いつのまにか 10

「おはようございます」
「行ってらっしゃい」
「お帰りなさい」

一人暮らしではありえなかった言葉
と毎朝毎晩何もしなくても出て来る温かい食事

何もしなくても綺麗な洋服と綺麗な部屋

お風呂だって洗わなくてもいい


「陽菜結婚できないかも」

「なになにまた男にフラれたの(*`ω´) 」

「はぁ?付き合ってないし(怒)」

「じゃー何でそう思うの」

「炊事洗濯あんなに完璧に出来ないし
自分以外の人の世話なんて絶対に出来ないと思う」

「あんなにってゆっぴーの事?」

「優子の他に誰が居るの」

「優子?・・・ニャロこの前まで大島さんって言ってなかった?」

「あっ・・・・(бвб) 」

「もしかして今一緒に住んでるとか(*`ω´) 」

「・・・・・(бвб) 」

「ちょっと、何で言ってくれなかったの
毎日でも遊びに行ったのに」


だから言わなかったの!とは言わない


「今日行っていい?(*`ω´) 」

「今日はダーメ」

「何でよー」

「優子が施設に帰らないといけない日だから居ないよ」

「いつから住んでるの」

「8月上旬」

「えぇ〜もう10日以上たってるじゃん」

「今日が14日だからそうだね」

「あと半月しかないでしょ
明日絶対に行くから」

「わかった優子に言っておく」

「なんで優子って呼ぶようになったの」

「年下だしさん付けはおかしいって言われた」

「そうだけど、ニャロが篠田以外を呼び捨てとか珍しいから」

「優子って呼んで欲しいって本人が言うからだし」

「で、ニャロの事はなんて呼ばせてるの(*`ω´) 」

「さぁ?」

「さあ?て、もしかしてご主人様とか(*`ω´)」

「そんなわけ無いでしょ」

「だーね、まあ行けばわかるか」


夏休み中ずっといるのかと思ったら
時々施設に戻っていき泊まって朝早く帰ってきて朝ごはんを作ってくれる

朝帰ってこなくていいよって言っても
約束だからって必ず

今日は朝、一緒に部屋を出て夜帰ってこないから
夕飯はチンして食べる


(明日の夜麻里子がご飯食べに来るからよろしく)


朝会うけど言うのを忘れそうだからメールを送っておいた

昼休み携帯を見ると

「あれ?」

「どうかした」

「返事来てない」

「電源切れたとか」

「そうなのかな・・・・」

「それかバイト中でまだ見れてないとか」

「いつもはすぐくれるんだけど・・・・」

「携帯をすぐ見れるバイトって何してるの?」

「説明されたけど難しい単語ばっかり出てきてわかんない」

「なにそれ(笑)」

「専門的な事をするバイトみたい」

「ふーん・・・・明日篠田がちゃんと聞いてあげる」

「やめてよ、疑ってるみたいじゃん」

「初めに怪しいって言ったのニャロだよ」

「今はもういいの!」


あんないい子に今まで会った事ない
これからもずっと友達でいたいって思った初めての人間だから
変な雰囲気になりたくないっていうのが本音


「ただいま」

いないのは分かっていてももう癖になってるんだから仕方がない


真っ暗な部屋の明かりをつけバックをソファーにポンと投げて着替えに行く


(バックはここに置いてください)


いつもならそう言いながら優子が片付けてくれるんだけど
いないんだから優子が悪い


冷蔵庫から出したお皿をそのままレンジへ

ご飯を入れお箸をテーブルに持っていくとちょうど出来上がっあ

「いただきます」

誰もいないけど声に出して言ってみる

「うっ、まだちゃんと温まってないじゃん・・・はぁ・・・」

もう一度立つのは面倒だからそのまま食べることにした


「うんっ(汗)優子お茶・・・」

・・・・・・・いないんだった

2週間前まではなんとも思わなかった一人暮らし
今は・・・・・・なんか物足りない

「今日は早くねよ」


洗ってあるお風呂にお湯を張り
その間に洗い物をしていつもより早く寝た


いつのまにか 9

「へぇ〜雇ってあげたんだ」

「うん」


日曜日、買い物へ行く前にランチを食べてる私達


「いっそのこと住まわせてあげなよ」

「それは無理、だって他人だもん」

「伴侶となる人も元は他人だよ」

「そうだけどまた違うじゃん」

「朝起きたら毎日朝食が出来てるし
夜は温かい夕飯が待ってるんだよ
こんな素晴らしい事ってなかなか経験できないよ」

「大島さんの回し者みたい(笑)」

「一か月でもそんな生活送ってみたいでしょ
好きになったのが篠田だったらよかったのにぃ」


そう言われたらそうだけど・・・


昨日は起きたというメールを打ってから
20分でマンションまでやって来て
シーツやカバーを洗い布団も干していったん帰り
三時頃にまたやって来て布団を取り入れ
カバーをかけて帰って行った

