アンブレラ  1

陽菜

「行ってきまーす」

いつものように軽いカバンを持ち
いつものようにピンクのスニーカーを履き
いつものように玄関からゆっくり外に出る

毎日変わらない日常

「今日もつまんない一日が始まっちゃったなー(бвб) 」

空を見上げて呟いてみる

「・・・なんか嫌な雲、学校まで持つかなー」

この前差して行って帰り降ってなかったから置いたままの傘

駅まで徒歩10分
電車に乗り20分
駅から学校まで15分

地図で調べると45分で行けるはずなんだけど
陽菜は1時間かかる
誰が測ったんだろう?絶対男の人だと思う(怒)

駅について改札を出ると

「・・・・・雨降ってんじゃん・・・最悪(怒)」

走っても(走らないけど)学校着くまでに濡れ鼠になっちゃうから
仕方なく前のコンビニでビニール傘を買うべく
鞄を頭の上に乗せ小走りに飛び出ようとした瞬間

「きゃっ!!」

「わっ!?あ、すいません」

横から人が歩いてきてるのに気づかずぶつかって
しりもちをついた

あきらかに陽菜が悪いんだけど

「痛ーい(怒)」

「大丈夫ですか?」

手を差し出してくれるぶつかった人

顔を上げてその人を見ると

陽菜よりあきらかに小さくて
少しカールされ肩まで伸びた綺麗な茶色い髪

顔を見ると・・・

眉毛はハの字に垂れ下り申し訳なさそうに聞いてくる

「びっくりしただけだから
大丈夫かも(бвб) 」

「かもって・・・フフフ(笑)」

少し和らいで微笑んだ頬に笑窪発見、可愛い・・・

幼く見えるんだけどこの時間に制服着てないぅて事は
大学生か社会人?

起き上がりスカートの汚れをを祓っていると

「傘ないんだったらこれ使って」

差し出されたのはビニール傘じゃない
凄くおしゃれないい傘

「いいです、返せないかもしれないから」

「返してもらわなくていいです
学生さん可愛いから差し上げますよ
この傘もあなたにさしてもらった方が嬉しいと思うし」

「でも、お姉さん?が濡れますよ」

「私は濡れずに行けるから」

そう言いながら駅に隣接している病院を指さす

「でも・・・」

「早く行かないと学校遅れますよ(笑)」

「あ!!・・・すいません取りあえずお借りします(汗)」

「アハッ(-∀-`) どうぞ」

傘を受け取り頭を下げて外に出る

顔色少し悪かったけど風邪かな

通院だったらまたいつか会えるけど
お見舞いだったら・・・もう会えないかも・・・

アンブレラ(こじゆう)プロローグ

あれは偶然?それとも・・・


何故出会っちゃったんだろう


何故好きになっちゃったんだろう


神様は意地悪だ


どこまで私をいじめたら気が済むの?


諦めてたのに・・・


今日からは自分の為じゃ無く


あなたの為に生きていく


あなたのそばで


この命が尽きるまで
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