いい匂いがしていたからなのか
全然眠くなかったはずなのに
いつの間にか眠ってしまっていたみたい

寝返りを打とうとして身動きできないことに気づき
目を覚ますと後ろから誰かに抱きしめられていて・・・

見なくても分かるくらい陽菜の匂いに包まれていた

煩い位早くなる心臓

これってどう理解したらいいのかな
陽菜も私の事が好きだって事?
だったら両想いじゃん(-∀-`)

告白したら恋人になれちゃう感じ?

よし、ここは当たって砕けろだ
明日それとなーく告っちゃおーと(-∀-`)


て思っていたのに
朝起きたら部屋には居なくて・・・
時計を見ると朝食の時間が迫っていて慌てて部屋へ戻ると

「優子どこ行ってたの心配したんだからね(汗)」

起こしに来たら部屋に居ない私の事を心配して
少しだけ探してくれていたみーちゃん

「ごめんごめん、陽菜の部屋で寝てたんだ(-∀-`) 」

「うそ・・・・」

「勝手に入ったんじゃないよ
ちゃんと呼ばれたんだからね」

「でも昨日は・・・」

「ん?」

「何でもない、早くしないと遅れるよ」

「ウワァ(-∀-`;)やばっ」

急いで降りて行き

「おはよう(-∀-`) ・・・・ございます・・・」

「おはよう、これが噂のゆっぴー?」

「ゆっぴー?」

「優子ちゃんでしょ?だからゆっぴー(*`ω´)」

「誰ですか(怒)」

「僕?僕は篠田麻里子ニャロの許嫁ちゃんだよ」

「許嫁・・・」

そこには座っていても背が高いことがわかって
顔が小さくてみーちゃんが言っていた
イケメンと言う言葉がぴたりと当てはまる男性がいた

「2分の遅刻、早く座って」

昨日の夜は夢だったんじゃないかって思うほどの
いつもの冷たい陽菜

「二分ぐらいいいじゃないか、ほら座ってご飯食べなよ」

そう言えば家族以外は一緒に朝食を食べないはずじゃなかったっけ?

よーく見ると・・・
なるほど、篠田さんの前には食事が置かれていなかった

「二人の食事を邪魔しちゃってごめんね
どうしても早くゆっぴーに会いたくて
お邪魔しちゃったんだけど
僕もお腹すいて来たから帰るね」

そう言うと陽菜の頬にチュッとキスをし
ドアの横に立っていたみーちゃんの頭を撫で
部屋から出て行った

キスされた陽菜はというと・・・

表情一つ変えず何事もなかったかのように料理を口に運んでいる


こんな朝早くからここへ来たの?
それとも泊まってた?

陽菜はいつ部屋へ戻ってきたんだろうか・・・

あいつに抱かれてから戻って来たの?
そんな事を考えていると
無性に腹が立ってきて

「朝食は家族だけじゃ無かったのかよ」

「食べてないでしょ」

「それでも私達の食事中
あんなにしゃべらせていいの(怒)」

「今のあなたの方がうるさいから黙って」

「くっ・・・早く結婚してあいつと一緒に食べればいいだろ
そしたら私なんて必要なくなるから
ここから出て行ってあげるのに」

「静かにして!」

「優子様!」

みーちゃんに制され我に返る

なんなんだよ・・・
こんなんだったら優しくするなよ

一人で勘違いして浮足立ってた私がバカみたいじゃん

「二度と誘うなよな(怒)」

「・・・・・・」

一気に食事をかっ込み部屋をでる

「優子様・・・・待ってよ優子(汗)」

「私は悪くない!」

ヤバい泣きそう

「わかってるから・・・来て」

来てって言われてついて行ったところは

「私の部屋じゃん」

「ここでしか話できないでしょ」

「そうだけど」

「陽菜は従業員の手前ああいう態度しか取れないの」

「どういう事?」

「若い当主、それに女性
それでなくても旦那様の時代から仕えてる使用人が殆どでしょ
それは会社でも同じ
馬鹿にされるのが目に見えてるから
ああやってでしか威厳を示せないの!」

