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約束 3

「今日は顔合わせだけって聞いてたんだけど
もう帰っちゃうのかな・・・」

包帯で見えないけどきっとあの頃みたいに
眉毛を下げているんだろうなー

「この後は仕事が無いので
大島さんさえ良ければ夕方まで居ますけど」

「助かった、実はトースターの位置とか全部変わってて
朝ご飯食べてないんだよね(汗)」

「申し訳ございません、すぐに作りますね」

もう、かしわげちゃん何やってんのよ(怒)

「お飲み物は何がよろしいですか?」

「温かい紅茶とパンにはバターだけを」

「かしこまりました」

「出て右の扉がキッチンだから
バスとトイレは左側の扉」

「わかりました」

食べやすいように卵と厚切りハムを焼き
トーストは半分に切りトレイに乗せてキッチンを出ると
懐かしい音色が聞こえてきた

「コンコン・・・失礼します」

「ありがとう、そこのテーブルに置いてくれたらいいから」

どうやって食べるのか見ていると
指先で食器や食べ物を確認しながら器用に食べていた

いつ怪我をしたんだろう・・・
慣れてる所を見るとだいぶ前なんだろうか・・・

もしかしたら・・・・だからメールを送れなくなったのかな

「食べ終わったら楽譜起こすの手伝ってもらえるかな」

「はい」

それからの優ちゃんのお手伝いは凄く楽しくて
あっという間に2週間が過ぎていた





「そろそろ休憩しませんか?
もう2時間以上弾いてますよ」

「もうそんなにたってたんだ(汗)
そう言えば紅茶のいい匂いがする」

「熱いので気を付けてくださいね」

「うん、ありがとう」

ソファーに座りリモコンのスイッチを入れる優ちゃん

「あ、これヴァイオリン♪」

「高校を卒業する前、好きだった人に
この曲を勧めたことがあったんだ」

「そうなんですね」

初めて聞いた・・・優ちゃん好きな人いたんだ・・・

なんでも話せる仲だと思ってたのに少しショックかも・・・
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