優子先輩からLINEが来たのは家についてからで

”来てくれてありがとう、陽菜のおかげで金が取れました”
”こんど会った時にメダルあげるね”
”陽菜大好きだよ”


バスで来てるって言ってたから電話ができないんだと思う

仕方ないよね・・・・


「陽菜も大好きだよ、優ちゃん!」


二人で撮った写真に向かってそう呟く


それから高校の試合も忙しくなり
優子先輩の大会も近くで無くてなかなか会えない日々が続いた



「珠理奈頑張ってるよね」

「うん」

「よっぽどにゃんにゃんの事が好きなんじゃない」

「思われても困る・・・・・」

「だよね・・・で、優子とはどうなってるの」

「え、いつもと変わんないよ」

「そうかな・・・・にゃんにゃん最近元気無いじゃん」

「・・・・・・・・・・・」


何であっちゃんにはバレるんだろう


「優ちゃん練習が大変みたいで電話してる最中に寝ちゃうから
無理して電話しなくてもいいよって言ったら
ごめんねって言ってそれからおやすみとおはようのLINEしか来なくなったの」

「はぁ・・・・優子ってさ脳みそ筋肉で出来てるから
言葉を素直にそのまま受け取るじゃん」

「・・・・・・うん」


筋肉で出来てるかはわかんないけど


「恋愛に関しての駆け引きとか気を使ってるとかを
気づけないスポーツバカ」

「でも、陸上に集中してほしいから・・・・」

「でも寂しいんでしょ」

「うん・・・・・」

「爆発しないうちににゃんにゃんの方から電話しなよ」

「うん」


うんとは言ったけど陽菜から電話できるはずがなく


「小嶋さんーん、私また記録伸びましたよ♪」

「珠理ちゃんすごいね(бвб)」


松井さんから珠理ちゃんに昇格?
他の一年生もあだ名で呼ぶようになったんだけどね(笑)

甘えてくる珠理ちゃんが可愛くて
腕に絡みついてきても避けないようになっていた


「今日の帰りパンケーキ屋さんに行きましょうよ」


土曜日で3時に終わったしまだ早いからいっか


「他の子も誘ってよ(бвб)」

「はーい」

「あっちゃん、帰りパンケーキ屋さんへ行かない?」

「ごめんたかみなと約束してるからまた今度ね」

「そっか残念」



「みんな用事があるからって帰っちゃいました」


珠理ちゃんと二人か・・・・
でも良いよって言っちゃったし行くしかないよね


「わーい、小嶋さんとデート♪」

「こら、デートじゃないから(汗)」


一度行ってみたかったお店で
インスタ生えする盛り付けにテンションが上ってしまって
何枚も写真を撮ってパンケーキだけインスタに載せた

まさか珠理ちゃんが陽菜の写真を撮ってたなんて知らなかったから


その日の夜あっちゃんから珍しく電話がかかってきた


「今日珠理奈とふたりだけで行ったの?」

「うん、他の一年生は用事あるとかだめで
でも約束しちゃったから二人で行ったの、でも食べてすぐ帰ってきたよ」

「にゃんにゃんインスタに載せてたでしょ」

「パンケーキの写真だけね」

「珠理奈のインスタに幸せそうな顔をして食べてる陽菜が載ってて
ハッシュタグに大好きな先輩とデートて書いてあった」

「うそ・・・・・」

「さっき優子から電話が来て私も行ったのかって聞かれたから
行ってないって言ったらそっかって電話が切れた(∵)」

「どうしよう(汗)」

「電話したほうがいいよ」

「うん・・・・ありがとう」


気持ちを落ち着かせ電話のボタンを押した