「夏休みの間くらい住まわしてあげなよ」

「他人と住むなんて無理」

「毎日バイトしてるみたいだし
ここに住みたいって事は施設にいたくないって事でしょ
もしかしていじめられてたりして」

「いじめられてたらあんなに明るくないでしょ」

「偽ってるのかもよ、それか性的虐待されてるとか」

「漫画の読み過ぎだし」

「たまにニュースになってるじゃん」

「ニュース見ないからわかんない」

「人助けだと思って住まわせてあげなよ」

「・・・・・・もう少し様子見てみないと決めれない」

「こーんな綺麗な部屋久しぶりに見たよ
これで料理も完璧なら雇うしかないでしょ」

「だから見てみないとわかんない!」

「まあ、基本人との付き合いが苦手なニャロだから
他人と住むなんて到底無理だとは思うけど
夏休みって言ったら一か月半ほどなんだからさ」

「・・・・・・もうその話はおしまい」

「はいはい、ところで人事課の小林君とはどうなの」

「誰それ」

「この前告白されて付き合う事にしたって言ってたでしょ」

「あぁ・・・・一度ご飯食べに行って別れた」

「・・・はい?」

「だって食べ方汚いんだもん
あんな人とこれから食事へ行くなんて無理」

「あんたは一生結婚できないわ」

「そんなのわかんないでしょ」

「それか大金持ちでお手伝いさんがいる家だね」

「それなら少し位は目をつむる」

ピンポーン

マンション入り口の呼び出し音が鳴ったから開けてあげると
あっという間に部屋の前のチャイムが鳴った

「はや(*`ω´) 」


そう言って鍵を開けに行く麻里ちゃん

「ただいま戻りました(-∀-`) 」


礼儀正しすぎ

「もう時間も無いので簡単にできる料理にしました」

そう言って台所に立ち

「鍋とフライパン使いまーす
あ、調味料もなさそうだったので小さいのを買ってきました
で、お釣りがこれだけです」

そう言って陽菜の前のテーブルの上にレシートとお金を置き
またキッチンへ戻って行く

「もう十時だし篠田もそろそろ帰ろうかな」

「最後まで見届けてよ」

二人にされるのは辛い

「なになに篠田ともう少し一緒に居たいの(*`ω´) 」

「どうせ暇でしょ」

「素直じゃないね(笑)」

「麻里ちゃんがひき込んだんだから
最後まで面倒見てよね」

「そうでした(笑)」


二人が帰るまでお風呂にも入れないし
テレビでしか時間潰せないから
溜まっていたドラマを見る事に

「篠田これ見たのに」

「復習としてみればいいでしょ」

「ドラマに復習はいりません」


そう言いながらも点けてたら見てるじゃん(笑)

CMはスキップして話も終盤に入ろうとした時

「出来ました(-∀-`) 」

一時停止にして二人でキッチンへ

「少なくない?」

「タッパがなくて冷凍できないので
土日の分だけです、ご飯は自分で焚いてくださいね」

「味見してもいい?(*`ω´) 」

「どうぞ」

「・・・・ん!美味しい
篠田の次に美味しい」

「アハッ(-∀-`) ありがとうございます」


確かに美味しい・・・

「どうニャロ」

「普通(бвб) 」

「良かった(汗)まずいって言われたらどうしようかって思ってました」

これでまずかったら陽菜の作る料理はどうなるの?


「合格でいいんじゃない(*`ω´) 」

「とりあえずまた連絡するから携帯番号かアドレス教えて」

「私ガラケイなのでメールでいいですか」

そう言って紙に書いていく女の子

「交換しないの?」

「まだ信用してないから交換はしない」

「いいんです、コンビニで毎日見れますから」


そうだったコンビニでバイトしてるんじゃん
ん?ちょっと待ってつじつまが合わないんだけど


「じゃー今日はこれで失礼します」

「あ、篠田も帰るから途中まで一緒に帰ろう」

「麻里ちゃんまだ話終わってないから待って」

「さようなら」


自分の荷物を持ち部屋から出て行った


「もう、一緒に帰ろうと思ったのにぃー
もしかして篠田に泊って欲しいとか♪」

「そんなわけないでしょ
ねえ、話聞いてて変だと思わないの」

「ん?どこが」

「コンビニでバイトしてて朝と夜陽菜の買い物を見てるんだよね」

「そう言ってたね」

「高校三年生なんだよね」

「そうも言ってたね」

「学校はいつ行ってるの」

「あぁ・・・・朝バイト入ってたら遅刻だ(笑)」

「笑い事じゃないし(怒)」

「あの近くなんじゃないの」

「オフィス街だよ、高校なんて無いじゃん」

「確かに・・・定時制とか?」

「定時制だと四年間でしょ」

「通信だと三年だけどね」

「なんか怪しすぎる」

「いい子に見えるけどね月曜日聞いてみたら」

「そうする」

いったい何が狙い何だろう
それを探るのも面白いかもしれない