陽菜の秘書はすぐ変わる

なんでも不規則な時間帯が嫌でみんな敬遠してるらしい
それと陽菜の女癖・・・・

と言ってもそれは食事の為だけに抱いてるだけなんだけど
みんな知らないから

だってみんなだって少しでも美味しい物を食べたいでしょ

だから好きでもない女を交代で相手してる

あ、でも秘書には手を出したことない
社員だと後あと面倒だし社員には手を出すなって
あいつらにも言われてるから・・・


なのに・・・なんで大島の血を飲んでしまったんだろう・・・

あの時は切羽つまっていたから仕方なかった?

ううん少しの我慢なら出来たと思う
呼んだらすぐ来る女ばかりだから

でも、きっと意識が朦朧としていて判断が鈍ってたんだ
うん、そうに違いない

気持ちも高めず飲んだ血はいつもまずくて飲めないのに
この時は違った

もっと、もっと!欲求が先走りもう少しで大島を・・・

吐息が漏れてこなければ限界値を超えていたかもしれない

だからって何故部屋へ連れて行ったんだろう・・・
他の女みたいに野呂に頼み家まで連れて帰らせればいいだけだったのに



ある日書類を忘れ、大島に頼み持ってきてもらった
商談中大島優子というメモが来てエントランスへ降りてくと

小さな天使が立っていた

私の顔を見て嬉しそうにしたかと思ったらいきなり眉を下げ
入れて貰えなくて遅くなり申し訳ないと謝る大島を
帰したくない衝動にかられ
車で待つようにと無意識に言ってしまい慌てて付け加える


商談が終わり麻里子と降りて行くと
麻里子の言葉にハニカム大島を見て何故か苛立ちを覚える

血を吸う時の快感を与える以外何もない自分と
人間の麻里子を比べまた心を閉ざした



クリスマスに予定があると嬉しそうに話す大島

あのオシャレなお店にどんな奴と行くのだろうか・・

気が付くと24日のパーティーに行くといっていた


まさかの聖歌隊登場にまた血を吸う羽目に・・・

いきなり吸うと痛みが伴うから
少しでも痛くないようにキスだけで気持ち高め
首筋に牙を立てると
なんとも言えない至福感に襲われ

最高潮に達した時の味と香りはどんなに素晴らしいんだろうか
と考えずにはいられなくなった

でももっとたちが悪いのは飲み終わったのに
大島にキスをした事
相手からのさよならのキスはあったけど

事が終わってからあんなに濃厚に求めたのは初めてだった

それでもやはり秘書である以上餌にすることは出来なくて・・・

それからは大島を見る度に
血が欲しくなるからなるべく顔を見ないようにして
話も最小限にすませ、会わなくていいようにしていた・・・

しかし他の女でお腹をどれだけ満たしても
喉の渇きがおさまらなくなり
大島の血を体が求めた

食事ではなく喉の渇きを潤すだけだから
自分にそう言い聞かせ食事の度に求めるようになった

少し味わうだけだから二週間以上空け無くていいから・・・


大島は感じやすくすぐ血が香ってくる
言葉だけでも香るから不思議だ

陽菜にしては珍しく社員に心を許しかけている
人間を信じてもいいのだろうか・・・

何度も血を飲んでいると貪欲になってくるわけで
最高に香る血を飲みたいと思うようになり
我慢も限界にきていた

あのマンションは麻里子や野呂も知っている
邪魔が入ると嫌だから
新しくマンションを買った

そこへ優子を連れて行き・・・・・


何だろうこの感覚・・・
今までに感じた事のない何とも言えない高揚
まだ血を飲んでいないにもかかわらず
体に電気が走ってるようだ

優子の匂い、顔、声、それに体・・・

どれをとっても陽菜を興奮させるには十分足りていて
絶頂を迎えた時に体内に流れ込んできた血は
今までに味わったことが無い位の美味だった


信じがたいことに
この私が・・・この陽菜がエクスタシーを感じてしまった