いつまでもいつでも

それから年明けの初出勤まで常務は会社へ出てこなかった

それでも山のような仕事があったから気持ちもまぎれていたけど
お正月家にいる時は常務のことが頭から離れなかったから・・・


「髪に何かついてる」

「キャッ（汗）」

いきなり後ろから声をかけられつい叫んでしまった

「・・・・（бвб)」

「あ、・・・おはようございます（汗）」

「また戦闘服に戻っちゃったんだね」

「これがわたくしですから」

「ゴムを外して横を少し巻いてあげたら？」

そう言って触ってくるから

「常務（汗）」

「・・・・・大島」

「はい」

「今日食事できそうな女はいる？」

「あ・・・はい」

手帳を出し確認する

「増田様・・・仁藤様のスケジュールが空いていますので大丈夫かと」

「ランチと遅いディナーの予約入れて結果を携帯に連絡して」

「何処かへお出かけですか？」

「今日は戻らないから」

「かしこまりました・・・・」


この胸の痛みはなんだろう・・・
いつものことなのに・・・


それからの常務は

「常務こちらの資料ですが」

『机においておいて』

「こちらの案件ですが」

『私がやっておくから』

「会議の事ですが」

『今日は出ないから』


私の顔を一切見ず成立していく会話


あれから一ヶ月常務は誰と会ってるんだろうか

常務室へ来ることがなくなった女性達
そのかわり常務が外へ出かけていくから
誰と会って誰を食しているのか全く把握できていない


でも今日は大切な会議があるからもうすぐ出社してくるはず


「資料OK！」

声を出して確認する私って寂しい女みたい(汗)

それにしても常務遅いなー・・・

プルップル・・・プルップル・・・内線がなりすぐ取る

「はい常務室大島です・・・はい・・かしこまりました」

常務からの電話で下まで資料をもってこいとの事
急いで下りていく

「こちらが今日の資料です」

「ん・・・会議が終わったらまた出かけるから
適当に帰っていいよ」

「かしこまりました」

一度も目を見ず行ってしまった・・・・

会話だって必要最低限のことだけ・・・常務・・・


部屋へ戻り

「さーて、書類整理しなきゃ・・・っ・・・うぅ・・・」

なんで涙が出てくるんだろう・・・おかしいな・・・
全部歪んでなんにも見えないや（涙）

カチャッ・・バン！

「へぇ？・・・常務・・・・・な、何か御用でも？」

カツカツカツ・・・

無言で近寄ってくる

「あのう・・・会議は（汗）」

私を壁まで追いやると顎を持ち上げ唇を塞いできた

「つはっ・・・ふぅ・・・」

「・・・・血がほしい」

「体調がお悪いんですか？たしか昨日食事されたばかりなんじゃ・・・」

「違う！この餓えは優子の血じゃなきゃ潤わない」

いきなり優子って（汗）

そのままソファーに押し倒され常務の手がブラウスの中に入ってくる

いつもは触れてこないのに・・・

「あっ・・・っやあ・・・」


錯覚する

血じゃなくて私が欲しいんじゃないかと・・・
私自身を求めてるんじゃないかと・・・

ただの食事でしかないのに・・・・・