まだ今日は帰ってこないよね?

昨日の残骸を片付けないまま
仕事に向かう


「あれ、今日も篠田先生休みなの」

「旅行に行くからお土産買ってくるねって
言われてましたよ」

「旅行?誰と?」

「さあ・・・・そこまでは聞いてませんね
そう言えば小嶋さんよく一緒に行ってたんじゃないんですか?」

「年に一度行くか行かないかで
よくは行ってない!」


まさか二人で行ったの?
嘘でしょ・・・・麻里ちゃんがそこまでハマるとか
信じられないんだけど


「今日飲みに行きません?」

「行く行く!ちょーど飲みたかったんだよね」


今日は救急担当
一日二件もあればいい方で
全くない日もあるのに
今日に限って


「何なの今日(怒)」

「お昼食べました?」

「食べる暇ないから野菜ジュースだけ飲んだ」


終わる頃にはクタクタで


「ごめん・・・・今日は帰る」


お弁当買って帰る気力も無くて
タクシーでマンションの前まで帰って来て
エレベーターのボタンを押す


「はぁ・・・・何か食べるものあったかな」


昨日の残りのお菓子?
そう言えば冷凍うどんがあったはず
優子買ってきてたよね

ダシとかあるかな・・・・


鍵を開けて中へ入ると電気がついていた


「消し忘れとか最悪じゃん・・・」


はぁ・・・と、ため息をついていると


「にゃんにゃんお帰り(´-∀-)」

「え・・・・・なんで」

「え、だめだった?(;´-∀-)」

「そんな事無いけどもう一泊してくるのかと思ったから」

「お母さんに小嶋さんは仕事してるんだから
ちゃんとご飯作って待っててあげなさい!
て言われたんだ」

「ごはん・・・あるの?」

「もしかして食べて来ちゃった?(;´-∀-)」

「ううん・・・お腹ぺこぺこだし
超疲れた」

「じゃーお風呂はお湯溜めた方がいいよね
ごはんすぐ用意するから着替えて待ってて」

「ありがとう・・・」

「アハッどういたしまして(-∀-`) 」


疲れてるからなのかな
こういう生活もいいかもって思っちゃった

だって男と結婚したら働かなくてもいいけど
家事は全部しないといけないでしょ?

優子だったら家事もしてくれるし
将来働くだろうし・・・・


「あれ?どうしたの」


バスルームから出てきた優子と目が合う


「今日は疲れたからボーとしてただけ」


ヒールを脱ぎ上にあがると


「お仕事ご苦労様でした(-∀-`) 」


看護師の仕事を始めて
他人にそんな事言われたのは初めてだ

どうしてこんなにも心地いいんだろう・・・



そう言えば将来優子は何がしたいの?
まだ高校生だから大学へも行くだろうし

もう、二週間ほど一緒に暮らしていたのに
優子の事何にも知らない・・・・

と言うか・・・

ちゃんと話した事もないかもしれない

それは多分心のどこかで拒否してたから

無理やり押し付けられて
子供が出来るかどうかの実験みたいなことを
させられている事への憤りだった


「いただきます」

「・・・・・・」

「なに」

「なんか今日はいつもと違うから嬉しい(-∀-`) 」


優子だっていつもと違う笑顔

作った笑顔じゃなくて・・・・


「可愛い(бвб) 」

「え!?」

「え?(бвб) 」


陽菜何言ったの(汗)


「ヤバい!にゃんにゃんに可愛いとか言われちゃった♪」

「お、おかずの盛り付けが可愛いって意味だし(汗)」

「え、いつもと同じだよ」

「なんか可愛く見えたの!」


そう言う事にしといてあげる
と言いながら口いっぱいに頬張って食べてる姿も
また可愛く見えて来た


陽菜おかしいのかな?