お腹の中の赤ちゃんが起きたのか
あまりにも元気よくお腹を蹴るから
目が覚めた陽菜
部屋の中はまだ暗いのに
いるはずの隣の人がいない
まさか犬に戻ったの?(汗)
慌てて布団をめくと・・・・・・・そこには誰もいなくて
布団を触っても冷たくて
今いなくなったんじゃないと悟った
「優ちゃん?・・・・・・優ちゃん!」
ガサッ
静まり返る部屋のクローゼットの中から聞こえて来た音
まさか・・・ねぇ?
ヨイショっと起き上がり暖房で温かくはしてるけど
上に一枚羽織ってクローゼットの前へ
勢いよく開くと面白いように飛び上がりびっくりしてる愛しい人
「何してるの?」
「シッ!起きてちゃダメぜ、早くベッドに戻って寝れぜ」
「優ちゃんも寝ようよ」
「俺は良いんだぜ(-∀-`) 」
「そこで寝るの?」
犬の気分に戻って浸りたいのかな?
「お、俺は朝までここにいて待ってるんだぜ(-∀-`) 」
待ってる?誰を?・・・・・まさか・・・ねぇ(汗)
「サンタ(бвб) 」
「ギクッ(;´-∀-)」
あきらかに動揺したよね今
「サンタさん待ってるの?」
「いい子にしてたらサンタがプレゼントくれるんだぜ
にゃんにゃんそんな事も知らないのか(-∀-`) 」
ドヤ顔で言ってるんだけどそれって子供の発想で・・・
あ、人間の知識は子供なのか
「あのね、サンタさんなんてこの世にはいなくて
プレゼントをくれるのは自分の親なんだよ」
「ウソぜ、そんな事言って俺を騙そうとしても無理ぜ(-∀-`) 」
「仮にいるとしても大人には来ないよ」
「お、俺今年五歳だから子供ぜ(-∀-`) 」
「それは犬の時の年齢でしょ
今はもう人間なんだよ」
「グッ・・・・だってサンタに会いたいんだもん
プレゼントが欲しいんだもん(涙)」
だもんて・・・可愛いんだけど(бвб)
「それにおで、親どこにいるかわがんないし・・・(涙)」
そっか、産まれて一年ほどで警察犬になる為に
里親に預けられるもんね・・・・て
里親って陽菜じゃん、じゃー陽菜が優ちゃんの親なの?
妻なのに親も兼ねてるの?
大変じゃん(笑)
「陽菜が優ちゃんのサンタさんになってあげるから
今日はもう寝よう」
「でもうちトナカイ飼ってないぜ」
優ちゃんを飼ってるからいいの!
なんて冗談でも言ったら拗ねるよね(笑)
「このマンションにトナカイ入ってきたら窓割れちゃうでしょ」
「・・・・・そっかそうだよな
煙突も無いし入ってこれないじゃん」
「そうだよ」
良かった
これで諦めてくれると思った陽菜は甘かった
ベランダの窓へ近づいて行くとカーテンを開け
ガラガラっと豪快に窓を開ける
「さあ!どっからでもこいぜ(-∀-`) 」
バシッ!
「イデ(;´-∀-)」
「寒いし、風邪ひいたらどうするの(怒)」
急いで窓を閉め
「はぁ・・・・・」
「ごめんぜ(。-∀-)」
「サンタさんからプレゼントを貰うと
陽菜からのプレゼントは貰えないけどどっちがいいの」
「そうなのか?」
「プレゼントは一人一個って決まってるの」
嘘だけど
「にゃんにゃんはなにくれるんぜ?」
一応人間になって集めだしたスニーカーにした
なんでも犬は裸足だから
いろんな靴を履きたいって集めだした事だから
駄目ともいえない
とりあえず陽菜がお金を握ってるから
頑張ったご褒美とか記念日とか決めて買ってあげていた
今度のは限定品だから結構したんだから
「優ちゃんが欲しがってたものだよ」
「くれ!」
「今はだめ、朝が来てから」
「じゃー起きてる」
「だからねよ・・・・・・イッ・・・・・ツゥ・・・」
「にゃんにゃん?」
予定より二週間早いじゃん(汗)
「陣痛がきたみたい(汗)」
「た、た、大変ぜ救急車(;´-∀-)」
「タクシーでいいから」
そんなすぐ生まれないし
「よ、よし・・・・えーと・・・どうやってよぶんぜ?」
もう・・・・・仕方ないけど・・・・
「あれ?才加からLINEが・・・・おおん・・・麻里子が病院へ・・・
なんだと!にゃんにゃん早く生むんだぜ
ここで生んでいいぜ!」
「・・・・・・・」
無視してタクシーを呼び病院にも電話して着替えていると
「動物は自力で産むんだぜ」
「あのね、犬や猫じゃないんだから
生まれた後ちゃんと処理しないと赤ちゃんが死んじゃうかもしれないし
