「初めまして」


今まで行ったことが無い高級料亭の一室

案内された部屋の障子の向こうで座っていたのは

とても綺麗な女性・・・女性?

まさか奥さんがいて修羅場になるっていうドラマのワンシーン?

「は、初めまして、アハッ(汗)」

中に入って行こうとするママの腕を取
障子に隠れて小さな声で

「本人はどこなの?これってやばい状況なんじゃないの(汗)」

「何言ってるの?目の前にいるじゃない
何がやばいの?」

そう言って中へ入って行きその女性の隣に座ると

「優子も早く座りなさい」

言われるまま空いてる席へ着く

「瞳ちゃんはね総合病院の院長をしてるのよ」

ひとみ・・・・ちゃん?

「院長だなんて大げさよ、親の残してくれた病院を
継いだだけだから」

「陽菜ちゃんは?」

「ごめんなさいね、絶対に来るように言っといたのに
急患が入ったとかでこれなくなったのよ」

「仕方ないわよドクターなんだから

優子のお姉さんになる陽菜ちゃんは小児科の先生なのよ」

なんか話が見えないんですけど・・・

難しい顔をしてる私に気づいたひとみさんという女性が

「めーたん、もしかして私の事ちゃんと話してないの?」

「ごめんなさい、直接会った方がわかってくれると思って
先入観とか無い方が受け入れやすいでしょ?」

いやいや頭の中で整理するのに必死なんですけど(汗)
もしかしたら女装好きな美形男子とか?

「えーと、ひとみさんて女の人・・・ですか?」

「当たり前じゃないの、
こんなに綺麗な男がいるなら会ってみたいわ(怒)」

「会わせたいって言ったのはお友達としてって事?
じゃないよね(汗)」

「・・・・私達真剣なの、まだ日本では籍を入れれないけど
ずっと一緒に暮らして添い遂げたいと思ってるのよ」

「えーと・・・じゃー二人は付きあってるの?」

「さっきからそう言ってるでしょ
優子って頭いいのにそんな事も分からないの(怒)」

「めーたん!優子ちゃんは戸惑ってるのよ
まだ若いんだし私達の関係を理解できないのは仕方ないわ」

「わかりますよ、私も男女関係なく人を好きだし」

「じゃー問題ないわね♪」


私が反対しようがしまいが一緒に住むのは決定事項だったみたいで
引っ越しの準備や教会での式の準備を
楽しそうにしているママを見て

ママが幸せなら応援してあげなきゃって思った

だから瞳さんともお姉ちゃんの陽菜さんとも
仲良くしようと思ったのに・・・