさいね」

「いいえ、いつでも呼んでください」

三人で話してて陽菜は蚊帳の外


「ねえ、どういうことなの
なんでパパとママがこんなところにいて
優ちゃんが手伝ってるの」

パパは普通の会社員でママは結婚前からの仕事をしていて
陽菜が中学生になった頃に単身赴任で地方に行ってて
二週間に一度くらいしか家に帰ってこない

いない時は優ちゃんのお母さんが陽菜の分のご飯を作ってくれていて・・・
いつも優ちゃんの家で夕飯を食べていた

「真実を知るともしかしたら陽菜に危険が及ぶかもしれない
それでもいいなら話すけど
その覚悟がないなら今日のことは忘れて帰りなさい」

「危険が及ぶ?じゃー優ちゃんも危ないんじゃん
どうして優ちゃんを巻き込んだの」

「優子ちゃんは天才なんだよ、それに身体能力も優れているから大丈夫だ」

「どうしてそういい切れるのプロが殺しに?来るかもしれないじゃん」

「そのプロにも勝てるのが優子ちゃんなんだよ」

「うそ・・・・・」

「中学に入ると秀でた能力を発揮して
私達のてつだいをしてくれるようになり
特殊訓練も受けて男の人にだって負けない動きができるの」

「でも学校では・・・・」

「学校では普通の女子を演じてる(-∀-`)」


普通じゃないけど・・・・・


「で、でも優ちゃんのお母さんは?
家と学校が違うんならばれちゃうでしょ」

「彼女は元私達のメンバーで一緒に研究してたんだが
結婚出産を期に引退したんだ」

「だからなんの疑いもなく陽菜の面倒を・・・」

「そう、それに優子ちゃんの才能をいち早く見出した張本人」


なんとなく辻褄が合う
普通早く帰ってたら怪しむはずだもん

それにいくらお隣さんだからって
毎日陽菜の面倒見てくれないよね


「いいか、これは極秘任務だから誰にも言うなよ」

「言わないし、第一何してるのか何作ってるのかも知らないのに
言えるわけ無いでしょ」

「そ、そうだな・・・・」

「陽菜にバレたのなら3日に一度ぐらいは帰るわね」

「わしは遅くなる日は帰らなくて済むな」


陽菜のためにみんな自分を犠牲にしてたんだ・・・・


「にゃんにゃん帰ろう」

「うん・・・・」


来た時のように自転車の後ろに乗り家へ向かった