俺とお前と時々親友♂ U−62

野呂

優子も夏休みに入り、総体は断トツの優勝!

当たり前か、日本記録保持者なんだから
高校生が太刀打ちできるわけがないんだよね

まあ、世界陸上に向けてのアップみたいなもんだったね

総体が終わるとすぐに中国に入った、もちろん旦那付・・・

ホテルもセミスイートを取って部屋が二つあるから
私の部屋でマッサージをして自分の部屋に帰って行く優子

「3日前からはエッチ禁止だからね 」

「わかってるよ 」 

と言いながらニヤニヤしてるし・・・

後は調整だけだから午前中に練習を終えて午後からは観光

中国と言えば!万里の長城は外せないでしょ

まだ三分の一ほどしか進んでないのに

「疲れた!石ばっかりじゃねえか 何が面白いんだ(怒) 」

わがまま坊ちゃんが暴れだす勢い

せっかく来たんだから頑張ろうよ!と言う嫁の言葉を
聞いているのかいないのか・・・

ぶつぶつ文句を言いながら結局は登ったんだけどね(笑)

だって途中でほって行かれてもどうすることも出来ないし
登るしかないと判断したらしい

それからずっと機嫌が悪くて、夕食の時もほとんど無言・・・

「陽菜疲れたでしょ?夜マッサージしてあげるね 」

の言葉にようやく反応を示し

「仕方ないからやらせてやるよ(бвб)  」

相変わらずの上から目線

さすが優子、旦那の扱いには慣れてきてるね

明日も午前中練習して、午後から天安門広場や北京の中心を観光する

でも、中国の大気汚染は2・3年前から比べるとマシにはなってきてるらしいけど
マスクは必需品

医療用の99パーセントシャットアウトの高級マスクなんだって

さすがお金持ちは違うね

俺とお前と時々親友♂ U−61

優子

昨日の夜は・・・走ってる時よりも大変だったと思う

「陽菜、もう無理 」

「だめ!」

「もう許してお願い(汗) 」

「だ・め(怒) 」

ダメの繰り返しで何時に寝たんだろう・・・・

目覚ましを無意識で止めてたみたいで
お母さんに電話で起こされるなんて・・・

昨日は早く 部屋に上がったのに・・・

寝坊なんておかしいでしょ? 恥ずかしいよ (汗)

慌てて玄関に行くとお手伝いさんが

お弁当と

「こちらは車で食べてください 」

サンドイッチとジュースを用意してくれていた

「ありがとう、手間をかけさせちゃってごめんね 」

「気になさらないでください、遅れましたが優勝おめでとうございます 」

「アハッ!ありがとう 行ってきます」

「行ってらっしゃいませ」

みんないい人達ばかりで大好き♪

学校に着くと1時間目が始まっていて後ろの扉から入る

「・・・遅れてすいません 」

「おお!小嶋、体調はもういいのか?」

「はい?」

「お義母さんから連絡が入ってたぞ!」

「あっ、はい!もう大丈夫です」

お母さんありがとう

休み時間になって

「優子どうしたの?昨日はあんなに元気だったのに」

「あっ・・・うん・・・ちょっとね、あはっ(汗) 」

「どうせエロ旦那が寝かせてくれなかったんじゃないの(笑) 」

みーちゃん鋭いからヤダ(汗)

「わー真っ赤になってるって事はやっぱりね〜優子も大変だねー」

「もう・・・言わないでよー!」

恥ずかしいよ

「陽菜ってスポーツしてないのに体力凄いよね 」

「そうなのかな?陽菜しか知らないからわかんない」

「あー・・・この話したら怒られるんだった 」

あちゃーて顔をするみーちゃん

「誰に怒られるの?」

「えー・・・ん〜と、才加かな 」

「なんで?」

「しらなーい 」

「もう、教えてよ!あっちゃんは何か知ってるの?」

「あつも知らなーい 」

「・・・・私だけ仲間はずれみたいでやだな 」

「簡単に言えば陽菜は凄いって事だよ 」

「もう、全然分かんないし 」

「優子が幸せならそれでいいじゃん」

「幸せだけど・・・体が持たないかも・・・ 」

「日本一の優子の上を行く陽菜の持久力って計り知れないものがあるね(笑) 」

あんまり関係ないと思うんだけど?

お昼休みには、本当に女子会をしよう!て事になって

世界大会が終わった夏休み後半、一泊二日で
福井県のスパリゾートハワイアンズに決めた

柏木先輩と山本先輩にもメールを送ると

「行く! 」と即答、後は日にちを決めて・・・

男性陣にはばれない様にみーちゃんが幹事をしてくれることになって

くれぐれも、陽菜と麻里子には言わないでって念を押された

言うのは前の日の夜!

・・・・・絶対陽菜怒るよー(汗) どうしよう・・・

Y スレチガイ 17

点数は6点も入ってるけど私はまだノーヒット・・・

それなのに同期の有華と佐江と才加の三人は・・・

やっぱすごいよ私なんて・・・・(涙)

才加はピッチャーだけどバッティングいいし
どこでも守れるから今は外野を守ってる
スーパーウーマンだね

もう一打席あったら絶対に打つ!て思ってたのに・・・

ツーアウト満塁で回ってきちゃった
きっと代打だよね(汗)

nextバッターボックスから監督を見ると
うんうん頷いてるだけで立とうとしない・・・?

私に任せたって事?やばい緊張しすぎて泣きそう

「自信を持て大島!」

監督が一言だけ叫んだ

自信てどうやって持てばいいの?わかんないよ(涙)

でも私はあれから一年頑張って来た!
この打席がダメだったら・・・もっと頑張ればいいんだ

だって小嶋さんが人間に限界なんて無いって言ってたもん

よし!

そう思ったのに・・・・

「ピッチャー交代しますピッチャー小嶋」

嘘でしょ(汗)小嶋さんてエースじゃん

何でこの試合に出て来るの?
もしかして小嶋って二人いるとか?

そんな願いもむなしくマウンドに上がったのは
先輩の小嶋さんで・・・・・・

大島優子・・・終わった・・・

私ってついてないのかな、もしここで打てたら
レギュラーは到底無理だけど登録メンバーに入れるかもって
思ってたのに絶対無理じゃん

先輩や才加だって打てなかったんだから・・・

『優子頑張れー』

『開き直ってけー』

そうだよね開き直るしかないよね
打てなくて当たり前なんだから

とにかく小嶋さんに教わったように
バットを短く持ってコンパクトにボールにあてる!

その結果たとえダメだったとしても悔いは・・・・

ダメダメ悪い事は考えるな

ボールに当てる事が出来たら次は前に飛ばす
一つずつステップを踏んで行けばいつかは・・・

それにこうやって小嶋さんのボールを打つ機会は
二度とないかもしれないんだから今を楽しもう

そう思ったら心も体も軽くなった気がした

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