「ハァハァハァ・・・やばい・・・はぁはぁ」


普段走ることなんてない
それに今日はだいぶ飲んでいたから


「気分悪いし、しんどいし最低」


これは本当


「大丈夫ですか・・・・」

「優子のせいだからね!」

「すみません・・・・」


いま優子って口から出ているのに気づいた・・・
そう言えばさっきから優子って思ってたかも

何、心を許してるの?名前を呼ぶなんてありえないよ陽菜

でも、酔いが相当回っていて一人で帰ることはたぶん出来ない



「陽菜を家まで連れて帰って」


それくらいしてもらってもバチは当たらないと思う



「どうぞ・・・・」


おんぶしてなんて言ってないのに
背中を見せどうぞって・・・・馬鹿なの?



「小さいのにムリじゃん」

「以外に力はあるので・・・・」


そこまで言うならおんぶされてあげる

確かに力はあるみたい・・・
いい匂いがする・・・
この前はゲロまみれだったからわからなかった

程よい揺れが気持ちよくて・・・・


「小嶋さん・・・あのう・・・小嶋さん」

「ん?」


陽菜を呼ぶ声に目を覚ます


「タクシー捕まえるので降ろします(汗)」



なーんだ結局無理だったんじゃん


それにしても眠い・・・・
ベッドに入って思いっきり寝たい・・・

何かを言われながら
引きずり出されてる感覚がして


「小嶋さん鍵出して下さい」

「バック」


家に着いたんだ


「勝手に探しますよ・・・・・・失礼しまーす」


もうダメ、眠る・・・・

ドアが開き中に入った途端に倒れ込んだ



「こんなとこで寝ないで下さい・・・小嶋サーン」

「うっさい・・・・・」

必死に起こそうとするから
力を振り絞り
体を半分預け歩くというよりもたれ掛かって
体重を預けてる感じ?

たぶんソファーに座らされた・・・・・


「ん・・・・ん・・・水」

「冷蔵庫開けますね」


のどが渇いたけど自分で行けないもん
こういう時誰かいると助かるよ・・・・ね・・・・・スー


「どうぞ・・・・小嶋さん・・・・お水ですよ」


もう何も聞こえなかった


目が覚めるとリビングのソファーに寝ていて
掛け布団が陽菜の上にかかっていた

横を見ると

床に丸まって寝てる優子


昨日・・・・・泊まったんだ・・・
家にちゃんと連絡したのかな


そんな事を考える陽菜って真面目だと思う

今日も講義あるんじゃないの?
早く起きないと遅刻するよ

そういうふうに言えば済むことなのに


「ねえ、何寝てんの」


口からはこんな言葉しか出てこない


「お、おはようございます・・・クチュン」


そう言えばもう朝方は寒いよね



「・・・・・・・」


「もう大丈夫そうなので帰りますね(汗)」


ニコッと笑うと朝ごはんも食べずに帰っていった