バイト代は1時間千円だけど
短い時間でほとんど終わっちゃうから
お金儲けにはならないと思う

二週間目の金曜日
肌の調子が全然違うと同僚に言われた

多分大島さんが作ってくれる料理を食べてるからだと思う
栄養も偏らないように作ってるから
残さず食べて下さいって言われてるし・・・

麻里ちゃんとランチを食べ出でたら
学生服姿の子が沢山歩いていた

「今日が終業式だからか(*`ω´)」

なるほど
という事は大島さんも明日から夏休みなんだ
他は何のバイトをしてるんだろう
これからは毎日入るのかな・・・・

「遊べるのは学生の間だけだもんなぁー
社会人になったら祝祭日も関係ないときあるもんね」

「帰るのも遅くなるし連休を取るのにも一苦労(бвб) 」

「ゆっぴーも遊んでるのかな」

「どうなんだろ、
一人暮らしするためのお金稼いでるって言ってたから
バイト三昧なんじゃない?」

「そう言えば住まわせてくれたらお金いらないって言ってなかった?」

「あぁ・・・・言ってたかも」

「ニャロの世話しながらバイトは大変なのに
それでも施設に居たくない理由ってなんだろう」

「聞いても答えないと思う」

「だよね」


日曜日、あいにくの雨

「こんにちは(-∀-`) 」

「いらっしゃい・・・どうしたの、風邪?」

マスクをして入って来たから聞いてみただけなのに

「風邪じゃないのでうつりませんから
安心してください」

「でも、顔色悪いよ」

「昨日寝るの遅かったので寝不足です

今日は布団干せないし掃除と料理だけ作って帰りますね
お邪魔します」

誤魔化すかのように早口でしゃべり
キッチンへ向かう大島さん
そこからはいつものように手際よく
掃除と料理を1時間で終わらせ帰ろうとするから

「さっきより雨がきつくなってるから
用事がないならもうすこしいたら?」

いつもなら嬉しそうに戻って来るのに

「ありがとうございます
この後用事があるので帰ります
また水曜日に来ますね」

そう言って足早に帰って行った


なんかへん

一瞬そう思ったけど
他人の事だし陽菜には関係ないからすぐ忘れてしまってた


水曜日

(今日残業になったから帰るの9時過ぎちゃうかも)

《会社出る時連絡してください》


仕事が終わったのが

「やばっ、10時過ぎてるじゃん」


確か11時半に帰らないとっていってたよね


(今終わったんだけど時間的に無理そうだから今日はキャンセルね)

《わかりました、明日行きますね》


今日来るはずだったから夕飯が無い

久しぶりに買ったコンビニのお弁当

「・・・・・美味しくない・・・」


最近のコンビニ弁当は本当に美味しくなったよね!

と、前まで同僚と話してたのに
大島さんの手料理を食べだしてから美味しく感じなくなった

「はぁ・・・」

ため息をついても美味しくなるわけはなく
結局半分だけ食べて残りは捨てた

次の日は上司から食事に誘われ
金曜日も残業で遅くなり

土曜の朝は夜に買っておいた菓子パンとコーヒーを飲んでる


・・・・・・夏休みの間だけなら・・・

土曜日ってバイトしてるのかな・・・
とりあえずメールを打ってみる

(今日ずっといるから)


