朝、6時に目覚ましをならし
ゆっくり階段を降りリビングへ行くと

食事をしていたパパが口を開けたまま固まり
座っていたママも慌てて立ち上がり
陽菜の朝食の用意をしだす

「早いわね(汗)」

「だって動きが鈍いから時間かかるもん」

「いつもだって遅いわよ(笑)」

「うっさいなぁー、先に顔洗ってくるからゆっくりでいいよ」

「何かあるのか?」

「・・・・クラブ」

「怪我したんじゃないのか?」

「したからこれがあるの」


そう言って松葉杖を見せる

「休まないのか?」

「・・・・ママに聞いて」


いちいちうるさいパパの相手はママに任せ顔を洗いに行く

少し体重を乗せるだけでも痛いから
顔を洗うのも一苦労

「ドライヤーここで出来ないし・・・・」


また二階へ上がるのも大変(汗)

ママに持って降りてきてもらわないと自分で持って降りれない

「はぁ・・・不便」



「ママ、バックとジャージ持って降りて来て
下で着替えるから」

「仕方ないわね」

テーブルにご飯を置くと二階へ上がって行った

「どうやって行くんだ
ママに送って貰うのか?」

「先輩が迎えに来てくれる」

「・・・・・・彼氏か」

「はぁ?違うし
陽菜女子校だし(怒)」

「そ、そうだったな(汗)
さーてそろそろ行こうかな・・・」

慌ててリビングを出て行くパパ

嫌いじゃないんだけど・・・なんかね


「もう少しパパに優しく出来ないの」

そう言いながら入って来るママ

「だってーいちいち聞いてくるんだもん
鬱陶しいじゃん」

「今の時期は仕方ないのかもね(笑)
それと彼氏じゃないけど好きな先輩だものね」

「な、なんで(汗)」

「あなたの態度見てたらわかるわよ
何年母親やってると思ってるの」

「先輩には言わないでよ」

「わかってるわよ(笑)」

約束時間の20分前に用意が出来て玄関で待機中

「まだ早いわよ(笑)」

「先輩自転車こぐの早いから
絶対早く来るもん」

そう言って待つ事10分
LINE通知が送られてきた

(もう着いちゃった(汗))

返信を打つ時間がもったいなくて
玄関の扉を開けると
自転車にまたがりスマホを見ていた先輩が驚いた顔をして

「いまLINEしたんだけど」

「見て出てきました(бвб)」

「早く着いちゃってごめんね」

「いえ、その方がゆっくり行けますもんね」

「アハッそうだね(-∀-`)
あれ、バックは?」

「汗かかないから着替えいらないし
財布とスマホだけなのでこのウエストポーチだけです」

「なるほど、じゃー杖はこう持って・・・
しっかりつかまっててね」

「はい(бвб) 」


密着するからだ

このまま足が治らなくてもいいって思えるくらい幸せ

と思っていたのに
世の中そう上手くいかないんだって思い知らされた