二人の恋人 6

四日目の朝

早く寝る優ちゃんに対し疲れてない陽菜は
布団に入ってからも携帯でゲームをしてるわけで・・・

必然的に寝るのが遅くなり朝も遅い

「・・・にゃん・・・・にゃんにゃん」

「ん?」

「もう八時だよ」

「んん…もう少し・・・」

「優子お腹すいた・・・」

「あと30分待ってね・・・」

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

「にゃんにゃん30分たったよ…起きる?」

重い瞼を必死にこじ開けると目の前には水着に着替え
目をキラキラさせた優ちゃんが

「あれ・・・散歩は?」

「海行って帰ってきてから行く(-∀-`) 」

昨日つまんないって言ってたのに子供って・・・
お昼は絶対に散歩に行こう
じゃないと・・・陽菜少し日焼けしてる気がするから・・・

食事をとりビーチに出て陽菜はいつものようにパラソルの下で椅子に座り
優ちゃんを見てるんだけど

「ふあぁぁ〜・・・・眠い・・・」

少しだけ・・・目をつむるだけ・・・

目をつむると意識は飛んじゃうわけで・・

いい気持ちで寝ていると

「ちゅっ・・・・チュッ、ちゅ・・・」

何かが顔に触れる感触で意識が戻ってきた

なんか・・・キスされてない?