・・・・なんか恋人に打ってるみたいじゃん(汗)
慌てて取り消そうと思ったら返信が

《お昼前に買い物して行きます♪》

Happyスタンプまで送って来て笑いそうになった

11時過ぎにやって来た大島さん


「早すぎだし(笑)」

「アハッ(-∀-`) 久しぶりだからいてもたってもいられなくて」

部屋を見渡すと

「一週間ぶりなのに散らかってないですね」

「夜遅いし朝早いから散らかす間がない(бвб) 」

「なるほど(笑)」

無邪気に笑う大島さん
なんかホッとする

「料理のストック無かったでしょ?
今日水曜日分まで作っていきますね」

「お昼(бвб) 」

「ちゃーんと買ってきてますよ(-∀-`) 」

「この時間だったら大島さんも食べてないでしょ」

「私は帰ってから食べます」

「二度手間になるんだから一緒に食べよ」

「いいんですか?」

「それと・・・・」

「ん?」

「毎日温かいご飯が食べたい(бвб)」

「え、チンせずに食べてるんですか(汗)」


違う!そういう意味じゃないのに


「また、ストックが無くなったら困るから」

「多めに作っておいた方がいいですか?」

「だから!もう、分かってよ」


普段何でも気が付く癖になんでこう言う事に鈍いのかな


「もしかして・・・」

「そう、そのもしかして(бвб)」

やっとわかってくれた♪


「私の料理美味しくないですか?
温かい弁当の方がいいって事ですか(汗)」


「・・・・・・明日からここに住んでいいから!」


「・・・・・・・・・うそ」

「夏休みの間だけだからね(汗)」

「・・・・嬉しい(。-∀-)」

「でも、もし何か無くなったり変な事したら
すぐ追い出すから」

「そんな事神に誓ってしません!」


それからいろんな決め事を決めた

〇寝るのはリビングで
〇朝晩のご飯を作る
〇掃除は平日にする
〇無断外泊はしない
〇他人を部屋に入れない

「とりあえずこんな所かな
布団ないんだけどどうしようか」

「夏なのでソファーを貸してもらえるなら
後タオルケットだけで十分です」

「それだったらあるから使って」

「着替え数枚持ってきたいんですけど
どこに置いたらいいですか」

「脱衣所の棚一段空けるから
そこにおける分だけね」

「十分です(-∀-`)
明日からよろしくお願いします」


そう言うとスキップする勢いで帰って行った



いつのまにか 8

それから何もないままの金曜日
マンションに入ろうとしたら


「こんばんは」

「・・・・・・あなた何者なの」

「大島優子です(-∀-`) 」

「その名前もどうだか・・・・
コンビニでバイトしてるの嘘だったじゃん」

「あぁ・・・あそこは6月いっぱいでやめたんですよ」

「でも店員さんが大島なんていないって」

「新しい子だったんじゃないですか?」

そう言われたら何も言い返せない

「で、どうですか雇ってもらえますか?」

「・・・・・怪しすぎて無理」

「わかりました
でも最後にご飯作らせてください」

「今日は麻里ちゃんいないから無理」

「せっかく買い物してきたのになぁ・・・・」

手に持っている袋を見ると
お肉や新鮮な野菜が見えて


「1時間で、出来る?」

つい言っちゃった(汗)

