「ずるい、優子だけずるい佐江も教えてほしい!」

「うちだって見て欲しいのに何で優子だけなん?」

「なんか、今日当てそうになったお詫びだって言ってた」

「あたれへんかったやん」

「そうなんだよね、なんでだろう?」

「ついて行ってもいいかな」

「どうだろう・・わかんないけど
佐江達お風呂入ったでしょ、汗かくし
それに夕飯の途中で抜けて行くから
言われてない人はダメなんじゃないかな」

「片付け終わったらすぐ行くから
小嶋さんに言っといてよ」

「う、うん、頑張って言ってみる」

監督にも言うとしっかり教わってこいって言われた

用意が遅くて始まる時間が少し過ぎてたから
頂きますと同時にご飯をかき込み
食堂を出て約束の場所に行くと
5分前なのにすでに来て籠の上に座っていた

「遅くなってすいません(汗)」

「五分前だから遅れてない」

「はい・・・」

「じゃー素振りしてみて」

「はい」

バットをケースから出しかまえると

「ストップ!」

「へっ?」

私の後ろに立つと腰を持ち

「もう少し低くなって膝曲げて」

言われるままやって行く

「これくらい捻って構える」

「はい」

「腕の位置はこれくらいでバットの位置はここ」

背中に密着してくる小嶋さん
ちょうど肩のあたりに柔らかいものが当たる
それにお風呂に入ったのかいい匂いがした

私まだだから汗臭いかも(汗)

前に回り構えを見ると

「はいそのまま最短距離を振ってみて」

ブン!!

なんか振りやすいかもそれにスイングが早くなった気がする

「どう?」

「凄く振りやすいです(´-∀-)」

「んっ」

そのまま籠に座るとボールを持ち待ち構えてる

そうだ、「あのう・・・」

「なに?違和感ある?」

「いえ・・・同期が見に来たいって言ってて・・
三人だけなんですけどね」

「ここに来るって事?」

「夕飯が終わって片付けが終わったらすぐ来るって
言ってました」

「ふーん・・・」

それだけ?ダメって言わないからいいって事だよね?

「ほら構えて」

「あ、はい!」

小嶋さんのあげてくれるボールをひたすら打ってるんだけど
ペースが速い、あっという間にひとケース打ち終わり
ボールを集めもうひとケース

もう少しと言う所で三人の姿が見えた

「ラスト三球」

「はい」

「ラスト!」

バシッ!

「はぁはぁはぁ・・・」

「ゆっくり構えを作ってから打つんじゃなくて
すぐその構えを作れるようにしときな
どんなボールでもミートできるように練習しなよ」

「はい・・・はぁはぁ」

『こんばんは』

「ん、後片付けよろしく」

そう言うと自分の寮へ戻って行った

「はぁはぁはぁ」

「凄い疲れてんじゃんどんな練習したんだ」

「高速ティだった(汗)」

「ちゃんとうちらがくるってゆうてくれたんか」

「言ったよ終わってから来るって」

「なのに来たら終わりってひどくない?」

「でも2ケース打ったもん」

「早すぎやん」

「疲れた〜」

「佐江達が片付けといてあげるから
お風呂入っといでよ」

「ありがとうそうする、ごめんね」

「いいって」

言い同期を持って幸せだなー(-∀-`)