『バカ野郎!危ないだろ(怒)』

そう吐き捨て車を発進させたおじさん

陽菜は・・・

「何してるの、どうした?」

跳ねられると思った瞬間
婚約者に腕を引っ張られ・・・

今は大きくて広い胸の中にいる


私の方を向き

「ゆっぴー何があったの?」

何も言えないでいると

「とりあえず車に乗って」

そう言って陽菜を自分の車の助手席に乗せ

「ゆっぴーも乗って」

顔は笑ってるけど目と声は笑っていなくて
従わざるを得なかった

重い空気の車中ひと言も話さず
着いた場所は高級マンション

地下駐車場に止めエレベーターで最上階へ

その間も陽菜の肩を抱き寄せ
それに寄りかかるように歩く陽菜


お似合いじゃん・・・

「ここが篠田の部屋、ニャロ以外は入れた事無いんだよ
ゆっぴーは記念すべき二人目(*`ω´) 
と言ってもニャロも一度しか来たことないけどね(笑)」

婚約者なのに一度しか来たことが無いのか・・・

中は白で統一されていて男の一人暮らしとは思えないほど綺麗だ

「その辺に座って、いま紅茶いれるから
ニャロも・・・座りな」

ゆっくりとソファーに腰掛ける陽菜
その隣に・・・は座りずらいから
少し離れた床に座る

「はいどうぞ、篠田特製ブレンドティ、美味しいよ(*`ω´)」

飲む姿までカッコいいってどうなの?
私の勝てる要素なんてどこにもないじゃん

カップをテーブルに置き

「で、ニャロはどうして自殺しようとしたの?」

「自殺!?」

「あきらかに車が来るのを見てから飛び出したよね」

「・・・・・・」

「篠田がたまたまその場にいたから良かったけど
いなかったらどうなってたか・・・
何があったんだ」

「・・・・・言いたくない」

「そっか・・・篠田じゃダメなのかな」

「つっ・・・ごめんなさい(涙)」

訳がわからなくて二人を交互に見ていると

「ゆっぴーはどうしたいの?」

「え?」

「陽菜がここまで追い込まれて
我を忘れてしまうほど思いつめるのは
ゆっぴーが絡んでるって事、でいいんだよね陽菜」

「どういう事?」

どうして私が絡むと陽菜が追い詰められちゃうの?

「なんで・・・」

「篠田はさ、ずっとニャロ・・陽菜を見てきたんだよ
生まれる前から楽しみで
生まれて来た赤ちゃんはそれは可愛くて
大きくなっていくにつれてドンドン綺麗になっていく女の子を
ずーと見てきたんだから
ちょっとした変化でもすぐわかっちゃった」

「っ・・・まり・・・こ・・(涙)」

「変化ってなんだよ」

「篠田より好きな人が出来ちゃった事だよゆっぴー」

「浮気?」

「アハハそうだね、浮気されちゃったよ(笑)」

「だったらそいつと結婚すればいいじゃん」

「それが出来ないからずっと苦しんできたんだよね陽菜(*`ω´)」

「うぅぅぅ・・・・・(泣)」

「そこまでわかってるなら婚約解消してあげればいいでしょ」

「そうしちゃったら跡継ぎが絶対に生まれないから
陽菜は我慢してずっと篠田に抱かれてたんだよね」

「ちがっ・・・我慢してない
麻里子は・・麻里子のことは・・・本当に好きだったから」

「でもある日、愛してはいなかった事に気づいちゃった」

「っ・・・・」

「ある日って?」

「ゆっぴーに初めて会った日だよ」

初めてあった日って・・・・抱かれた・・・・日・・・

「ちょっと待ってその言い方だと
陽菜が私の事を愛してるみたいじゃん」

「そうなるね〜(*`ω´)」

うそ・・・・陽菜も私のことを?
あの日からずっと両思いだったってこと?

「ゆっぴーもニャロの事好きでしょ?」

「え?あぁ〜・・・えーと」

好きって言ってもいいのかな・・・