「アハッ(-∀-`) もちろんです」


一緒に部屋へ上がる


「・・・・・・・」

「なに、言いたい事があるんだったら言えば」

「遣り甲斐があるなーて(-∀-`)
先に掃除しちゃいますね」

そう言うとキッチンに袋を置き雑誌を片付け始めた

その間に陽菜は化粧を落とし部屋着に着替え
買ってきたお弁当をこっそり冷蔵庫に入れようとしたら


「あ、それも使って夕飯作りますから出しておいてください」


そんな事出来るの?
それより何個目があるの?陽菜の方見てないのに・・・

座ってテレビを見てるといい匂いがしてきて
チラチラキッチンを見ていると
楽しそうに料理をしてる大島さん

料理の何が楽しいんだろうか・・・
食べるのは好きだけど作るのは昔から苦手
だって調味料量ったりするの邪魔くさいじゃん

「出来ました(-∀-`) 」


そう言って綺麗になったテーブルの上に運んできた

「作った料理は買ってきたタッパに小分けにしていれて
冷凍しておくので
食べる時にチンして下さいね
今度は5日はもつと思うので」


タッパまで買ってきてくれたんだ・・・

「すいませんあと五分しかないので食べながら聞いてください
料理の説明しますので」

「・・・いい」

「え?」

「もう少しいてもいいから・・・」

「はい(-∀-`) 」

とびっきりの笑顔で返事するから一瞬キュンとしてしまった

「大島さんも食べれば」

「私はさっき食べたので気にしないでください
そうだ、もしよかったら
この間に寝室も片付けましょうか?」

食べてるのをじっと見られてるのも恥ずかしいから
お願いすることにした

食事も終わりかけた頃


「終わりました(-∀-`)
あ、それから明日晴れ予報ですからシーツ洗ったら
すぐ乾きますよ」

「シーツって洗うの?」

「・・・・洗った事無いんですか(汗)」

「うーん・・・汚れたら捨ててた」

「もしかして掛け布団のカバーとか枕カバーもですか」

「うん(бвб) 」

「シーツやカバー類は洗って布団はたまに干して上げて下さい」

「無理」

「病気になりますよ」

「体だけは丈夫だから大丈夫(бвб) 」

「(・・・・・ですね・・・)」

「え?なに」

小さすぎてなんて言ったのか聞こえなかった

「せめて月に一度はして下さい!」

「・・・・大島さんがしてくれたらいいでしょ」

「え!?それって・・・」

「夏休み中住まわせるのは無理だけど
バイト代払うから週に2回程度お願いする」

「喜んで!!何曜日がいいですか?
土曜か日曜は来るとして
水曜ぐらいですかね(-∀-`) 」

「それで他のバイトと折り合いがつくの?」

「陽菜さんに合わせるので大丈夫です」


で、毎週水曜日と日曜日に決めた

いつのまにか 7

次の日の朝・・・と言ってもお昼近くだけど
作ってくれていたサンドイッチを食べた

夕飯も冷蔵庫から出してレンジでチン

「うん、美味しい」

いつもならピザをとったり中華やさんの出前
もしくはお弁当やさんの弁当
たまーに自分で作るけど面倒だし美味しくないからつい・・・ね

これを毎日食べれるんだ・・・・

身元さえはっきりしてたらなぁー・・・


その夜もドラマや映画を見ていたから寝たのは朝方で
起きてブランチを食べてまたゴロゴロ

「ジム行こうかな」

一応ジムに通ってると言うかお金は払ってるけど
月一度か二度しか行かないからやめようかなとも思ってたところ

7月はまだ一度も行ってないから行かなきゃ勿体ない

重い腰を上げクローゼットを開くと自分の部屋とは思えない整い方

週2くらいで来て貰おうかな
ずっと監視してたら大丈夫だよね

うん、そうしよう
でもすぐに言うとまた麻里ちゃんに揶揄われるから
週中の水曜日かな


月曜の朝は洋服を探さなくていい分時間に余裕が持てて
残っていた最後のおかずを食べて出勤

「オッハー(*`ω´) 」

「おはよう・・・・なに?」

「いや〜月曜の朝なのにニャロが早いからさ」

「普通だし」

「で、コンビニにいた?」

「あ・・・・今朝は寄ってない
朝ごはん食べて来たから・・・」

「だから早いんだ(笑)」

「そうかも・・・」

帰りも上司に食事に誘われ断り切れなくてコンビニには行けなかった

まあ、毎日行ってたわけじゃないんだけど


火曜日いつものようにギリギリでコンビニに駆け込み
サンドイッチを取りレジへ

・・・・いないじゃん

毎日入ってるわけじゃないのかな

「お、いつもの光景(*`ω´)」

「うるさい(モグモグ)」

「ゆっぴー笑ってたでしょ」

「今日いなかった」

「そうなんだ・・・今日は夕方なのかな」


で、帰りに二人で寄ってみる


「いらっしゃいませ」

「・・・・・・いないね」

「うん、今日は休みなのかな」

「すみません大島さん今日はおやすみですか?」

「大島・・・・ですか?バイトで大島はいませんが」

「高校生なのにどう見ても中学生にしか見えない女の子で・・・
笑うと両頬にエクボが出来る子なんですけど?」

「高校生だと男子しかいませんし土日しか入ってませんよ」

「・・・・・」



「どういう事?」

「篠田に言われても(汗)」

二人で食事を食べながらさっきの話をしてる

「コンビニでバイトしてるって言ってたよね」

「違うコンビニかな」

「陽菜あそこしか行かないし」

「やっぱりストーカーだったのかな」

「どうしよう、部屋知られちゃったじゃん
麻里ちゃんのせいだからね」

「だとしてもあの子がどうこうしてくるとは思わないけどね」

もしかして宇宙人とか?

・・・・・なーんてあり得ないけど
じゃーどこで陽菜の事を見てるの?

