次に目覚めた時隣には誰もいなくて・・・

慌てて起き上がり服を捜す

・・・・しまった、バスルームに置いたままだった(汗)

仕方がないからまたバスタオルで体を包み
そっとドアを開けてリビングを覗く

「・・・・・じょう・・む?」

「・・・・・・」

シーンと静まり返る部屋

もしかして私の血がまず過ぎて
お口直しに食事しに行ったのかな・・・

「はぁ・・・・」

胸がギュッと締め付けられる

「何ため息ついてんの」

「キャッ!!(汗)」

いきなり後ろから声をかけられ飛び上がるくらい驚き
そのはずみでバスタオルがはだけた

「なに?まだ足りないの(笑)」

「ち、違います(汗)」

慌てて拾い前をかくしてバスルームへ走る

・・・・あれ・・下着がない(汗)

スーツはあるのに下着だけが消えていた

取りあえず顔を洗い髪を結いスーツを着てリビングへ戻る

「おはようございます」

「そんなにキリッとしてるのにノーパンだとか笑う(бвб) 」

「ッ・・常務が隠したんですか(怒)」

「隠してない」

「でもスーツと一緒に置いておいたのに無いんです」

「隠してないけど捨てた」

「はぁ?」

「だから捨てた」

「な、なんて事するんですか
どこに捨てたんですかゴミ箱ならまだ履けますから」

部屋を見渡しゴミ箱を探すけどどこにもなくて

「常務!返してください」

「私のをあげるからキイキイ怒んないの
だいたいあんな色気のない下着なんて付けられてたら萎えるし」

「べ、別に常務のために着てるんじゃありませんから
それに喉を潤わす程度の血なら指からとかでも十分でしょ(汗)」

「それなんだけど・・・もう他の人の血を飲まないことにした」

「はぁっ?どういう・・・事でしょうか」

「だから優子の血しか飲まない」

「え、ちょっと待って下さい
そんな事・・・出来るわけないじゃないですか
血を吸われた人間は二週間は空けないといけないんですよね?
でも食事は最低でも週に一度は取らないとダメなんですよね?」

「凄いね、よく分かってらっしゃる(笑)」

「笑い事じゃないですよ
今まで通りじゃダメなんですか?」

「一度美味しい血を味わっちゃったら
まずい血なんて飲めないし
まずい血を飲むために抱きたくなんてない」

「じょう・・・む?」

「それと仕事以外での常務呼び禁止(бвб)」

「はい?」

「なんで疑問系の返事なの?
そこは、はい!でしょ」

「でも上司ですし」

「好きになったから(бвб)」

「・・・・はい?」

「だから!」

「いえ、あのう・・・・好きと言うのはどういう好きでしょうか」

「好きは好きしかないでしょ」

「血が好きと言うことですか?」

「血も好きだけど体も好き」

からだと血・・・か・・・

「でも優子はもっと好き」

「そっか、優子はもっと・・・へぇ?」

「人間で初めて信じてみようって思った
だから私を裏切らないで
もし裏切ったら・・・・

吸血鬼になるか死ぬかだから」

「・・・・・(-∀-`) ?」

どういう意味だろう・・・私が吸血鬼になるの?どうやって?
死ぬって言うのは常務に殺されちゃうって事?

断ったらここで殺されちゃうのかな(汗)

でも私・・・たぶん常務の事が好き

だから

「承知いたしました、その代わり常務も私を裏切らないでください」

「生意気(笑)で、優子の言う裏切ってどういう事なの?」

「他の方の血を食される時は必ず私に言って下さい」

「だからもう飲まないって」

「ダメです!二週間に一度なんて体を壊します」

「疑似血液剤があるから大丈夫なんだけど」

「へぇ?」

「人間で言う加工食品なんだけどそればっかりとってたら
体がおかしくなっちゃうでしょ
だから週二回くらい新鮮な食品ならぬ
新鮮な血を飲んでただけだから(бвб) 」

「なるほど!アハッだから一週間以上空いても大丈夫だったんですね(´-∀-)
・・・・て、笑えませんけど(怒)」

「むぅ・・・なんで怒るかな」

「そういう事は初めに言っといてください
凄く心配したんですからね(怒)」

「だって、始めは吸血鬼だって知らなかったんだから
言えるわけないじゃん
それから必死で調べてたのならそれくらい調べ上げててよね(怒)」

「うっ・・すいません(汗)」

なんで私が謝ってるんだろうか・・・
そんな事どの本にも書いてなかったのに・・・

「それに常務禁止って言ったでしょ
これから常務って言うたびに犯す」

「いや、おかしいでしょ(汗)
それにその度に血を飲めないのでは?」

「おかしくない!上司の言う事は絶対だし
その罰の時は血を吸わない」

(上司って言ってるじゃん・・・)

「はい?何か言った?」

(あれ?血を吸わないのに私を抱くの?なんで?
好きだから抱くの?それって恋人・・・まさかね
ただ、人間にしたら好きなだけなんだよね)

「いえ・・・じゃー何と御呼びしたらいいですか」

「陽菜」

「無理です!」

「即答しないの(怒)」

「陽菜さんなら・・・・」

「仕方ないから今はそれで許してあげる」

「ありがとうございます」


奇妙なことになっちゃったけど
私、ちゃんとやって行けるのだろうか・・・
仕事に支障を来さなければ良いんだけど