「おじいちゃまどうして陽菜には兄妹がいないの?」

「陽菜は欲しいのかい?」

「お母様にね、お誕生日に何が欲しいって聞かれたから
妹か弟が欲しいって言ったらごめんねって言って泣いちゃったの」

「そうか・・・もし陽菜に妹がいると言ったら嬉しいか?」

「嬉しい!(бвб)」

「これを見てごらん」

「うわぁー可愛い赤ちゃん、これ陽菜の妹?」

「妹じゃないが妹のようなものかな」

「陽菜も抱っこしたい」

「それは無理じゃな・・・」

「なんで?おじいちゃまは抱っこしてるでしょ」

「いつか会えるかもしれんが・・・
この事は他の人に言ってはいかんぞ
言えば二度と会えんかもしれんからな」

「そんなのヤダ、陽菜絶対に言わないよ
だから会わせてね」

「あぁ・・いつかきっとな・・・」



カチャッ・・・

「あ、こらノックしないと怒られるよ」

「自分の部屋なのにいいじゃん」

「ここは社長室!」

「いいじゃんね、陽菜・・・あれ、寝てたの?」

「少しウトウトしていただけ」


「仕事しすぎて疲れてるんじゃないの?
休める時は休まなきゃ倒れちゃうよ(汗)」

「大丈夫、体だけは強いから」


今ごろあんな昔の夢を見るなんて・・・

まだお父様もお母様も生きていて
甘やかされて育っていたころ

自分に妹がいるかもしれないという事実に興奮して
その日は寝むれなかったっけ

お父様とお母様は毎日離れることなく一緒に行動していた

仕事もプライベートもすべて一緒
もちろんプライベートでは私も一緒だったけど
あの日・・仕事で海外へ行かなくてはいけないって言われて
陽菜も一緒に行きたいって言って泣いたっけ

一緒に行っていたら私はここにはいなかった
おそらく優子が私の場所にいたんだろうな
もっと早くこの場所に・・・・
だって本当だったら優子の方が第一継承者
おじいさまの子供なんだから・・・・


「コンコンコン・・陽菜様」

「今行く、優子は名刺交換のマナーとか教わったよね」

「おう、完璧(-∀-`) 」

「・・・・あと、メイクはもう少しちゃんとして」

「だって教えてくれた人ケバいんだもん
あんなメイクできないよ(汗)」

「そこへ座って

アイラインと眉はしっかり描いて・・・
口も輪郭を取ってから塗りつぶすの」

少し手直ししてあげると

「おぉぉさすが陽菜、私綺麗じゃん(-∀-`) 」

「持ってるものは良いんだからメイクの仕方自分で覚えてよ」

「今褒められたよね、なんか照れる(-∀-`) 」

優子はおじいさまによく似ていた
優しくて大好きだったおじい様

両親が亡くなってからは厳しい人になっちゃったけど・・・

たまに見せてくれた写真の中でどんどん成長していっていた妹
おじいさまと写っていたのは一枚目だけだったけど
陽菜に見せてくれていた時の顔が凄く嬉しそうで
今考えると愛していたんだなって思う

可愛くてずっと会いたいと思っていた妹・・・

生前遺言で優子を小嶋家に迎え入れるようにと言われた時も
少しも驚かなくてやっぱり・・・て思った

お母さんが亡くなってからと言われていたけど
我慢できなくなって会いに行ってしまったあの日

少し様子を見て帰るつもりだったのに・・・

見た瞬間に惹かれてしまっていた
何故だかわからないけど
心が鷲掴みにされたようだった


仕事に追われて疲れていたのもあると思う
理性に負け自分の欲望を我慢できなくて・・・
優子を抱いた


陽菜の手で声で言葉で喘ぐ優子
このまま二人でどこかへ行けたらいいのに・・・

そんな事出来るわけがない
私は小嶋財閥の跡取りなんだから
そして次の跡取りを産む義務があるのだから・・・

だからあの日優子への気持ちを封印したのに
したはずだったのに・・・