いつのまにか 6

「夏休みの間くらい住まわしてあげなよ」

「他人と住むなんて無理」

「毎日バイトしてるみたいだし
ここに住みたいって事は施設にいたくないって事でしょ
もしかしていじめられてたりして」

「いじめられてたらあんなに明るくないでしょ」

「偽ってるのかもよ、それか性的虐待されてるとか」

「漫画の読み過ぎだし」

「たまにニュースになってるじゃん」

「ニュース見ないからわかんない」

「人助けだと思って住まわせてあげなよ」

「・・・・・・もう少し様子見てみないと決めれない」

「こーんな綺麗な部屋久しぶりに見たよ
これで料理も完璧なら雇うしかないでしょ」

「だから見てみないとわかんない!」

「まあ、基本人との付き合いが苦手なニャロだから
他人と住むなんて到底無理だとは思うけど
夏休みって言ったら一か月半ほどなんだからさ」

「・・・・・・もうその話はおしまい」

「はいはい、ところで人事課の小林君とはどうなの」

「誰それ」

「この前告白されて付き合う事にしたって言ってたでしょ」

「あぁ・・・・一度ご飯食べに行って別れた」

「・・・はい?」

「だって食べ方汚いんだもん
あんな人とこれから食事へ行くなんて無理」

「あんたは一生結婚できないわ」

「そんなのわかんないでしょ」

「それか大金持ちでお手伝いさんがいる家だね」

「それなら少し位は目をつむる」

ピンポーン

マンション入り口の呼び出し音が鳴ったから開けてあげると
あっという間に部屋の前のチャイムが鳴った

「はや(*`ω´) 」


そう言って鍵を開けに行く麻里ちゃん

「ただいま戻りました(-∀-`) 」


礼儀正しすぎ

「もう時間も無いので簡単にできる料理にしました」

そう言って台所に立ち

「鍋とフライパン使いまーす
あ、調味料もなさそうだったので小さいのを買ってきました
で、お釣りがこれだけです」

そう言って陽菜の前のテーブルの上にレシートとお金を置き
またキッチンへ戻って行く

「もう十時だし篠田もそろそろ帰ろうかな」

「最後まで見届けてよ」

二人にされるのは辛い

「なになに篠田ともう少し一緒に居たいの(*`ω´) 」

「どうせ暇でしょ」

「素直じゃないね(笑)」

「麻里ちゃんがひき込んだんだから
最後まで面倒見てよね」

「そうでした(笑)」


二人が帰るまでお風呂にも入れないし
テレビでしか時間潰せないから
溜まっていたドラマを見る事に

「篠田これ見たのに」

「復習としてみればいいでしょ」

「ドラマに復習はいりません」


そう言いながらも点けてたら見てるじゃん(笑)

CMはスキップして話も終盤に入ろうとした時

「出来ました(-∀-`) 」

一時停止にして二人でキッチンへ

「少なくない?」

「タッパがなくて冷凍できないので
土日の分だけです、ご飯は自分で焚いてくださいね」

「味見してもいい?(*`ω´) 」

「どうぞ」

「・・・・ん!美味しい
篠田の次に美味しい」

「アハッ(-∀-`) ありがとうございます」


確かに美味しい・・・

「どうニャロ」

「普通(бвб) 」

「良かった(汗)まずいって言われたらどうしようかって思ってました」

これでまずかったら陽菜の作る料理はどうなるの?


「合格でいいんじゃない(*`ω´) 」

「とりあえずまた連絡するから携帯番号かアドレス教えて」

「私ガラケイなのでメールでいいですか」

そう言って紙に書いていく女の子

「交換しないの?」

「まだ信用してないから交換はしない」

「いいんです、コンビニで毎日見れますから」


そうだったコンビニでバイトしてるんじゃん
ん?ちょっと待ってつじつまが合わないんだけど


「じゃー今日はこれで失礼します」

「あ、篠田も帰るから途中まで一緒に帰ろう」

「麻里ちゃんまだ話終わってないから待って」

「さようなら」


自分の荷物を持ち部屋から出て行った


「もう、一緒に帰ろうと思ったのにぃー
もしかして篠田に泊って欲しいとか♪」

「そんなわけないでしょ
ねえ、話聞いてて変だと思わないの」

「ん?どこが」

「コンビニでバイトしてて朝と夜陽菜の買い物を見てるんだよね」

「そう言ってたね」

「高校三年生なんだよね」

「そうも言ってたね」

「学校はいつ行ってるの」

「あぁ・・・・朝バイト入ってたら遅刻だ(笑)」

「笑い事じゃないし(怒)」

「あの近くなんじゃないの」

「オフィス街だよ、高校なんて無いじゃん」

「確かに・・・定時制とか?」

「定時制だと四年間でしょ」

「通信だと三年だけどね」

「なんか怪しすぎる」

「いい子に見えるけどね月曜日聞いてみたら」

「そうする」

いったい何が狙い何だろう
それを探るのも面白いかもしれない





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