陽菜


ベットが揺れたような気がして顔をあげると
大きな目と目が会いその目は落ち着きなく動いていた

「気分どう?」

少しだるいかなと戸惑いながら答えてるけど
大人になって感染する風疹は結構つらいはず

もう一度首筋に手をやり温度を見ると
ん、さっきと変わらないくらいかも
薬も飲んでないし良くなるはずがないんだけどね


ふと周りの変化に気がつく・・・

嘘でしょ、朝になってるじゃん(汗)
陽菜あのまま寝ちゃってたんだ・・・

とりあえず持ってきてあったスポーツドリンクで水分補給をさせていると

「学校(汗)」

時計を見たのか焦って起きようとするから

「一週間登校禁止」

不思議な顔をするから風疹にかかっていることを伝えると
涙を浮かべて自分のことを情けないとか言ってる、だから
そんなことないよって言う意味を込めて頭を撫でてあげた

「薬もらってきてあげるから寝てて」

そう言うとコクンと頷き上体を倒したから
布団をかけてあげると
腕で目を覆い声を震わせながら

ごめんねって・・・嫌われても仕方ないよね
こんな妹でごめんねって謝って来る優子

嫌ってなんかない、それに妹と思ってない・・・・
陽菜こそゴメンねって謝りたかった


唇を噛み締め泣くのを必死にこらえてる優子を見ていると我慢できなくて・・・

頬にそっと触れたらビクって肩を震わせ唇の噛む力がゆるむ

目の前の薄い唇に陽菜の厚い唇を合わせてしまった

外された腕の下から大きく見開いた目と陽菜の目が合う

ほんの1秒くらいだったと思う

でも陽菜の心臓はすごい速さで脈を打った
キスだけなのに・・・・

音がバレないようにすぐに距離を取る

良い言い訳が思いつかず

「キスする時は目を閉じるもんなんだよ」

そう言って振り返り部屋を出た


どうしよう・・・ついしちゃった・・・嫌われたかな(汗)



病院へ着き処方箋を書いていると

「あれ?にゃろなんでいるの今日遅番でしょ」

「あ、うん・・・ちょっと用事があって」

「それ処方箋だよね、妹ちゃんに何かあったの?」

麻里子にはあまり話したくなかったけど仕方ない

「風疹になったみたいなの」

「この前の事件か(*`ω´)」

「うん・・・あ、コンビニ弁当で美味しいとこ知ってる?」

「妹ちゃんに?」

「うん」

「熱あるんだったら雑炊かおかゆがいいと思うけどね
それかうどん(*`ω´)」

「あの子たちが来てお手伝いさんいなくなったから・・・」

「ニャロが作ってあげればいいんじゃない?」

「・・・・・・・(бвб)」

「まさか作れないとか言わないでよ」

「・・・・・・・(бвб)」

「嘘でしょ(汗)」

「だって小さい頃からお手伝いさんいたし
お手伝いさんが休みの日は食べに行ってたし・・・」

「はぁ・・・篠田もうすぐ上がりだから作りに行ってあげようか?」

「いい!!」

「即答とか傷つくなぁー」

「麻里ちゃん上がりまでまだ1時間ほどあるでしょ
すぐ食べさせて薬飲ませたいから」

「だったらコンビニでもチンすれば食べれるおかゆさん売ってるよ」

「わかった、ありがとう」


医局へ行き薬をもらい近くのコンビニへ


「むぅ・・・沢山あり過ぎてどれがいいのかわかんないし」

とりあえず全種類買って家へ戻ってきた




麻里子は4つ上の内科医
学生時代陽菜の勉強を見てくれていた

ファッションの趣味や話もあい仲良くなって行くうちに・・・・

どっちともイケるらしく陽菜の初めては麻里子に奪われた
それでも面白いし好きだった
プレイガールな彼女には
何人もの彼かのがいたけど結婚するわけじゃないし
気にせず付き合ってたんだけど

別れる理由で極めつけだったのはロリコン趣味

関係ないのに小児科病棟によく遊びに来るから速攻別れた

何故か憎めないから今でも友達としては続いている

だから優子には絶対に合わせたくなかったのに
陽菜の部屋に出入りする優子を見つけたらしく

誰なのかとしつこく聞いてくるから妹だと言うとニヤニヤしてたっけ

だから家に招くなんてぜーたいにありえない

男に取られるならまだしも麻里子にだけは取られたくないもん(怒)



家に着いて買ってきた袋を一つだけ選びレンジに入れ

ここかな・・・・・

あちこち押していたら動いたから
そのまま見ていると大きな音を出し、中で袋が爆発した