「へぇ〜雇ってあげたんだ」

「うん」


日曜日、買い物へ行く前にランチを食べてる私達


「いっそのこと住まわせてあげなよ」

「それは無理、だって他人だもん」

「伴侶となる人も元は他人だよ」

「そうだけどまた違うじゃん」

「朝起きたら毎日朝食が出来てるし
夜は温かい夕飯が待ってるんだよ
こんな素晴らしい事ってなかなか経験できないよ」

「大島さんの回し者みたい(笑)」

「一か月でもそんな生活送ってみたいでしょ
好きになったのが篠田だったらよかったのにぃ」


そう言われたらそうだけど・・・


昨日は起きたというメールを打ってから
20分でマンションまでやって来て
シーツやカバーを洗い布団も干していったん帰り
三時頃にまたやって来て布団を取り入れ
カバーをかけて帰って行った

バイト代は1時間千円だけど
短い時間でほとんど終わっちゃうから
お金儲けにはならないと思う

二週間目の金曜日
肌の調子が全然違うと同僚に言われた

多分大島さんが作ってくれる料理を食べてるからだと思う
栄養も偏らないように作ってるから
残さず食べて下さいって言われてるし・・・

麻里ちゃんとランチを食べ出でたら
学生服姿の子が沢山歩いていた

「今日が終業式だからか(*`ω´)」

なるほど
という事は大島さんも明日から夏休みなんだ
他は何のバイトをしてるんだろう
これからは毎日入るのかな・・・・

「遊べるのは学生の間だけだもんなぁー
社会人になったら祝祭日も関係ないときあるもんね」

「帰るのも遅くなるし連休を取るのにも一苦労(бвб) 」

「ゆっぴーも遊んでるのかな」

「どうなんだろ、
一人暮らしするためのお金稼いでるって言ってたから
バイト三昧なんじゃない?」

「そう言えば住まわせてくれたらお金いらないって言ってなかった?」

「あぁ・・・・言ってたかも」

「ニャロの世話しながらバイトは大変なのに
それでも施設に居たくない理由ってなんだろう」

「聞いても答えないと思う」

「だよね」


日曜日、あいにくの雨

「こんにちは(-∀-`) 」

「いらっしゃい・・・どうしたの、風邪?」

マスクをして入って来たから聞いてみただけなのに

「風邪じゃないのでうつりませんから
安心してください」

「でも、顔色悪いよ」

「昨日寝るの遅かったので寝不足です

今日は布団干せないし掃除と料理だけ作って帰りますね
お邪魔します」

誤魔化すかのように早口でしゃべり
キッチンへ向かう大島さん
そこからはいつものように手際よく
掃除と料理を1時間で終わらせ帰ろうとするから

「さっきより雨がきつくなってるから
用事がないならもうすこしいたら?」

いつもなら嬉しそうに戻って来るのに

「ありがとうございます
この後用事があるので帰ります
また水曜日に来ますね」

そう言って足早に帰って行った


なんかへん

一瞬そう思ったけど
他人の事だし陽菜には関係ないからすぐ忘れてしまってた


水曜日

(今日残業になったから帰るの9時過ぎちゃうかも)

《会社出る時連絡してください》


仕事が終わったのが

「やばっ、10時過ぎてるじゃん」


確か11時半に帰らないとっていってたよね


(今終わったんだけど時間的に無理そうだから今日はキャンセルね)

《わかりました、明日行きますね》


今日来るはずだったから夕飯が無い

久しぶりに買ったコンビニのお弁当

「・・・・・美味しくない・・・」


最近のコンビニ弁当は本当に美味しくなったよね!

と、前まで同僚と話してたのに
大島さんの手料理を食べだしてから美味しく感じなくなった

「はぁ・・・」

ため息をついても美味しくなるわけはなく
結局半分だけ食べて残りは捨てた

次の日は上司から食事に誘われ
金曜日も残業で遅くなり

土曜の朝は夜に買っておいた菓子パンとコーヒーを飲んでる


・・・・・・夏休みの間だけなら・・・

土曜日ってバイトしてるのかな・・・
とりあえずメールを打ってみる

(今日ずっといるから)


・・・・なんか恋人に打ってるみたいじゃん(汗)
慌てて取り消そうと思ったら返信が

《お昼前に買い物して行きます♪》

Happyスタンプまで送って来て笑いそうになった

11時過ぎにやって来た大島さん


「早すぎだし(笑)」

「アハッ(-∀-`) 久しぶりだからいてもたってもいられなくて」

部屋を見渡すと

「一週間ぶりなのに散らかってないですね」

「夜遅いし朝早いから散らかす間がない(бвб) 」

「なるほど(笑)」

無邪気に笑う大島さん
なんかホッとする

「料理のストック無かったでしょ?
今日水曜日分まで作っていきますね」

「お昼(бвб) 」

「ちゃーんと買ってきてますよ(-∀-`) 」

「この時間だったら大島さんも食べてないでしょ」

「私は帰ってから食べます」

「二度手間になるんだから一緒に食べよ」

「いいんですか?」

「それと・・・・」

「ん?」

「毎日温かいご飯が食べたい(бвб)」

「え、チンせずに食べてるんですか(汗)」


違う!そういう意味じゃないのに


「また、ストックが無くなったら困るから」

「多めに作っておいた方がいいですか?」

「だから!もう、分かってよ」


普段何でも気が付く癖になんでこう言う事に鈍いのかな


「もしかして・・・」

「そう、そのもしかして(бвб)」

やっとわかってくれた♪


「私の料理美味しくないですか?
温かい弁当の方がいいって事ですか(汗)」


「・・・・・・明日からここに住んでいいから!」


「・・・・・・・・・うそ」

「夏休みの間だけだからね(汗)」

「・・・・嬉しい(。-∀-)」

「でも、もし何か無くなったり変な事したら
すぐ追い出すから」

「そんな事神に誓ってしません!」


それからいろんな決め事を決めた

〇寝るのはリビングで
〇朝晩のご飯を作る
〇掃除は平日にする
〇無断外泊はしない
〇他人を部屋に入れない

「とりあえずこんな所かな
布団ないんだけどどうしようか」

「夏なのでソファーを貸してもらえるなら
後タオルケットだけで十分です」

「それだったらあるから使って」

「着替え数枚持ってきたいんですけど
どこに置いたらいいですか」

「脱衣所の棚一段空けるから
そこにおける分だけね」

「十分です(-∀-`)
明日からよろしくお願いします」


そう言うとスキップする勢いで帰って行った