「ヤダッ!!」

怖いから目をつむったまま手にあたたった体を突き飛ばす

「うわっ

「だ、誰 ・・・・」

ゆっくり目を開け見ると

「イテテテテ、急に突き飛ばすなんてひどいよ(汗)」

「ゆう・・・こ?」

「アハッおはよう(-∀-`) 」

「おはようじゃないし

「怒んないでよー眠り姫を起こしてたんだから

「バカ!普通に起こせ(怒)」

「いやーぷくっとした唇がさ
キスして〜て言ってるみたいでつい(デヘヘ)」

「変態(怒)」

「ありがとう(-∀-`) 」

「褒めてないし!もう・・・・(笑)」

2人で笑いあい

「お待たせ」

「遅い(怒)」

自然と近づく唇・・・・

「ゆうこちゃぁ〜ん(-∀-`) 」

大きな声を出しながら走ってくる優ちゃん

「夜までお預けだね」

「しらない(бвб)」

大きな声で優子を呼んでもここじゃばれることはないから安心

抱き付いた優ちゃんを抱き上げ

「うわっ、真っ黒だな(笑)もしかして毎日海に入ってたの?」

「うん!ずーとだよねにゃんにゃん(-∀-`) 」

「優子が来るの遅いから(怒)」

「アハッごめんごめんちょっと色々あってさ
調整とかしてたら遅くなっちゃった(汗)」

「仕事?」

「んー仕事とは違うかな・・・そうなるかもしれないけど・・・
それにチケット取るのにも手間取っちゃって

「チケット取ってたんじゃないの?」

「二人の分はすぐ取ったけど私はいつ行けるかわかんなかったし
それと・・・」

「それと?」

「・・・・あ、来た来たこっちでーす

ホテルの方を見ながら手を振る優子

え?あの人って・・・・

「初めまして蜷川です、こっちは私の息子ちゃん」

「初めまして小嶋陽菜と娘の優子です」

「小嶋優子です(-∀-`) 」

「わぁー本物の方が可愛い」

「エヘッ(-∀-`) 」

照れて優子の首元に顔をうずめる優ちゃん

「それに小嶋さんも本物の方が色気あるわね」

「そんなこと・・・・」

女性に言われるとなんか恥ずかしい

「これってどういうこと?」

優子に問いかけると蜷川さんが

「バカンスよ、そのついでにちょっと写真を撮っとこうかなってだけだから
気にしないで」

「優子?」

「詳しくは夜話すからさ、あ、お昼まだでしょ
みんなで食べに行こう、
その前に優は部屋に帰ってシャワー浴びようか」

「うん(´-∀-)」

「ミカさん30分後フロントでいいですか?」

「良いわよじゃー後でね」

部屋に戻ると優子の荷物が置いてあった

「メールしても返事来ないしさ
ベランダに出て外を見たらはしゃぐ優が見えて
ビーチに出たら寝てる陽菜を見つけてついしちゃった」

「外国だからいいけど・・・・」

「わかってる、遅くなってごめんね」

「そうだよ遅いよ、メールも返してくれないし・・・
でも来てくれただけでうれしい」

どちらかともなく近寄りキスをする

優ちゃんはまだシャワーを浴びてるから
数日の空白を埋めるようにゆっくりと
お互いの存在を確かめ合うように・・・

二人の恋人 5

次の日の午前中は持ってきたDVDを見せ陽菜はうっくり

午後からはホテルにあるプールへ行くことに

「水着昨日と違う

「麻里ちゃんが作ってくれたんだよ」

「にゃんにゃんとお揃いだ(-∀-`) 」

「優子と三人お揃いなの」

「・・・・・・」

「ん?どうかした?」

「なんでもない!泳いでくるね(-∀-`) 」

一瞬眉毛がさがったように見えたんだけど気のせい?

その日は呼んでないのに珍しく優ちゃんの方から上がって来た

「もういいの?」

「うん・・・・・いっぱい泳いだから・・・」

どことなく元気がない、疲れちゃったのかな?

シャワーを浴び
昨日と同じレストランで夕食を食べ
部屋でおとなしくディズニーのDVDを見る優ちゃん

陽菜が携帯ゲームをしていると

「にゃんにゃん」

「ん?なーに」

「優子ちゃんはまだ来ないの?」

「どうかなー・・・向こうからは連絡無いし
メールしてもなかなか返ってこないから
忙しいんじゃないかな」

「そっか・・・・」

「どうしたの?」

「んーとね・・・あのね・・・んんと・・・・」

必死に言葉を選んでるのがわかった

「思ってること言っていいんだよ」

「あのね・・・泳ぐの楽しいしにゃんにゃんとずっと一緒も嬉しいけど・・・」

「飽きちゃった?」

「泳ぐの好きだけど一人だとつまんない・・・」

「そっかごめんね、陽菜が泳げたらよかったんだけど・・・

違うって言いながら首を横にブンブン振る優ちゃんに
おいでって手を広げたら飛んできた

「明日お散歩行こうか」

「いいの?」

「明るくなってからだしサングラスと帽子かぶって行けば大丈夫」

「やったー!あのねなんかお菓子も欲しい」

「そうだね買に行こうね(бвб)」

「うん(´-∀-)」

ホテルの中と目の前の海とプールで一人だけじゃ飽きるよね

だって陽菜でさえ退屈だなーて思うもん

近くだったら大丈夫だよね?

二人の恋人 4

次の日も朝から海で遊び昼食を食べ部屋に帰りお昼寝
また夕方まで海・・・・

子供ってすごい(汗)

