野呂
優子のフォームをチェックしていて姿が見えなくなったから
男性陣を見ると二人でニヤニヤしながら話している
仲がいいのはいいけど、二人の顔が・・・・
何を話してるのか想像つくだけになんかやだ
昼食を食べて軽くマッサージをしているとまた寝ちゃったから
陽菜君に任せて優希とその辺を散策しに行く
「優子どう？」
「ちょっと疲れが残ってるかなー、 一日空いてよかったよ」
「そっか、佳代がケアしてくれるから安心して見れるよ」
もう、この兄弟は恥ずかしい事を平気で言って来るんだから照れちゃう
多分素直なんだろうなー裏がないんだと思う・・・
こんな男性には初めて出会ったかもしれない！
大事にしていかなきゃね
他愛もない話をしてしながら帰ると・・・・
こらこらみんなに見られてるよ！激しすぎでしょ
優希は初めて見たのか口を開けて固まってるし
そりゃー大事な妹のあんな姿みたらショックだよね
私は慣れちゃったから何とも思わないけど・・・
「こらー！ 」
声をかけると慌てて離れる優子（笑）
不機嫌な陽菜君は口を尖らせて
「邪魔すんなよ(怒) 」
いやいや、家に帰ってからにしなよ
今日の夜大丈夫かな(汗)
初戦は挨拶代わりという事で陽菜が先発
５回までは野呂に許したポテンヒットのみ
それもファーストの後ろにふらふらと上がり
ライン上にポトリ・・・最悪(怒)
その回の先頭打者をフォアボールで出してしまった
それもきわどいコースで相手は手が出なかっただけだと思う
まあ、他のバッターをうちとればいっかなーんて思ってたら
相手ベンチから監督が出てきて審判に交代を告げてる
代打か・・・誰でも関係ないけどね
相手ベンチを見るとザワザワ騒がしくて
奥からちっこいのがヘルメットをかぶりながら出て来た
嘘でしょ・・・優子？・・・
確か正規メンバーに入ってなかったはずだよね？
優子がバッターボックスに入ると疑問はすぐに解消した
だってすぐバントの構えをしたから
なるほどバント要員ってわけか良かったじゃん
でもね悪いけど陽菜だってプライドがあるから
レギュラーじゃない子にそう簡単にはバントはさせてあげない
初球アウトコースの一番バントしにくい所へ投げると
ボールと思ったのかバットを引いた優子
判定はストライク
次にインハイを要求してくるキャッチャー
そのコースフライになりやすいもんね
投げる瞬間ボールがいつもより指に引っ掛かり
離した瞬間やばい！て思った
ボールは案の定優子の顔めがけて飛んで行く
陽菜の渾身の球からそう簡単には逃げれない
肘に当てて骨折した子もいるくらいだから・・・
心の中でお願い逃げて！て叫んだ
せめてヘルメットにあたってと・・・
でも優子は目をつぶり顔を伏せるどころか
バットを顔の前に持ってきてボールに当て
フェアーラインにボールを転がした
自分はその後しりもちを付いてたんだけどね(笑)
凄いじゃんその勇気と判断力
陽菜嫌いじゃないよ
一つのきっかけできっといい選手になる
優子ガンバ！
