どうして陽菜が行かないといけないの(怒)

文句を言いながら家を探す


行かずに帰っても良かったんだけど

演じるのは好きだし
結構仲間も気に入ってるから
居づらくなるのだけはいやだった

だから麻里子以外の家へ来たんだけど



・・・・・どうしよう・・・・


「あのう・・・」


チャイムを押すかやめようか迷っていたら
後ろから声をかけられ振り返る


「うちになにかごようですか?」


人の良さそうな女性が立っていた
うちということはあの子のお母さんか・・・


「はじめまして大学で大島さんと同じサークルに入っている
二年生の小嶋陽菜と申します」

「まあ、大学の方なんですね」

「はい、今日体調が悪そうにされていたので心配で・・・」

「わざわざありがとうございます
どうぞ入ってください」

「ありがとうございます
失礼します」

「あの子の部屋は二階上がってすぐの部屋です」

「上がってもいいんですか?」

「良いですよ、寝てたら叩き起こしてください(笑)」


あの子のお母さんとは思えないくらいさっぱりした人


「飲み物持っていきますね」

「気を使わないでください
さっき飲んできたので」

「そうですか、ゆっくりしていってくださいね」


ほんとにいいお母さんだと思う・・・・


二階に上がるとすぐに一部屋と奥に二部屋あるからここかな

ゆっくりドアを開けると
正面にベッドが見え膨らみがあった

近づいて顔を見ると


「涙の跡?」


泣いてたのかな・・・・
後悔してるならやめるって言わなければいいのに

・・・・・・寝顔は少し可愛いじゃん(бвб)

少しの間ずっと寝顔を見てた

どうしてこの子に陽菜の衣装を作らせようとしたんだろ
他の子だって良いのに
陽菜なんだからもう少し気の強い子のほうが良いのに・・・・
才加たちの考えはわかんない


「う〜ん・・・・・」


動き出したから慌てて椅子に座る


「はぁ・・・・今何時だろう・・・」

「6時過ぎ(бвб)」

「へっ!?」


寝起きだからかいつもより声がしゃがれてるように感じる



「だ、だれ(汗)」


薄暗くて誰かわからないみたい


「昨日のお返し」

「えっ?」

「玄関開いてたから入ってきた」


嘘だけど


「・・・・こじ・・・ま・・・さん?」


必死で目をこすり陽菜を見てやっと気がついたみたい


「これ返してこいって言われたから」



才加から預かった退部届を投げつける



「これ・・・・・」


「陽菜が辞めさせたみたいに言われたんだからね(怒)」


なにかを言いたそうなのに言い返せない弱い子
少し苛つく


「せっかく来てあげたんだから早く採寸して」

「採寸?」

「陽菜の担当なんでしょ、ほら早く」

「でも私もう・・・・・・」

「はぁ・・・・陽菜うじうじした人って大っきらいなんだよね(怒)」


つい本音が出てしまう


「うぅぅ・・・・・」


また泣きそうになってるし(怒)


「才加があんた以外には作らせないって言うから来たの!
あんたが作らないなら陽菜の衣装無いんだけど」

「でも私、あんな場面を見ちゃって・・・・
小嶋さんの方が嫌なんじゃないですか」

「陽菜は別になんとも思ってないし
それにあいつしつこかったんだよね
あの後やる気なくしたって言って帰ったから
反対に助かったんだけど」


嘘だけどね鬱陶しくなってきてたのはホント


「・・・・・怒ってないんですか・・・」

「怒ってたらこんなとこまで来ないし」

「・・・・・・・・」

「この後デートあるんだから早く採寸して」


これも嘘、今日は麻里子が来る日だから帰る



「は、はい(汗)」



なれない手付きで採寸して書き出し終わるのを見て


「明日部室においでよ」


そう言って部屋を出た


階段を降りてすぐ玄関だけど奥へ行き


「大島さん起きて大丈夫そうなので帰ります」

「あら、せっかくなので夕飯食べていってください」

「ありがとうございます
でも今日は家でも夕飯が用意されてるので遠慮しておきます
今度は是非」

「そうなの、残念だわ
ぜひまたいらしてくださいね」

「ありがとうございます
さようなら」


挨拶をして家を出た