俺とお前と時々親友♂ U−89

敦子

麻里子と別荘に帰ってきて玄関を開けたら優子が泣きながら飛び出してきた

とっさに腕を掴んだけどすぐ振りほどかれて・・・走って行ってしまった

すぐ追いかけたんだけど日本記録保持者に追いつけるわけがなく・・・

見失ってしまって今探しているところ!

麻里子に電話をかけて原因を聞く

「・・・陽菜最低!(怒) 」

麻里子にさんざん愚痴を言って電話を切り海岸沿いを歩いていると・・・

うずくまっている子供発見!

「優子!」

ビクンと肩を弾ませたけど顔は伏せられたまま

隣に座り腕を回し肩を撫でながら「帰ろ!」と囁くと

首を横に振る優子・・・

「陽菜の本心じゃないってわかってるでしょ?」

「・・・・・」

「本人凄く反省してるし落ち込んじゃってるらしいよ 」

「でも・・・とっさに出るって事は、どこかで思ってるからじゃないのかな 」

「陽菜ってその時の感情でものをいうときあるじゃん!
優子もわかってるでしょ、思いついたことを口にする癖」

「でも・・・全然女の子らしくなくて、面白くもなくて
陸上しかできない私をお金持ちでかっこいい陽菜が
好きになるなんて不思議で仕方なかったんだ・・・
やっぱり、言う事を聞いていつもさせてくれて
子供さえ埋めれば誰でもよかったんだよ!私じゃなくてもよかったんだよ(涙) 」

一気に言い切ると私に抱き付いて来てまた泣き出した

「そんなわけないじゃん、私達の大切な優子を
陽菜だから任せてんだよ、一途に優子の事を想う
陽菜の気持ちに嘘は無かったよ 」

「でも・・・グスン」

「優子は自分の事を過小評価しすぎ!もっと自信を持ちなよ」

「無理だよ・・・チビで真っ黒で・・・
みんなだっていつも子ども扱いしかしないじゃん」

「それは・・・私達にとって優子は妹みたいな存在だからだよ
でも陽菜は違うでしょ、ちゃんと女性としてみてくれてる
だから結婚もしたんだと思うよ」

「ううぅぅ・・・」

「優子が苦しいときや辛いとき、寂しいときに一緒に居てくれるのは誰?」

「・・・あっちゃん・・・」

「あはは、それは陽菜と喧嘩した時だけでしょ(笑)」

「うん・・・」

「優子の一喜一憂でオロオロしたりデレたりする陽菜を見て
麻里子がね言うんだ、ニャロ変わったなーて、
昔は人に興味がなくてマイペースで自分の事しか考えてなかったのに
いまじゃーゆっぴーの事だけしか考えてないからねって言ってたよ 」

「・・・・・」

「本当は優子もわかってるでしょ?」

「うん」

「お腹すいたから早く帰ろう!私の機嫌が悪くなっちゃうよ(笑)」

「それは大変だから帰る(´-∀-)」

手を差し出すと照れくさそうに握ってくる優子
私達の絆は永遠だよ!

俺とお前と時々親友♂ U−88

陽菜

はあ・・・よかった(бвб) 

何だよ!やっぱり誘ってたんじゃんかよ
優子の顔を見ると無償にキスしたくなったり
俺の息子がみるみる元気になって行ったり 不思議だったんだよなー

以心伝心と言うやつだな♪

「はい、ばんざいして 」

「・・・・・・やだ///」

「なっ!なんでだよ(怒) 」

「まだお昼前だよ それに・・・明るすぎるし・・・」

「他の奴らは出かけてるし、優子の裸がよく見えるからいいじゃん!」

「や・だ!」

「むう・・・わがままだな(怒) 」

「陽菜がわがままなの!」

カチンときてつい言ってしまった

「したい時に出来なきゃ夫婦になった意味ねえだろ 」

顔色を変えボロボロ泣き出す優子 

はっ!しまった(汗)

