「優子200m初めてだから楽しみだね」

「大学へ行ってからだからこれが初めての大会だって言ってました」

「本当だと緊張したんだろうけど
昨日はよく眠れてたんじゃない?」

「どうなんでしょう・・・陽菜のほうが先に寝ちゃったから」

「疲れ過ぎて?」

「・・・・・疲れることなんてしてません(汗)」


初め何を言ってるのかわからなかったけど
たかみなさんが真っ赤になったからすぐ理解した

「なーんだつまんない(∵)」


いつもいきなり言い出すから焦る


トラックを見るとスタートラインについていた

手に汗かいてきちゃった(汗)
落ち着いた優子先輩とは対象的に
陽菜が緊張しちゃってるし(笑)

スタートの合図で勢いよく飛び出したけど
流石にみんな早い
それに100と違い200はカーブがあるから・・・

「優子身長低いから外枠は損かもね」

「一緒やろ?」

「インの方が小回りききそうじゃん」

「確かに珠理奈はアウトのほうが走りやすいかも」

「でしょ」


得意げなあっちゃん


「本人納得してない顔だね
初めてで予選2位通過は立派だと思うのに」


2位でも準決勝へ進めるから次で頑張ってほしい


たぶん優子先輩とは帰りまでもう会えない
もしかしたら帰りも会えないかもしれない

だから次も勝って決勝を走ってる姿を見たい
そんな事を思ってたらLINEがきた


”次はトップで入って絶対に決勝へ行くから”


悔しそうな優子先輩が目に浮かぶ


”陽菜にメダルを下さい”


あえて金とは書かなかった
だって初めてで金なんてムリだと思ったから


なのに・・・・・・




(200mに新星現る!)



決勝が終わりまだ表彰式も始まってないのに
ネットニュースで大島優子の名前が広まった
女子での2冠はなかなかないらしい


「ほらね、優子はにゃんにゃんの一言で記録を伸ばしちゃうんだよ
珠理奈に出来る?」

「やってみないとわかりません・・・」

「そうだね、次の大会期待してる(∵)」


記録を出しちゃったから余計に会えなくなった
だって取材で引っ張りだこだったから


「またすぐ会えるよ」

「うん・・・・」


”おめでとう”
”もう時間だから帰ります、今日はゆっくり休んでくださいね”
”優ちゃん、大好き”


いつ読まれるかわからないLINEを送り駅へと歩き出した