「ただいま」

と言ってもまだお母さんは帰ってきていない

今日は私がご飯作ってあげようかな

冷蔵庫を開きある物で献立を考える

(今日私がご飯作るから)

それだけ打ち込み用意に取り掛かっていると

ピロリン!

お母さんからの返事かと思って画面を見ると

(招待状見せるの忘れてた、優子も行くように)

麻友常務の誕生会の事だよね?

(かしこまりました)

・・・・何も起きなければいいんだけど・・・(汗)



「おはようございます美優紀専務」

「優子ちゃんおはよー♪
昨日どうやった?」

「どうって・・・5時に退社させていただき
小嶋常務に家まで送っていただきました」

「え?一緒に住んでへんの?」

「当たり前です(汗)」

「なぁなぁ陽菜のマンションの場所教えてよ」

「申し訳ございませんが個人情報をお教えするわけにはいきません」

「つれないなぁー
じゃー優子ちゃんの家は・・・・社員情報見たらわかるか(笑)」

「私は母と二人暮らしですので小さなアパートに住んでおります」

「そうなん?私の女になるんやったら
マンション買ったるのに」

「今の場所で十分ですので遠慮しておきます
それでは今日のスケジュールですが・・・・・」


「誕生会陽菜来るかなー」

窓の外を見ながらつぶやく専務

「・・・・話聞いてますか?」

「なんとなく聞いてる」

なんとなくって・・・この二人似てる?

そう言えばなんで吸血鬼にされたんだろう・・・
常務を怒らせたのかな?
て、言うか吸血鬼の能力って何があるの?

蝙蝠に変身できるとか?
マントで空を飛べるとか?
あとは・・・・

「人の心が読める」

「そう人の心が、へぇ?」

「蝙蝠になれないし空も飛べないけど
人の心がある事をすると読めるようになる」

「ある事?」

「血を吸うとその日、正確には12時間以内は人の心を読めるようになるんだ」

今私の心を読まれたって事は誰かの血を・・・

「そう、朝から美味しい血を飲んできちゃった♪」

だから機嫌がいいんだ

「いつも機嫌はいいと思うんやけど
あ、嫌いな人には冷たいけどね(笑)」

「・・・・え?じゃー小嶋常務も私の心を読めるって事ですか(汗)」

「私は薄いから血を飲まないと読まれへんけど
陽菜は飲まなくても読めると思う
だから商談とか上手く行くんちゃうかな」

「そうだったんですね・・・」

「あと、無理やり吸血鬼にされたんやなくて
私からお願いしてん」

「お願いしたって・・・美優紀専務も現場を見ちゃったんですか?」

「私ねされてる所を録画しててん
そこに牙を出して吸ってるとこが写ってて
問いただして聞いてるうちに・・・
その能力が欲しかったから」

「何故ですか?そんな能力が無くても美優紀専務なら
十分やって行けると思うのに」

「復讐・・・かな
私の事を悪く言って蔑む奴らに一泡吹かせてやりたかった」

「それだけの為に・・・」

「それだけちゃうわ!そいつ等のせいでお母ちゃんは・・・」

「も、申し訳ございません・・・(汗)」

「もうこの話は終わり
だから優子ちゃんが私の事どう思ってるかもわかったし
嫌われてないのも分かったから
これからも宜しくやで」

「仕事ですので」

何も考えるな・・・考えるな(汗)

「アハハハ、読もうと思わな読まれへんから大丈夫やて
常に読んでるんちゃうから(笑)」

「しかしいつ読まれてるかもわかりませんので」

「確かに・・・賢いやん(笑)」

「お褒め頂きありがとうございます」

「一つだけ教えといてあげる
心を読むときは黒目が赤くなるねん
たぶん陽菜はカラコンつけてるから分からへんと思うけど
じっと見てたら分かると思うから
今度目をじっと見つめててみ」

「なるほど、ありがとうございます」

見つめ続けれるかな(汗)