もしかしたら陽菜だって」
「・・・・・・(。-∀-)」
ボロボロ泣きだし
「死んだらいやぜ(泣)オレ一人になっちゃうぜ」
「だったら早く着替えておとなしく病院についてきて」
「わかった・・・・」
タクシーが来ると入院の荷物を持ってくれて
タクシーの中ではずっと手を握ってくれた優ちゃん
病院へ着くと
「小嶋さん!」
「ゲッ」
「むむむむむむ」
そりゃー同じ病院なんだから会うよね(汗)
また競争心が湧き上がってきた顔してるし
「優ちゃん、いま夜中だし騒いじゃ駄目だよ」
「うぅっ」
「どっちが先でも無事生む事が大事なんだからね!」
「うん・・・・・でも・・・」
「でもじゃないの!っ・・・・イタ(汗)」
「俺が受付しようか?」
「なんだと!にゃんにゃんは俺のヨメだぞ!(怒)」
「優ちゃん(怒)・・・・秋元さんお願い」
シュンとして待合室の椅子にフラフラっと座っちゃった
「俺達も20分前に来たとこなんだ」
「同じ日に生まれたら笑っちゃう」
「麻里子も同じこといってた、で、きっと大変だから入り口で待っててあげてって」
「そうなの?」
ありがとう麻里子
麻里子も心細いはずなのにごめんね
「小嶋さんこちらへどうぞ」
看護師さんが病室へ案内してくれる
「優ちゃん行くよ」
「どうせ俺なんて・・・・」
ブツブツ言ってるから
「来い!」
「ワン!」
あっという間に隣に立ってる(笑)
「しまったつい(;´-∀-)」
くすくす笑ってる看護師さん
まさか本当に犬だったとは思いもよらないよね(笑)
病室は麻里子と隣みたい
まだ間隔が長いから少し覗くと
「ヤッホー、ニャロ
どっちが早いか競争だね(*`ω´)」
だから・・・・はぁ・・・・
「俺のにゃんにゃんに決まってるだろ
麻里子なんかに負けないんだからな!」
ほら・・・・こうなるんじゃん
病室に入っても隣が気になるのかソワソワしてるから
全然落ち着かない
「ねえ、帰っていいよ」
驚いた顔をしてる
「どうせまだまだ生まれないと思うし
と言うかイライラして生まれそうにないんだけど(怒)」
「ごめんぜ・・・・・・大人しくするからここにいたい・・・・」
「あんまり寝てないんだから少し寝れば?
生まれそうになったら起こしてあげるから」
こくんと頷くと椅子をベッドに寄せ
足元にもたれかかりあっという間に寝ちゃった
・・・・・・眠かったんじゃん(笑)
隣がバタバタ仕出した時陽菜の痛みも増してきた
「優ちゃん・・・優ちゃん」
ボタンを押し看護師さんを呼んでから優ちゃんを起こす
それからどうなったかと言うと・・・
もちろん麻里ちゃんのほうが早かった
だって予定日過ぎてたんだもん(笑)
優ちゃんには黙ってたけど麻里子の方が予定日が先だった
なのに同じ日になるなんてね(笑)
そして陽菜はお昼前に
「可愛い女の子です」
「いっやっあったぁー♪女の子ぜ
サンタさんがプレゼントくれたぜ(-∀-`)」
「もしかしてサンタさんに女の子をお願いしてたの?」
「そうぜ、にゃんにゃんに似た女の子をくださいってお願いしたんだ
そしたら二人に囲まれてウハウハぜ(-∀-`)」
「・・・・・・・」
「・・・・嘘ぜ(;´-∀-)」
「ご主人は出て部屋で待っててください」
「はい!」
助かったと言わんばかりに慌てて出ていった
もう・・・変態犬
部屋へ戻ると
「さっきはごめん・・・」
「もういいよ」
「おれ、人間の事今まで以上に勉強する
そして仕事もいっぱいしてにゃんにゃんと子供を養っていく」
いきなり真面目になってどうしたの?
入り口が少し開いて誰かが覗いてると思ったら秋元さんで
陽菜を見てウインクするから、理解した
「ありがとう、優ちゃんいい子になったから
陽菜からもプレゼントあげるね」
「俺はにゃんにゃんにあげれるものがなにもない・・・」
「もう貰ったよ、さっきの言葉が最高のクリスマスプレゼントだし
クリスマスに生まれてきてくれた赤ちゃんは
サンタさんから陽菜と優ちゃんへのプレゼントでしょ」
「・・・・そうだよな、うんうん、俺達二人へのプレゼントだ(-∀-`)」
「これからよろしくね旦那様(笑)」
「お、おう・・・・よきにはからえ(-∀-`)」
「時代劇見すぎ(笑)」
メリー・クリスマス
おしまい