飽きることなくずーと海ではしゃいでる優ちゃん

言葉がわからないのに同じくらいの年の子供と仲良くなってるし

時折こっちを向き

「にゃんにゃーん」

て手を振ってくる

陽菜はたまに海へ浸かりに行き優ちゃんと少し遊ぶだけで
あとはビーチのパラソルの下でジュースを飲みながら
携帯ゲーム・・・・

「あっ失敗しちゃった

ゲームが終わり優ちゃんの方を見ると

「うそ・・・・」

上半身裸で走り回ってる

「優ちゃん!ゆうちゃーん」

慌てて呼び寄せる

いくら子供でもやっぱりねえ・・・もうすぐ一年生だし・・・

遊んでいて聞こえないみたいだから近寄りながら声をかけると

こっちに気づいて走り寄ってくる

「にゃんにゃん海はいるの?」

「入んないけど、優ちゃんうえの水着どうしたの?」

「あっちにいる人とか・・ほらあそこで寝てる人とか付けてないから
優子も取ったの(-∀-`) 」

確かにトップレスの人が多いけど陽菜達は日本人だし
これが当たり前になったら困るから

「ちゃんと付けとかなきゃダメだよ、どこに置いたの?」

「えーとその辺に・・・あれ?ない・・・」

はぁ・・・・これは波にさらわれちゃったな・・・

「あう・・・ごめんなさい・・・優子捜してくる」

そう言って海へ入って行こうとするから腕を取り慌てて止める

「優ちゃんもういいから(汗)」

「でも・・・」

泣きそうな優ちゃんの頭を撫で

「水着他にも持ってきてるから大丈夫
今度からは取っちゃだめだよ」

「うん・・・・」

うな垂れてシュントする優ちゃん、その時

「へい!ユウコ」

朝遊んでいた外人の子供が優子の名前を呼びながら走ってきた
その手には・・・

「あっ、優子の水着だ」

「$&+×」

たぶん英語だと思うんだけどなんて言ってるかわかんない

「サンキュージェミー」

「ノープロブレムバーイ!」

優ちゃんの頬にチュッとキスして帰っていった

ちょっとムッとしたけどここでは挨拶だもんね・・・

「優ちゃん英語わかるの?」

「少しだけ(-∀-`) 」

「なんで・・・・」

「優子ちゃんが教えてくれるんだよ

いつの間に
そりゃ子供の方が覚えは早いけど・・・

「ジェミーはねアメリカから来たんだって
優子はジャパンから来たんだよって言ったら
ニッポンラブ!って言われて仲良くなったんだ(´-∀-)」

凄い・・・片言でそこまで通じ合えるってさすが子供

英語の事は触れないでおこう・・・

「良かったねもうとっちゃだめだよ」

「うん、脱ぐときはちゃんとにゃんにゃんに渡すね」

そう言う事じゃないんだけど・・・・

まあ、ゆっくりと教えて行けばいっか

その夜はさすがに疲れたのかすぐに寝ちゃった優ちゃん

優子に電話しようか迷ったけど時差があるから
メールを送ってみた

「返事返ってこない・・・何してるんだろう・・・」

なんだか寂しくなって
ゆっくり優ちゃんの横へもぐりこんだ

二人の恋人 3

どれくらい寝たんだろう、朝食が配られる音で目が覚めた

「朝食どうなさいますか?」

「そうですね・・・五分ほど待ってもらえますか」

「かしこまりました」

「優ちゃん・・・・優ちゃんご飯だよおきて」

「ん・・・・・んん・・・ん?にゃん・・にゃん?」

陽菜の上に乗ってる事に驚いているのか
むくっと体を起こし辺りをキョロキョロ見回してる姿がまた可愛い(бвб)

「・・・・あっ!飛行機!」

「ふふふそうだよ、昨日飛行機乗ったもんね」

「そうだった(´-∀-)もう着くの?」

「ううん、朝ごはだよその前にトイレ行こうか?」

「うん(-∀-`) あ!にゃんにゃんおはよう」

そう言って唇を尖らせるから左右を確認して軽く音が鳴らないように
キスをしてあげる

えへへ(-∀-`) デレル顔はやっぱり誰かさんとそっくりだ(笑)

トイレから戻ると自分の席に座らせ食事をお願いする

運ばれてきたのは子供用の可愛い朝食で
朝からテンションMaxの優ちゃんを落ち着かせるのに一苦労

それからDVDを見て踊ることは出来ないから座りながら
体を動かしズムを取ったりする姿を見たCAさん達の人気者になり
お菓子やジュースを交代で持ってきては楽しくおしゃべりして
戻って行く

そのおかげでジュースばかり飲んでる優ちゃんはしょっちゅうトイレに立ち
同じ通路を行き来してるから途中に座っておられる
年配のご夫婦と仲良くなりまた何か貰ってる

バレタラダメなのに何かと目立っちゃう
優ちゃんのDNAはさすがだと言うしかない・・・
大きくなったら優子のようなアイドルになるのかな・・・
そうなったら陽菜から離れて行くんだろうなー・・・