「でもあれじゃ、嫌われるだけじゃん」

「それでも、弱音を見せるよりもいいから仕方がないの」

「それじゃー陽菜が壊れちゃうよ」

「大丈夫、その為に私達がいるんだから」

「私達?」

「私と二人しかいない時は昔の陽菜だし
麻里子にも同じだと思う
私達は陽菜って言う人間を知ってるから
冷たい方が嘘だって分かってるし
私も使い分けてるの
まぁ麻里子は昔から同じだけど(笑)」

「じゃー会社ではどうなの
殆ど会社なのに休まる時間が無かったら・・・」

「だから、壊れる前にここに戻って来るんだと思うよ
それに・・・」

「それに?」

「陽菜私以外の人を寝室に入れた事無かったのに・・・」

「みーちゃんは特別なんだ・・・・」

「当たり前でしょ(ΘωΘ)
でもねそんな私でもシーツを取り換えたり
掃除をするだけで
あの部屋で寝た事は無い」

「あの婚約者ならあるでしょ」

「麻里子?ナイナイ、その為に麻里子の部屋を作ってあるんだから」

「・・・・昨日泊まってたんだよね」

「あぁぁ・・・そうだね」

「夜に来て朝帰るって・・・」

「う〜ん・・まあそう言う事かな」

シタ後に何で私を抱きしめて寝るんだよ
意味わかんないし・・・

「私にとったら二人はお兄ちゃんお姉ちゃんみたいな感じだから
あんまり想像したくはないんだけどさ(汗)
陽菜は後継ぎを産まなきゃいけないじゃん
これは新しい仕事を成功させるよりも大切な事なんだよね〜」

「だったら早く結婚して子供作ればいいでしょ」

「それがさ、小嶋家の七不思議の一つなんだけど
一つ目は一人の女性からは子供が一人しか出来ない
これは前に話したよね」

「うん」

「二つ目は結婚した相手は短命で長生きできない」

「・・・・みんな?」

「そう、小嶋家以外から嫁いで来た人ね
後継ぎが男性なら奥さん
女性ならお婿さん、いわゆる婿養子
それも必ず事故で亡くなってるみたい」

「陽菜の両親も事故だよね?」


「陽菜のお父さんが小嶋家の子供だったんだけど
奥さん・・・陽菜のお母さんと片時も離れなかったんだよね
自分が一緒いれば大丈夫だ!て言ってたらしくて
仕事もプライベートも常に一緒だった」

「でも死んじゃった・・・」

「そう、だから陽菜は結婚せずに子供だけ産もうとしてる
小嶋家のせいでもう誰も死なせたくないって言って」

「それだけ許嫁の人を好きだって事?」

「どうだろう・・・
そういう事は話してくれないから分からないけど
子供の頃は麻里ちゃん麻里ちゃんと言って
慕ってたのは確か」

女性の陽菜は一人しか子供が生まれない
男性なら私のように外で産ませることができ・・・

「もしかしたらさ私みたいな子供が
他にいるかもよ?そしたら血縁関係増えるじゃん」

「それも調べさせたみたいなんだけど見つからなかったって」

「なんで私は分かったの?」

「さぁ、それも話してくれないから分からない」

「なんだ、みーちゃんあんまり信用されてないんだ」

「うっわ、今の傷ついた、こんなに教えてあげてるのに
その仕打ちはないわ(怒)」

「アハハごめんごめん
それだけ知ってるという事は
相当信用してもらってるって事だよね」

「そういう事(ΘωΘ) 」

二人っきりだとまたあの優しい陽菜が見れるのかな?

よし!こんど帰って来た時には
部屋へ押し掛けてやろう(-∀-`)
で、いろいろ聞き出すぞー