「・・・したい時に・・・エッチ出来るから私と結婚してくれたんだね・・・
それが一番の理由なんだ・・・陽菜なんか・・・陽菜なんて大嫌い!(涙)」

部屋を飛び出していった

今、嫌いって言ったよな・・・初めて嫌いって言われたんじゃねえか?・・・
それも大嫌い・・・

ショックのあまり追いかけるのも忘れて放心状態の俺

「・・・・ロ・・・ニャロ!」

誰かが目の前で肩をゆすってる・・・

バチン!!「イテッ! 」誰だよ頬を叩くのは・・・

ゆっくりと焦点を合わすと

「麻里ちゃん?」

「どうしたんだよゆっぴーが泣きながら玄関から飛び出していったぞ!」

「えっ?あっ・・・うん・・・」

「しっかりしろよ!敦子が追いかけて行ったけど
足速いから見失うかもしれないんだぞ」

「そっかー・・・」

「何があったんだよ」

「あいつに・・優子に大嫌いって言われた・・アハハ」

「ハア?さっきラブラブで帰って行ったのになんでそうなるんだよ 」

「俺が・・・陽菜が、ひどいこと言ったから・・・
くそー何であんな事言っちまったんだろ
思った事無かったのに・・・イラッとしてつい・・・」

このまま離婚になったらどうしよう・・・目の前が真っ暗だよ

俺の人生終わるかもしれない・・・

Y スレチガイ 46

この中で私が知っているのは小嶋さんと花ちゃんだけ
だからずっと花ちゃんの隣にいた

花ちゃんは先輩だけど私が唯一ちゃんづけで呼べる先輩

すごく優しくて学生の頃私を可愛がってくれたから
一番懐いてたと思うそれに・・・

「優子仕事辞めたんだって?」

「うん、営業は向いてなかったみたいで」

「ソフトすればよかったのに」

「してるよ?」

「実業団でって事」

「私には・・・向いてないかなアハッ」

「花でも出来るんだから優子も出来るって」

「それに同期でチームも作ったし」

「小嶋さんがピッチャーだったら強いでしょ」

「うん、今年は全国大会で三位だったんだ」

「肩壊したのに復活するって凄いよね(笑)
それと、ああやって飲んでる姿見てて
だれもソフトやってるって思わないと思う」

「そうだよね・・・綺麗ですもんね・・・」

「あんたまだ・・・」

「アハッ(-∀-`) 私諦めの悪い女だったみたい(汗)」

花ちゃんは卒業するときに私の事を好きだって言ってくれた

兵庫に行っちゃうから思いを伝えときたかったって・・・

でも私は・・・

「有難うございます、でも私・・・片想いですけど
心に思ってる人がいるんです」

「聞いてもいい?もし嘘だったら私やりきれないし・・・」

「えーと・・・小嶋先輩・・・・(汗)」

「え?あの、小嶋先輩?」

「はい」

「何で知ってんの?大学入れ違いでしょ」

「一度遊びに来られた時にお会いして・・・
凄い人だなーて思ってて始めは尊敬だったのに
気が付いたらいつの間にか好きになってて・・
二度しか会った事ないのにおかしいですよね(汗)」

「そっかー小嶋さんなら仕方ないや、私の完敗だ(笑)」

「でも花さんの事も好きです・・・恋愛とは違いますけど(汗)」

「ありがとう、帰って来た時ぐらいは会ってくれる?
ご飯食べに行こう」

「はい!ぜひ(´-∀-)ご飯と言わず遊びましょ」

「優子優しいね・・・ついでにもうひとつ
花ちゃんて呼んでくれない?敬語もなし!」

「うっ・・それはぁー(汗)」

「もう卒業するんだしいいじゃん」

「花さんがいいなら・・・」

「呼んでみて」

「花・・・・チャン・・・(汗)」

「うふふありがとう」

結局それ以来時間があわなくて食事に行けてなかった

メールのやり取りをたまにしてるだけ

一番最近送ったメールは『失恋しました』だった

理由も聞かず慰めの言葉もなく

『そっか』

とだけ返って来ただけだったけど
その三文字に救われた気がした


アルコールを少し飲み他の人達と少し打ち解けたところで
小嶋さんの携帯に着信が・・・聞かなくても分かるきっと・・・

画面を見た小嶋さんは、ハァーとため息をつき
監督さんに断り外へ出て行こうとしたら

「なんだ、彼氏か?」

彼氏じゃないよ・・・彼女だよって心の中で呟く

それから酎ハイをハイペースで飲み
帰るころには結構酔っていて足がふらついた

「優子大丈夫?」

「すいません(汗)」

支えてくれてるのは花ちゃんで小嶋さんは友達と話してる

寮に着くと小嶋さんは友達の部屋でもう少し話してくるからと言って
三階へ上がっていった

私は花ちゃんの部屋へ行く事に

部屋の中に入ると我慢していたものが一気に解放され
涙が止まらなくなる

私を抱きしめてずっと頭を撫でてくれてる花ちゃん

「花にしときなよ」

「うう・・・ごめんなさい・・・」

「そんなに好きなら奪っちゃえばいいじゃん」

「そんなの無理だもん・・・
佐江は心友だし二人は両想いだから・・・」

「ずっと泣いて過ごすの?」

「ううん・・・諦められないし見てると苦しくなるから
栃木に帰ろうかと思ってる」

「ソフト辞めるの?」

「うん・・・2人から離れる」

「栃木かー・・・また遠くなっちゃうじゃん」

「会いに来てね」

「行ってもいいの?」

「花ちゃんならいい」

「ああー・・・もう、花にしときなって!」

「ごめんなさい・・・・(涙)」

抱きしめられてるのが気持ちよくていつの間にか眠っていた



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