上得意先への顔見せと挨拶で
今日の仕事は終わり

今は会社へ戻り社長室に二人だけ


「今日の会社は特に重要だから絶対に粗相はしないで」

「わかってますよ〜」

この軽さだけは何とかならないものか・・・
隙を見せるとすぐ付け込まれ足をすくわれ
引きずり降ろされるというのに・・・

それと・・・これは大事な事

「優子は好きな人・・・いないの?」

「・・・・・なんだよ急に」

「いつかは結婚するでしょ
するなら早くして子供を産んでいいから」

「・・・陽菜が先だろ」

「私は・・・しない・・・」

「なんでだよあいつがいるじゃん」

「いるけど・・・しない」

「じゃーなんで寝てるんだよ
性欲のはけ口だけの為に抱かれてるのかよ(怒)」

「違う!」

知られたくなかった事
わかってても言われたくなかった、聞きたくなかった
優子の口からそんな言葉・・

「違わないだろ、毎月必ず泊りに来ていて・・・
その時にヤってるんだろ!」


もう言わないで!


「煩い!優子にとやかく言われる筋合いはないでしょ
私の事は放っておいて!」

「そうだよな、私は他人だもんな
血は入っていても小嶋じゃない
籍も入れてもらえない人間だからな」

「くっ・・・」

初めは籍を入れようとした

養女として、私の妹として、

でも、こういうことは初めてだからどうなるかわからないけど
違う名前から小嶋家に入ってきた人は死ぬんでしょ?


もし優子が死んだら・・・

そう思うと籍を入れることができなかった


籍を入れなくても血は繋がってる

それで押していこうと思ってたのに気にしてたんだ・・・


どうしたら良いの、

なんて言えば納得してくれるのだろうか・・・



「ほーら、何も言えないってことは
やっぱり私は邪魔者なんじゃん
あ〜あ1年間勉強してきて損した気分
あ、でもこれから社会に出て行くには良かったのか
でもなぁ〜私にはあの仕事が合ってたからなー
有華元気かな〜」


嫌!例え女性でも優子に触れたり
触れられたりして欲しくない


「そういうことなら明日にも出ていってあげるよ
そのかわり・・・・遺産は分けてもらうけどね
と言っても当分の生活費、100万ほどでいいや
それくらいなら痛くも痒くもないでしょ」


何でわかってくれないんだろう

何でみんな陽菜の元からいなくなってしまうんだろう

こんなに頑張ってるのに・・・


陽菜は一体誰の為になんの為に頑張ってるんだろう

跡継ぎを産めない陽菜こそいらないじゃん


必要ない人間は陽菜だ



もう嫌だ



もう、もう・・・・もう嫌だ疲れたよ



お父様お母様、
そして大好きなおじいちゃん
陽菜もそこへ行っていいですか?