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約束 6

優子

「お姉ちゃん!僕たちが案内してあげようか」

声でさっきの子供たちだと言うのが分かったけど
少しだけ付き合ってあげた

すぐに戻るつもりだったから軽い気持ちだったのに
慌てて追いかけてきたであろう小嶋さんの声

子供を追い払うと

「勝手にいなくならないでくださいよ!」

少し声が震えていて泣いてる様な気がした

元の場所へ戻りペットボトルを受け取り無言で飲んでいると

「私、父親居ないんです」

「え!?」

知らなかった・・・

「仕事人間で遊んでもらった記憶もない位なんですけど
その日は遊園地に行くって約束してたんです
それなのに朝起きたらいなくて・・・
母親に聞いたら会社から呼び出しがあったけど
私との約束を守るために朝早く出て用事を済ませて帰って来ると・・
でも二度と会う事は無くて・・・」

「・・・・・」

「帰って来る途中事故に合って・・・
私のせいでお父さんが死んじゃった(涙)」

「それは違うよ(汗)」

「だから、急に人が居なくなることが怖いくて・・
怒ってしまってすいませんでした」

「ううん、私の方こそ何も言わずにごめんね」

「もう急にいなくならないでくださいね」

そう言うと私の肩に少しの重みと良い匂いがしてきたから
きっともたれ掛ってきているんだろう・・・

「大島さんの事心配してる人が近くにいるんだって
覚えててくださいね」

「あ・・・うん・・・」


ダメだぞ優子!この子はあの子の替わりじゃないんだから・・・

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