でも、眠くなると陽菜の膝に乗っかってきて
何時ものように胸をスリスリしながら眠る姿は
やっぱり陽菜の優ちゃんだなーて思う

優ちゃんといると長いフライト時間もあっという間に思えた


飛行機を二回乗り換え島へ到着

綺麗な海と白い街並み

優ちゃんだけじゃなく陽菜のテンションも上がりっぱなし
ここに優子が居たらもっと幸せなのに・・・・
今は仕方ないよね

先にホテルにチェックイン

ホテルと言っても長期滞在予定だから安くていい所を探した

ここはアパートメントと呼ばれているホテル

でも簡易キッチンもあるし普通のホテルより広いし
何よりも綺麗で大満足

荷物を置き水着に着替え上からラッシュガードを羽織り
ホテルから見えるビーチへ

「にゃんにゃん見て見てお水が青いよ(-∀-`) 」

「わぁーホントだね(бвб)」

「泳いできてもいい?」

「いいよ、陽菜はそこに座ってるから
見える所にいるんだよ」

「はーい(-∀-`) 」

服を脱ぐと砂浜を走り海へ飛び込んでいく

さすが優子の血が入ってるからなのか運動神経のいい優ちゃん

2・3回海に行って教えてもらっただけなのに
上手に泳げるようになっていて今も一人で泳いで遊んでる

陽菜はビーチに設置してある椅子に座って休憩(бвб)

何度か上がってきては一緒に泳ごうって誘われたけど
陽菜は泳げないから

砂に絵をかいたり砂山を作ったりを一緒にする

あとは腰のへんまで海に入り

「よーい・・・ドン!」

離れたところから陽菜の所まで泳いでくる優ちゃんを
受けとめてあげるだけ

たっくさん遊んで夕方ホテルに戻りシャワーを浴びる

「お腹すいた〜(-∀-`) 」

あれだけ遊べばペコペコになるよね(笑)

夕食はホテルの一階にあるレストランへ

街の方に安いお店が沢山あるみたいなんだけど
自分が行くまで絶対に出歩かない事!

て、しつこいくらい言われたから
買い物にも行けない

優子早く来てくれないかなー

二人の恋人 2

車から降りてすぐラウンジへ直行

遅い時間だしビジネスクラスだから人は数人しかいない

エコノミーだと若い子が多いだろうから陽菜達だってすぐばれて
どこへ行くのかもばれちゃいそうだからって
優子がビジネスクラスを手配してくれた

今の世の中SNSの普及でnowがすぐ広まっちゃう
写真だって勝手にとられて乗せられてるし
プライベートなんてあってないようなものだもん・・・

どこに行くのかだけは絶対バレルわけにはいかないから・・・

陽菜達は我慢できる、でも優ちゃんだけには嫌な思いをさせたくない

陽菜と優子で優ちゃんの笑顔を守るからね(бвб)



ラウンジで軽く食事を済ませ専用搭乗口から飛行機へ乗り込む

座席まで行くと

「・・・・・・」

「どうしたの?」

「これじゃーにゃんにゃんと引っ付けない

「ああぁ・・・・・」

エコノミーみたいに席がくっ付いてなくて
遮られてるから膝枕したり出来ないのが不満みたい

飛び立つときは手を伸ばし繋いであげる

ベルト着用のサインが消えるとすぐ陽菜の膝に上り
胸に顔をうずめて来た

「眠い?」

「うん」

もう遅い時間だもんね

リクライニングを倒し優ちゃんの顔が陽菜の首元に来るように
少し上に移動させ背中をトントンしてあげるとすぐ寝息が聞こえてきた

前を見るとブランケットをもったCAが歩いてくる


「お客様ブランケットをかけさせていただいてもよろしいですか?」

「お願いします」

「何かお飲み物はいかがですか」

「私も寝るので今は結構です」

「何かありましたらこちらのボタンでおよび下さい」

「ありがとうございます」

さすがビジネスクラス対応が丁寧(бвб)

きっと陽菜達だってばれてると思うけど
守秘義務があるはずだから大丈夫!・・・・・だよね?
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