あれから一週間

普通の生活に戻りお母さんのお弁当を学校に持って行く毎日

その間お姉ちゃんと顔を合わせたのは
みんなで夕食を食べた一回だけ・・・

ママとは相変わらず笑顔で話してる
なのに私の事は見ようともせず・・・
嫌われてる上にあんな失敗しちゃったんだからもう無理かな・・・


事件はそれから1週間後に起きた


「新婚旅行!?」

「そうなのよ、私はいいって言ったのに瞳ったら
結婚式の次は新婚旅行でしょって言ってくれて」

いつの間にか瞳呼びになってる・・・

「どこへ何泊行くの?」

これは死活問題だ(汗)

「二人とも若くないでしょ、長時間のフライトは疲れるから
シンガポールくらいがいいわねってなって」

アメリカやヨーロッパよりはまだ近いよね(汗)

「それでね、あの有名な”マリーナベイサンズ”に
二泊も泊まるのよ♪」

「うそー!あそこなかなか取れないし高いんだよ(汗)」

「いつも美味しいご飯を作ってくれてる御礼よ、て言ってくれて」

凄く嬉しそうなママ・・・二泊って事は三日か四日だよね?
それくらいなら何とか過ごせそう

「良かったね、楽しんできて(´-∀-)」

「ありがとう、ただねあなたの事が心配なの
陽菜ちゃんは夜勤とかあるでしょ」

「3・4日なら大丈夫だよ(´-∀-)」

「誰が3・4日って言ったの?」

「え?違うの(汗)」

「カジノにも行きたいわねってなって
10日間は帰って来ないわよ」

マジですか・・・(汗)でも

「私もう高校3年生だよ心配しないで」

「そうよね、ご飯も自分で作れるし大丈夫よね?」

一人はいいの
一人の時は少し怖いのを我慢すればいいだけなんだけど
お姉ちゃんが帰ってきたらと思うと気が重い

まあ、ほとんど帰って来ないだろうけど・・・
私の事が嫌いなんだからさ

2日後大きなスーツケースをトランクに積み込み
お土産期待しててね!と手を振る二人を一人で見送った

「さーてバイト行くかな」

なんだかすこし体がだるいけど行かなきゃ

「お疲れ様でしたー・・・」

ふー・・・やばいなんかダルさが増してる風邪かな(汗)
今日は早く寝よ

真っ暗な家へ帰るのヤダなー・・・
無駄に広いんだよなー四人しか住んでないのにさ

玄関のかぎを開けすぐ明かりをつけてから鍵を閉める

お風呂どうしようかな・・・なんか熱っぽいし明日朝入ろ

歯と顔だけ洗い自分の部屋へ上がる
一応階段と廊下の電気は点けたままで・・・
だって怖いんだもん(汗)

パジャマに着替えベットに潜り込んだ



・・・・・・・・・・・・カチャ・・

・・・・ゴトン・・・

「・・・・・」

シーン・・・・

今なんか音がしなかった?
泥棒だったらどうしよ・・・
でも歩いてる音とか階段上る音はしてこない

何か棒のようなもの・・・
部屋を探すけどテレビでよく見るバットなんてあるわけがない
机の上にあった30p物差しを持ち廊下に出て音を聞く

・・・・・・なんか聞こえるような聞こえないような・・
階段の縁から下を見下ろすと誰かが玄関で・・・倒れてる?

ゆっくり近づいて行くと・・・「お姉ちゃん?」

死んでない…よね(汗)

物差しで少し突いてみると

「ウーン・・・」

良かった・・・寝てるんだ

靴を片方脱いだところで力尽きてしまったんだろう

「こんな所で寝たら風邪ひくよ」

「んん・・・・」

「ほら立って」

自分より大きなお姉ちゃんの腕を取り
起こそうとしたら軽くてびっくりした

寝ぼけながらも立ち上がったから肩を貸してあげて
部屋の前まで連れて行ってドアを開けようとした瞬間

「あれ?・・・・・」

めまいがして一気に体の力が抜け頭が真っ白になった